「ああ……」
 もう一度やり直すように、全ての気持ちを確かめながら秋葉を抱きしめる。
 そのまま、俺は布団に横になり、秋葉を上に載せる。

「秋葉……せめて、お前の好きなように……」
 俺はそう言うと、秋葉を抱く腕をほどく。

「兄さん……分かりました」
 俺の強い決意を感じたのか、秋葉は頷くと、先程自分がされていたように俺の全身に愛撫を開始した。
「ん……兄さん」
 ぺろぺろと、秋葉の舌が顔を、首を這う。
 そして、その舌が俺の胸に下りてきた時……

「あ……」
 秋葉が一瞬躊躇して、その動きを止める。
 俺がその秋葉を見ると……
 胸に、8本の赤い血の筋。
 それは、先程の秋葉の爪の立てた痕だった。

「兄さん……御免なさい、痛かったでしょう……」
 そういうと、秋葉は躊躇い無しにその血へ舌を走らせた。

「うっ……」
 その感触が、少しだけぴりっとする。
 だがそれ以上に、秋葉の舌が蠢く気持ちよさが感じられる。

「兄さんの、血……」

 もう吸血衝動に襲われない秋葉が、純粋に俺の血を求めていた。胸に伸びる筋に従って舌が動き、その全てを舐め取って、味わい尽くしていた。
「秋葉……」
 俺はその秋葉に万感の思いだった。

「兄さん……」
 秋葉は潤む目で俺を見つめると、困ったような顔をする。
「これから……どうしたらいいですか?」
 秋葉は腰をもじもじと俺に押しつけ、繋がりたいという気持ちを伝えてきていた。
「そうか……」

 こういうところは、秋葉は恥ずかしいのだろうし、分からないのだろう。
 俺が、導いてあげなくては。

「ほら、秋葉……」
 俺は腰を掴むと、秋葉を少しだけ後ろに下げる。
「あっ……」
 秋葉の目の前に、胸を愛撫されて元気になったモノが姿を現した。
「自分で入れてごらん……」
 俺は、秋葉の手を取ると自分のそれに導く。

「あっ、熱い……」

 秋葉はそれを手に取ると、熱にうなされたように上下させる。その擦る感覚が気持ちよくて、爆発しそうになる。
「あ、秋葉……」
 俺が呻くと、ハッと秋葉が俺を見る。
「す、すみません……」
 謝る秋葉に、俺は何とか苦笑いして返す。

「一回でも多く、秋葉の膣で果てたいから……」
 そう言うと、秋葉もそれに頷く。
「私も、兄さんのが中に欲しい……」
 そうして、秋葉はぎこちないながらも自分の花の真下に、俺のモノをあてがう。
「いきます……」
 そう、自分に言い聞かせるようにすると、秋葉がゆっくりと腰を落としてきた。

 ず、ずず、ずずず……

 少しずつ、秋葉の膣に俺のペニスが入り込んでいく。

「ああ……秋葉……」
 少しでも油断すると瞬間果てそうになるのをぐっとこらえ、俺は秋葉の膣を感じる。
「ん……奧に……入ってきます……」
 秋葉は腰を落としきると、そこではぁと熱いため息をもらす。
「兄さんのが、全部入りましたよ。深い……」
 自分のお腹に手を当て、それを感じる。

「この後は……」

 そう言って秋葉がまた困ると、俺は腰を支えて軽く持ち上げてあげる。そうして、また同じように沈める。
「ん……」
 秋葉は、たまらず声を上げる。
「こういう風に、自分で動いてごらん……」
 秋葉にそれだけ言うと
「はい、兄さん……」
 そう言って、慣れぬ腰つきで上下運動を始めた。

 じゅっ、じゅっ……

「ん……ん……」
 控えめなピッチで、秋葉の腰が俺の上で動く。
「ああ……秋葉、気持ちいいよ……」
 俺が嬉しそうに言うと、秋葉が少しだけ腰の動きを強め、膣を締めていった。
「はぁ……はぁ……」
 最初とは変わり、少し甘い声が混じり始める。秋葉も感じ始めているようだ。

「ああ……兄さん、何か変な感じが……」

 自分が今度は逆に男を犯している、そんな倒錯感に震えているのだろう。
 秋葉は、段々と夢中になって腰を使い始めた。

「やっ……私、こんなはしたない……きゃっ!」

 目の前でぷるぷると小さく揺れだした胸に、俺は手を伸ばしていた。
 殆どなだらかだけど、触るとそこには女性らしい柔らかさがある。そして乳首は自己主張良く、秋葉の頂点でピンク色に息づいていた。
 そこをこねてやると、秋葉が跳ねる。

