「そんな……レン……」
 信じられない、というようなアルクェイド。
 本来ならば自分が触れているはずのそれに、レンが触れている。それは夢の中の契約だからと承知していたであろうが、現実に見せられて困惑しているようだ。

「ん……」
 俺の頭に、ゆっくりとレンの手が回る。そしてよりいっそう、唇を触れさせる。
 俺がゆっくりとその唇の先端に舌を触れさせ合図を送ると、レンはその固く閉ざされていた唇を開き俺を受け入れると同時に、自らの舌も積極的に絡ませてきた。
 そのまま、アルクェイドの見ている目の前で舌を互いに送りあい、唾液を交換する。

 ぴちゃ、ぴちゃ……
 湿った音が、部屋に響く。
 そして、そんな中1つのうめき声。
 そんな俺達の行動に、目の前のアルクェイドが言葉を失わせていた。
「あ……あ……」
 既に泣いてしまいそうなその顔。自分を間に挟んで、誰よりも愛する男と他の女が舌を絡ませ、抱き合っている。
 そんな状況に、耐えられるわけがなかった。
「い……や……!」
 引き離したいのに、体は挟まれて動かせない。そんなもどかしさがアルクェイドを少しずつ狂わせていく。
 それを見て、俺は思わずニヤリとしてしまう。同時にレンも、クスリと笑う。

「ほら……アルクェイド、どんな気持ち?」
 俺はレンから唇を離して、話しかける。レンは、その舌先に名残の唾液の線を引きながら、ぽーっとしていたが、そのまま俺の頬を舐めるようにぴちゃぴちゃと舌を這わせ、アルクェイドに見せつけるようにする。
「いや……いや……」
 そんな俺達を見ながら、アルクェイドがぐずぐずと泣き出す。
「どうして……こんな事するの?」
 そのくしゃくしゃの泣き顔が可愛い。だから、もっといじめてしまいたくなる。
「だって、アルクェイドが可愛いんだもん」
 そう言うと、レンに目配せ。レンはすっと体を離す。そうして、俺の膝元に身をかがめる。
 体が自由になって、アルクェイドが俺にキスしようと迫るが、それを許さずに俺はアルクェイドを抱いていた手を離し、そのまま俺の足下に放り投げる。

「あっ……」
 ぽんとアルクェイドがベッドで跳ね、二人が同じような格好になる。あぐらをかいたままの俺から見ると、俺のモノを見るような姿。そう、それは俺の望んだ姿。
「志貴……」
 アルクェイドが目を俺の中心にやる。そこは先程中断した行為そのままに、未だに発射できずにビクビクと脈打っている。アルクェイドとの交わりの愛液がてらてらと光り、引き寄せるように自己主張していた。
「志貴、こんなになってるよ……可哀想……」
 と、アルクェイドがそのペニスに顔を近づけようとしてきた。
 キスして、舐めて、飲み込もうとする。
 その潤んだ目は妖しい行為を想像させた。

 とその時、びくりとアルクェイドの体に衝撃が走り、俺のペニスの目の前で動かなくなった。
「あ……あ?」
 もう目と鼻の先にそれがあるのに、体が動かないでいる。訳も分からず、アルクェイドが困惑の声を上げている。首だけは動くようで、それを上下させ何とかもがくようにして進もうとするが、上手くいかない。
「なんで……どうして……?」
 お預けをされ、悲しむ少女。
 と、ギシリとベッドがきしむ音。
「あ……」
 それに気付いて、アルクェイドは首を後ろに向けると……
「レン……」
 クスリと笑う少女。
 その瞬間に理解をしたようだ。
「……そ、レンが動けなくしてるの。だめだろ、勝手に触れちゃ」
 俺は笑う。
「ほら、レン……さっきからこんなになってるんだ……何とかしてくれよ」
 と、自分のいきり立ったそれを指差し、レンを誘う。