「あっ……ああっ」
 そして俺を見ると、お願いするような瞳で

「兄さんも、動いて下さい……」

 そう言った。
「分かった……」
 俺は許しを得て、秋葉の膣の中のペニスをゆっくりと腰を使って動かし始める。

「あっ……」

 自分の意志と違って動いたそれを感じ、秋葉が嬌声を上げると、俺はすぐにズンと突き上げた。

「ああっ!」

 秋葉が、たまらず俺の体に倒れ込んだ。目の前ではぁはぁと息を荒げる秋葉を見て、先程に懲りず、欲望が頭をもたげた。

 秋葉のお尻を掴むと、それを上下させるようにして自分のモノを深く突き刺す。

「あっ!ああっ!!」

 一気に、秋葉が俺にしがみついて余裕を失っていく。ブルブルと震えて、秋葉の膣が更に良くなる。
「凄い……です!はあぁっ!!」

 ピチャピチャと、秋葉の尻と俺の腰が合わさって鳴らす音が響き渡る。そのいやらしい音に秋葉がたまらず声を上げる。

「やだ……もう、イッちゃう……!!」
 震え、そのまま遠くに飛ぼうとする秋葉の体を俺は起こしてあげて、自分から積極的に腰を使わせる。

「あっ、あっ、ああっ!!」

 秋葉の膣がうねり、俺を吸い尽くそうとする。
「秋葉、俺も……!」
 そう言って、俺も秋葉の上下に合わせて腰を動かす。
 秋葉が打ち下ろしてくるなら、突き上げ、引くならば、同じように引く。
 そうして、リズミカルに激しく俺達の腰は溶け始めた。

「兄さん、イク!イク!!」
 秋葉が最後に高らかにそう叫ぶと、ペニスが締め付けられた。

「ああ、あああーっ!!」

 俺の体の上で仰け反る秋葉に愛おしさを感じ、俺も欲望を吐き出していった。

 どくんどくんと、秋葉が痙攣するたびに膣が俺の精液を絞り出すかのように。
 とにかく、ただ全ての思いを込めて、射精した。

 

「ああ……」
 秋葉が仰け反った形のままゆっくり後ろに倒れていくのを目視して、それを支えようと自分の体を起こす。
「あっ!」
 その瞬間の動きにも、秋葉は強烈な刺激を感じたらしい。きゅっと締め付けてきて、
「くっ……」
 放出の終わりきらないまま動いた俺は、秋葉の体を支えながらもまたひと噴きしていた。
「ああ……兄さん」
 俺はその笑みに満足すると
「秋葉、物凄くエッチだったよ」
 自分の上でいやらしく舞う秋葉を思い出し、にやっとする。
「……」
 言葉を無くしてうつむく秋葉がかわいい。そのおでこにキスをしてあげて、髪をなでる。少し乱れていたから梳くようにしてしてやったら

「……!」
 何だか、秋葉が感じてきたようだった。
「秋葉……」
 正直、女は恐いなと思って秋葉を覗き込むと
「兄さん……私もう……」
 先程の疲れも見せず、秋葉がうなずく。
「ははっ……男に休息は無し、だな」

 こうなったら、自分の限界を見ておいた方がいいかも知れない、と考えてみた。
 どうせ「無節操だ」「底なし」だと言われるならば、その時点で反論できるくらいの気概も兼ね備えていないとな……無駄な努力かも知れないが。

「よし」
 誰に言うでもなくそう叫ぶと、秋葉の体を揺らし出す。
「ん……」
 先程とは違うゆっくりな動き。強弱を付けるのは大事だから、それを意識して慌てないようにする。
「はぁ……」
 今度は秋葉が積極的に腰をくねらせてくる。互いの上下運動に円運動が加わって、秋葉の中は一瞬一瞬で全く違う様相を見せていた。更に襞の動きが加わって、人間の複雑系として予測し得ぬ最高の気持ちよさだった。

「いいね……」
 のんびりと秋葉に話しかけると、秋葉も気持ちいいのだろう、笑顔が返ってくる。
「ええ……ずっとこう、たゆたっていたいですね」
 激しさを求める交わりもあるのなら、こういうのもひとつあるのだろうと実感。ただ……

「ほら、秋葉、ずっとって言っても気持ちよすぎるから……」
 俺は苦笑すると、自分の下半身を恨めしく見る。

 そりゃぁ、俺だって気持ちいいのがずっと続くのは歓迎する。でも男は早急に生殖を完了させようという原始の刷り込みがまだ残っているらしく。だいぶ我慢していても、女性のそれとは比べ物にならぬほど早く、浅く達してしまうのだ。

 ……まぁ、これは男の悲しい言い訳ではあるのだが。

「ふふっ……兄さんは早いですからね」
 秋葉はそんなことを知ってか知らずか、更によく締めながら笑う。
「むっ、それは悲しいなぁ……」

 他の男性と比べ……られないのは俺も秋葉も同じだけど、少なくとも俺は頑張ってる方だと思う。今度ビデオでも……あ、男優となんて比較したら自滅だし、何よりウチにはテレビがなかった。あるのは……そりゃ、体裁上無理な相談だった。