 コクリ

 レンは俺を見て頷くと、ゆっくりと体ごとその先端に顔を近づける。
 そして、アルクェイドに顔を近付かせた時、

 クスリ

 アルクェイドをあざ笑うかのように妖しい表情を浮かべた。その顔に俺もぞくりとする。
「あ……いや……」
 通り過ぎるレンに向かって、アルクェイドが悲しい顔をする。
 そして、レンはゆっくり俺のペニスに顔を寄せると、ちろりと出したその小さな舌で、俺の亀頭の先端を優しく舐めだした。
 ぺろりと、その精液と愛液を舐め取るようにして、味わう様な顔。ふふっ、と嬉しそうな顔をして更に舐める行為を続ける。

 ぴちゃり、ぴちゃり……

 妖しくも快感を呼ぶその音は、俺の前に屈み込み、ペニスを愛撫するレンの口元から流れる。
 亀頭を舐め、竿にも手を這わせながら、次第に下の方に舌が下りていく。竿全体を舐め取り、アルクェイドの愛液の変わりに自分の唾液を纏わらせ、それがあたかも自分専用のモノであるかのように誇示しているようだった。
「くうっ……レン、いいよ……」
 その絶妙な舌戯に、たまらず俺も声を上げてしまう。頭をなでさするようにすると、嬉しそうにその舌の動きが活発になる。
「いやぁ……いやぁ……っ」
 気付くと、涙声でアルクェイドが舌を精一杯に伸ばしている。だがそれは俺のペニスには僅かに届かず、空しく宙を上下するのみ。
 それを見てレンは、まるで見せつけるようにして両手で俺のモノを包み込み、その竿に舌を這わせながらアルクェイドを見やる。

 これは、わたしだけのものなんだから

 そう言いたげな表情で、アルクェイドを見つめながら愛撫を繰り返す。
 その視線の先、アルクェイドはショッキングなその映像に、ただ愕然とするばかりだった。
「志貴……志貴……」
 俺に助けを求めるように、それはあまりにもか細い声。体を封じられ、それを見せつけられてショック状態だった。

 レンはそれを確認するとクスクスと笑い、そして俺のモノを包み込むように口の中に納めはじめる。

 じゅぷっ じゅっ……

 流れる唾液と共にレンの頭は上下し、それに引きずられるように俺の快感も高まっていく。同時に陰嚢にもやわやわと刺激を与えられ、ぞくりとしてくる。ぶるっと、奥の方からこみ上げる感覚。
「ああ……レン、そろそろ出すよ……」
 限界を感じ、俺はレンに合図する。レンは両手でシャフトをしごき、更に俺を高みに連れて行く。
「やめて……やぁ!」
 アルクェイドがイヤイヤと首を強く左右に振る。そんなのだめとばかりにきつく目を閉じ、見まいとするが、レンが一瞬アルクェイドに目配せすると、その瞳がぱちりと開かれてしまう。

「や……!!」

 その瞬間、俺はレンの口の中にたまっていた精液を放出した。
 どくり、どくりと尿道を通り、激しく精液が奔流となってレンのその小さな口を襲う。
「うっ……」
 なおも舌を這わせながらそれを受け取るレン。その頭に両手を置こうとして……代わりにアルクェイドの頭に手を置く。
「えっ……」
 レンの頭を押しつけるように、アルクェイドのそれを動かそうとする。もちろん動かないわけだが、アルクェイドもそれに応えようとするが敵わない。
「嫌ぁ……レン……」
 アルクェイドが俺に頭を掴まれながら涙する。
 レンは、まるでそうされているかのように頭を俺のペニスに何度も押しつけ、その口の最奧で俺の迸りを受けている。
 ごくり、ごくりと大量に口に注がれるそれを嚥下し、幸せそうに目を潤ませてアルクェイドを見ている。

 やがて長かった放出を終えると、最後にレンは俺の鈴口をきゅっと吸い、唇を離す。

「あ……」
 ちゅぽんと音がするようにして俺のペニスから唇を抜くと、そのままアルクェイドの顔の前に自らの顔を寄せる。
 そしてクスリと笑うと、ゆっくり唇を開いて

 ドロ……
 
 口の中に残っていた精液を自らの手の平に垂らし、アルクェイドに見せつけて笑う。

 ゴクリと、それを凝視するアルクェイド。
 私もそれを味わせて、と言わんばかりの目でレンの手の平の白濁を見つめている。
 口の端から垂れたその精液は、俺の目にも淫靡に映る。