「……」
 俺は何も言い返せず、黙って腰を揺らすしかなかった。
 それを降参の印と取ったか、秋葉は実証しようと突然の行動に出た。

「だって、ほら……えい!」

「……ぐあぁぁ!」

 どく……

 秋葉が、突然きゅっと強烈に締める。
 俺はその全体への驚かしにこらえきれず、あっさりと出してしまった。

 先程までは全く無意識だったはずなのに、もう体得してしまったとは……これから秋葉相手に色々教え込むのが楽しみ……いや、体が持つのか正直恐怖した。

「あは、兄さん……」
 自分のいたずらが成功したので、秋葉は心底嬉しそうにその産物を受け取っている。
 その姿が可愛い……けど、男として正直悔しい。

 放出が終わるのを見計らって、俺は逆襲に出る。

「秋葉!」
 ガバッと、のしかかるように秋葉を押し倒すと、そのまま秋葉の両脚を掴み、頭の横に持ってきた。
「きゃっ!」
 ちょうど秋葉の淫唇が天井を向く、俗語で汚く言えば「まんぐり返し」だ。
「やだ……!兄さん、やめて!」
 物凄く恥ずかしい格好をさせられ、秋葉は俺に許しを請うが
「だーめ、男を辱めた罪は大きいぞ〜」
 俺はにやりと笑うと、秋葉の入り口に人差し指を当てる。

 恥ずかしさも相まってひくひくと蠢くそこは、食虫花のように艶光り男を求めている。
 更に、その奥からは精液と一緒に泉のように愛液を溢れさせ、伝って秋葉のおへその方まで流れ落ちている。
 そんな花に指を差し込むと、熱い膣が俺を迎え入れ、ごぼりと指の分以上に愛液をこぼす。

「やっ……」
 羞恥が秋葉を包む。目をそらしてその部分を見ないようとしているが、脇目でちらりちらりと自分のそこを見ているのは気付いていた。

「ほら秋葉……こんなにいやらしい……」
 指を往復させながら、見せつけるように秋葉に示すと、秋葉はいっそう泉から愛液を沸かせて答えてしまう。

「いつも自分でしてたんでしょ?見せてよ……」
 俺がお願いすると、秋葉は一瞬ためらった。しかし俺の指の動きが止まると、それを補うかのように秋葉のほっそりとした指が下から伸びてきた。

「ああ……見ないでください」
 秋葉はそんな場違いなことを言うが、指は優しく自分を慰めだす。
 優しく外側を擦ると、切ない声を上げる。
「兄さん、兄さん……」
 その動きに、ぞくりとする。

 清楚なはずの秋葉が俺の名を呼びながら自慰をする姿。
 ひとりの手遊びなのだが、見ている俺にも興奮を呼ぶ。

「きゃうっ!」
 秋葉が、自分でクリトリスを指で触ると跳ねる。

「秋葉……クリトリス、弱い?」
 夢中でそこをいじり続ける秋葉は、こくこくと頷きながら
「ええ……ここ、ここを弄ると凄く良いの……!」
 その言葉に更に加速させて、激しく弄る。

「そうか……手伝ってあげるね」
 俺はそう言って、秋葉のクリトリスを舌で愛撫した。

「きゃっ!」
 指と舌、二つの刺激に秋葉がたまらない声を上げる。ついでに指は、膣口を激しく出入りさせ、密を掻き出すようにする。

 ぐちゅぐちゅ、ぴちゃぴちゃと二重奏が奏でられて、秋葉は堪えられなくなった。

「あっ!兄さん、もうダメ!!」
 膣が締まったと思ったら、そこから愛液の泉を駆け上がるように間欠泉がごとく潮が噴き出された。
「はぁっ……はぁぁ……」
 見られ弄られ達し、秋葉は苦しい体勢のまま息を荒げていた。
 が、俺はそんなことで容赦しないことにした。

 俺は立ち上がると秋葉の股から尻の部分に手を当てる。
「いくぞ」
 そして秋葉の体を更に屈曲させて、その中心に今のを見ていて復活したペニスをあてがった。

「……あ、兄さん少し……」
 休ませて、と言いたいのだろうが容赦しない。そのままズブリと腰を落として秋葉の膣へそれを入れた。

「ああっ!」

 まだ快感の余韻からさめぬ所に一撃を食らわされ、秋葉がそれで落ちる。
 膣の締め付けが思い切り凄いが、先程のこともあるから限界ギリギリまで耐えてやる。
 それを摩擦で忘れるがごとく、俺は一気に腰を激しく上下させた。