 だが、レンはそんなアルクェイドをクスリと一瞥すると

 ペロ……ペロ……

 まるでミルクを与えられた子猫のように、嬉しそうに自らの手を舐める。それもアルクェイドの目の前で。

 ほら、ご主人様はわたしのフェラチオでこんなに出してくれたんだよ。

 そう言いたげに、ゆっくり焦らしながらそれを舐める。

「あ……あ……」
 舌を伸ばし、またそれに触れようとするアルクェイド。しかしすんでの所でそれは届かずに、レンの指先に触れるのみ。

 そうして、レンは綺麗にその手を舐め終えると、自分の指先を舐めるアルクェイドを見る。
 すっと手を離し、唾液に濡れた指先を見て……それから口の端の精液をそれでなぞり、アルクェイドに捧げるように前に出す。
「あ……」
 アルクェイドは待ち遠しかったそれが自らの面前に差し出され、恍惚の表情を見せる。
 その味を、早くわたしの口の中に……
 そう言いたげな目。

 しかし

 レンはその指をアルクェイドの鼻先にかすめさせるよう通過させると、自分の股間にあてがい、その下着の脇から秘裂の中に指を沈めていった。
「あ……あ……」
 アルクェイドの目が、そんなレンの行動に一瞬で凍り付く。

 ちゅぷ……
 
 既にそんな音がする程、レンのそこは愛液をたたえていた。そうして指を差し込み、その精を膣で感じて、快感のため息を漏らし、目を瞑って酔う。

 本来、精での契約は膣内での発射によるものだ。飲液などレンはしない。
 だが、レンはアルクェイドに見せつけるために了解して飲んでくれたのだ。
 その俺も初めて見るレンの行動に、一度放出したモノはすぐに力を取り戻す。

「レン……次は……」
 と俺が促すと、レンは薄目を開けこくりと頷く。わたしも我慢できない、そんな声が心に響く。
 するりと、レンは着ている服を脱ぐ。そのまま下着も脚から抜き去り、一糸まとわぬ姿になる。
 アルクェイドに負けず劣らず、幼いその体はいつ見ても刺激的だ。
 既に見るからに固そうに乳首は尖り、玩ばれたいと主張している。そして淫唇は涎を垂らし、もっと俺の精を下さいと渇望しているようだった。

「おいで……ふたりで」
 俺がそう言うと、ぱちりとレンはアルクェイドに瞬きをする。
 瞬間、アルクェイドの金縛りは解け、体が弛緩する。
「あ……」
 くたりと、アルクェイドは倒れ込んでしまう。
 その股間部分、シーツに一際大きなシミが出来ていた。
 アルクェイドはその姿を見せつけられて、触れてもいないのにイッていた。
 トクトクと愛液を流し、震え、その体を疼かせていた。

 レンはその体を優しく抱き起こすと、俺に体を預ける。
 俺は、アルクェイドの腰を左手で抱え、右手でレンの腰を抱える。
 そのまま、先程のようにアルクェイドを挟む格好で抱き寄せる。
「あっ……」
 アルクェイドはようやく挿れてくれるのかと思い、期待に目を輝かせて自分の股間部を見下ろす。
 ゆっくりと、俺のペニスはアルクェイドの垂らす液に導かれるように近づける。
 とろりと、竿にそれが流れ落ちる感触。思わず身震いをしてしまう。
 しかし、アルクェイドの中心にはそれはあてがわず、そのまま下をくぐらす。
「えっ……?」
「ほら、レンが欲しがってるから」
 俺は意地悪くそう言うと、アルクェイドの瞳からその奧に視線をやる。
 同じようにアルクェイドが目をやると、そこには

 下さい……

 そんな表情と、アルクェイドへの優越感の籠もった瞳のレン。
「そん……な……」
 アルクェイドが、それを見て絶望的な声を上げる。
 俺はそんな表情をものともせず、その後ろで同様に待っていた秘裂……同じように愛液を滴らせているレンの中に、自らのペニスをゆっくりと沈め込めた。

 ずぷ……

 そんな音と共に、レンの狭い膣は俺のペニスで満たされる。

 ああっ、いい……

 そんな声が聞こえる。レンは入れると同時にきつい収縮を繰り返す。いつにない飲液という行為に自分も酔いしれ、入れただけで達しているようだ。
 こぼれた秘裂の端からの愛液は既に白濁し、受け入れるその喜びを噛み締めているようだった。
「ん……やっぱりいいな……」
 快感に、声にならぬ叫びと共にレンがおとがいを反らす。その首筋が艶めかしく、俺は自然に唇を這わせる。
 あっ、とレンが跳ねる。首筋が弱いからその刺激できゅうと膣の収縮が大きくなる。

 そうした一連の収縮が収まり出す頃、ゆっくりと自分の腰とレンを支える右手だけを上下させ、ピストン運動を開始させる。
 じゅっ……ぷっ……ちゅっ……
 摺り合わせる音が、淫靡に響き渡る。俺とレンは共に呼吸が荒くなり、互いが下腹部に与える刺激にココロを飛ばす。

 が……
「……」
 ぱくぱくと、一人口から言葉も出せずに喘いでいる一人の少女が間にいる。
 アルクェイドは、最早お預けされ続け、見せつけられ続け、壊れる寸前の所にいた。
 ただ俺達の行為を眺め、じっと身を強ばらせていた。
 快感に歯ぎしりをし、何とか薄目を開けてそれを確認すると、達成感が沸いてくる。
 
 思わずアルクェイドを見てニヤケ笑いをすると、ペニスをきゅうと締め付けられる感覚。
 見ると、レンが顔を膨らましながらこちらを睨んでいる。

 わたしだけ、でしょ

 そんな訴えの目に、思わず苦笑いして返す。
「ゴメンゴメン、すぐに気持ちよくしてあげるよ」
 そう言って、一気にずん!と突き上げる。
 あっ、とレンがそれだけで崩れる。構わずに何度も何度も突き上げてやると、ガクガクとレンが激震する。ギュッと俺の頭に手を回し、アルクェイドごとつぶしてしまうかのように俺を抱きしめ、後ろに倒れないようにしながら快感に必死に耐えているようだ。

 今3人は同じ動きを享受している。
 でも快感は2人だけで。

 その間に挟まれたアルクェイドは、俺の胸板に当たる乳首の感触だけを頼りに虚ろに声を上げだした。
「あっ……志貴……」
 何処とも分からぬ宙を見て、涙でぐしょぐしょに顔を濡らしながら喘ぐ。
 そんな姿が少し可哀想だと胸が痛むが、ここまで来たら徹底的に貫き通してやろう。
 幸い、俺を締め付ける収縮は今まで以上にきつくなり、レンももはや限界だと言うような顔をしている。既に何度も達しイキっぱなしの顔は表情も弛緩し、淫らに涎を流している。
「ほら……レン……そろそろ出すよ……」
 俺が呼びかけると、コクコクと強く頷いてより腕を絡ませ、唇も同時に貪欲に求めだす。アルクェイドの顔の横にそれを差し出してやると、飛びつくようにして唇をぶつけ、舌を絡ませる。
 上下の奏でる濡れた音が、聴覚から俺を高める。
 そうして、俺は最後のひと付きを加え、叫んだ。
「よし……出すぞ……全部中で受け止めろよ……レ……アルクェイド!!」
「え!?」
 アルクェイドが途端に意識を戻してこちらを見やるが、それは最後の悪戯だった。

 ビクビクと、レンが一際大きな収縮をして達すると同時に、どくり、どくりと、俺はその最奧目掛けて勢いよく発射した。
「あっ……いやぁーーー!」
 意識を戻されたにもかかわらず、それを叶えられずにアルクェイドは悲痛な叫びともあげる声を絞り出す。
 俺は固まりのように精液をレンの膣に出すたびに、その腰を揺らす。
 そのたびに、あっ、あっと、意識を遠くに飛ばすレンが喘ぐが、その声は声として伝搬せずに届かない。
 代わりに
「あっ……あっ……」
 と、涙を流しながらアルクェイドが同じリズムで声を上げる。しかしそれは快感に打ち震えるそれではなく、絶望に涙しながらの声。
 そうして、レンとアルクェイドの震えは、俺の射精の収束と共に収まっていった……