「ああ!あああ!!」
 秋葉は喘ぐのも忘れてとにかく叫ぶ。目をきつく閉じて快感の渦から自分を引き戻そうと必至になっていた。

「ほら……秋葉、目を開けて……」
 突き出す合間に、俺は秋葉に呼びかけた。
「えっ?……やぁぁ……」
 秋葉は目を開けると、目の前の光景に恥ずかしさが最高に溢れてきているようだった。

 俺からも、秋葉からも、ふたりが繋がっているその光景が丸見えになっていた。
 光に照らされてお互いの性器がぬらぬらと妖しく光り、俺のペニスが秋葉の膣に出たり入ったりを繰り返す。

 秋葉はさっきみたいに目を逸らすことが出来るのに、それでもその男と女による強烈なビジョンに魅せられ、凝視してしまう。

 ぐちゅ……ぶちゅ……
 生々しい音が響き、泡だった液体が秋葉に流れ落ちていく。俺は一瞬の休憩もせず、スクワットを繰り返すように何度も杭打ち機に成り果てて秋葉を貫いた。

「あああああ!!あ、あ、ああああ!!」
 秋葉がもうどこでも息継ぎが出来ず、とにかく叫んでいた。俺も酸欠になるほど息を止め、射精に邁進する。

「出すぞ、秋葉!」
「ああ!!ああん!!」
 俺の声も届かず、秋葉が僅かに顎を引いたように見えて。

 俺は痺れる感覚に、最後のひと突きを行う。ぐっと腰を引くと、全体重を乗せて秋葉にのしかかった。

「ああああああああああああああああああああああああ!!」

 ビクン!

 その瞬間、互いが硬直した。

 ビクン!ビクン!!
 俺は睾丸からせり上がる一気の精液の奔流に熱さを感じ、秋葉の膣にびゅるりと注ぎ込んでいく。

 秋葉はひくひくと強烈に体を揺らしながら、それを受け取るべく膣を最大に締め、一滴も外に漏らさぬという感じでそれを飲み込んでいく。
 膣の蠢きが俺を呼び込み、子宮目掛けた強烈な撃に拍車がかかる。

 ドクン、ドクン!

 先程の緩い量とは比較にならぬそれが、秋葉の膣に注ぎ込まれていった。

「あああん……」
 それが終わる頃、秋葉の体がゆっくりと弛緩して、俺は苦しくないように仰向けの形に秋葉を戻してあげた。

「はぁ……はぁ……」
 膝がガクガクで腰を床に着き、自分のペニスを眺める。
 もう真っ赤で、いつ擦り切れてもおかしくない感じだ。
 そろそろ……
 俺がそう思っていると、秋葉がゆっくりと息を吹き返す。
「兄さん……」
 秋葉は自分の体に何も俺が触れてないのを感じると、寂しさに喘ぐ。
「兄さん……兄さん……」
 秋葉が両手を宙にさまよわせるから、俺がその手を取り、がっちりと抱きしめてあげる。

「ほら、秋葉、ここだよ……」
「あはっ、兄さん……」
 嬉しそうに、俺に抱きつく秋葉。
「苦しいって」

 秋葉はそう言っても尚強く抱きしめ、更に腰を密着させて脚を絡める。

「秋葉……」
 その必死な行動に、されるままにした。

 そうすると、秋葉は自分から腰をあてがい、俺を迎え入れた。
 ずにゅうと、自分から意識しないのに飲み込まれていく。

「秋葉……」
 真意が読みとれないが、秋葉が俺を求めているなら答えるのが役目だ。
 密着されるとうまく動けない。けど代わりに秋葉の膣の動きだけで俺たちはセックスをする。

 くねくねと、先程と比べて明らかに秋葉は女になっていた。気持ちいいツボを体得し始めたかのだろう、俺を喜ばす動きに隙が無くなっていた。

「兄さん、もう……」
 秋葉は、薄目を開けて最後を請う。
「ああ……」
 言われなくても、とっくに限界だった。

 どく……

 優しい奔流が、秋葉を満たしていく……

「ああ……」
 秋葉はその打ち付けに、意識が遠のいていくようだった。
「秋葉……!」
 マズイのか、俺が一瞬焦るが秋葉は笑う。
「これで……羽居より沢山ですね……」
 最後にそう言って、秋葉は落ちていった。

「……ははっ」
 数えてやがったな、秋葉の奴。
 でも、まだまだだな。多分9回と踏んでるな。

 これで、10回だ。
 ……って、俺も数えてたな。苦笑する。

 でも……

「秋葉……今度は何回したかなんて数えさせないからな……それくらい……気持ちよくしてやる……」
 秋葉の寝顔に満足して、俺も意識の糸が切れていく。
 すうと、秋葉の横で眠りにつく。

 最後にふと思いたって秋葉に腕枕をしてあげながら……