「兄さん……」
そのまま、ちゅっと指をくわえ込むと、美味しそうに舐め出す。
「ふふっ、なんかミニチュアの兄さんのみたいで、可愛いです」
口を一度離すと、俺の方を見て笑いかける。
「ははっ……」
俺が何だか複雑な気分でそう笑う。
秋葉はもう一度指をしゃぶると、更に熱心に舌を這わせ出す。俺は指の先端から付け根の股の部分まで往復する、秋葉のやりたいようにさせる。
柔らかい舌が俺の指を包んで、こういう反応に鈍感なはずの部分がこそばゆく感じるようになってきた。
何より、その嬉しそうな秋葉の顔と、指に光る唾液が美しくて……また、たまらない気持ちが沸々とわき起こってくる。
秋葉に指を銜えられたまま、俺はもう一度揺れ始める。
「あっ……」
その瞬間に軽く秋葉の歯が指に当たって、ゾクリとする。
「んっ……兄さん、はあぁ……」
俺は自分から秋葉の口に指を差し込むと、今度は俺がその中を探るようにして口腔を掻き回す。
「きゃ……」
初めは、とりあえず思うままに動かすだけだったが、ふと自分腰の動きを思い出し、その動きに合わせるようにして指を動かし始めた。
「あっ……上下で……!」
それを秋葉も分かったのか、きゅうっ、と膣が締め付けてくる。
「ああ、あふっ……」
口を閉じられない秋葉の口から、涎のように唾液の筋が布団に落ちる。はしたないようで淫靡なそれは、俺の脳髄を刺激する。
上下の口が、共に俺によって貫かれている。
秋葉のそんな狂った錯覚を利用して、俺は一気に両方をめちゃめちゃにしてやった。
「ああ!ああっ!」
たまらず、喘ぐ間もなく秋葉がイッた。
口は俺の指を強くくわえ込み、膣はぎゅうっと強い収縮で俺のペニスを締め付けていった。
「ああ……」
秋葉が脱力するに合わせて、俺の指は口から開放される。
そのまま秋葉の口の端をなぞり、漏れ出た唾液をすくい取ると、自分の口に運んだ。
信じられないほど甘い味が、俺の中に広がっていく。
その味覚が、信号となって脳に届く間に狂ったか、俺のまだ放出してないペニスは更に激しく脈打つ。
「あっ……」
秋葉がそぞろに喘ぐが、今はちょっと抑えが効かない。
俺は秋葉の体を前に倒す。
「んっ」
秋葉は手を付き、俺に対してお尻を向ける格好となる。
「あ……いやっ、こんな格好……」
その四つん這いの格好に、秋葉が羞恥の声を漏らす。
なのに、その姿は普段とのギャップも相まって、とにかく俺には刺激的すぎた。
秋葉の白いお尻が、こちらも向いている。
その中心に見える花が、何度も何度も放出した俺の精液でとろとろになり、蜜と白濁を滴らせていた。その情景がスローモーションのように映り、一気に俺の限界を一足飛びで突き破らせる。
素早くあぐらを解くと、体勢を換えるために捻ろうとしていた秋葉の腰をぐっと掴む。そして、すぐにその中心に自分のペニスを当てがう。
「やっ!兄さん!?」
秋葉の表情が伺えないが、口調から驚きが強いのだろう。が
「ゴメン、後ろから。我慢できないよ……」
さっきまでの優しさとは逆に、今度は気持ちのままに秋葉を後ろから突き刺した。
ズブリ、と音を立てて、ペニスが後ろから秋葉の膣に沈んでいく。
すぐに、コツンと子宮口に己のモノが当たる感覚がした。
「ああああっ!」
瞬間、秋葉が大きく体を仰け反らせて顔を上げる。
今まで経験し得なかった深い到達に、一瞬で飛ぶ。
ぎゅっと、まるで一撃で達したかの如く膣が締まる。実際イッてしまっているのか?
俺はそんな反応を確認し、本当の最奧まで到達さえた喜びを噛み締めると、すぐに強く前後運動を開始した。
「あっ、あっ!!イヤ、イヤ!!」
口では嫌がりながら、秋葉は後ろからの攻めにもう肘が立てられなくなっていた。
どさりと、体を倒してしまい方で自分を支える。
その背中からの妖艶なラインに、簡単に理性がぶっ飛んだ。
「秋葉、秋葉!」
ばしばしと、激しく打ち付けながら、俺は結合部を見る。
後ろから抜き出すと、引くペニスに対して秋葉の内側がめくれ上がるようにして付いてくる。
丸い臀部が俺の突きに対してブルブルと揺れる。
同時にぴちゃぴちゃと陰嚢が秋葉の下腹部を叩く音。
俺を狂わす、その視覚に聴覚。
俺は一度強く引くと、少し腰を下げて杭を打ち込む。
「ああああ!!」
その一撃が余程凄かったのか、秋葉が大きく喘ぐ。そこを重点的に何度も突いてやると、そのまま息も絶え絶えになる。
「兄さん!止めて!!恐い、恐いの!!」
俺には、秋葉の声が届かない。
もう、とにかく自分の欲するままに後ろから秋葉を責め立てた。
「恐い!恐い!!兄さん!!」
秋葉がその強烈な刺激に叫び続ける。
膣が何度も何度も強く強く締まり、秋葉はイキ続ける。
「行くぞ!秋葉!!」
俺はその感覚に気をヤルと、最後に全力で秋葉の膣を貫いた。
「あああああああああーーーーーーーーっ!」
秋葉が絶叫すると共に、俺はぶち切れた。
ドクン!ドクン!!
今まで以上に物凄い奔流が、後ろから秋葉の膣を満たしていく。
ガクガクガクと激震しまくる秋葉の体へ、ゴボゴボと精液を流し込む。
今までのが嘘かのように、濃く大量の白濁を送り込んで、ようやく俺の放出は収まった。
その時、秋葉は体を小刻みに揺らし、まだ快感が続いているように見えた。
ぴくっ、ぴくっと体が喘ぎ、俺がペニスを抜くと、だらしなく開いた膣口からどろりと精液を垂れ流していた。
「はぁ……はぁ……」
俺は物凄い充実感に、秋葉に言葉をかける事もせず一人で満足していた。
バックからは、とにかく刺激的だなぁ。
と、野生を想像させる原始な交わりに、雄としての本能が答えていた。
そのまま、じーんとしていた。
秋葉は、先程よりテンポが落ちたが、肩を小刻みに揺らし震えている。
女性は男性の何倍もの快感を得られると言うが、正直羨ましい。
そろそろ、次かな……そう思って、秋葉を起こそうと体を近づけた。
が……
「……ひっく……ひっく……」
僅かに聞こえた嗚咽に、俺は一気に熱が冷め切ってしまった。
「秋葉!」
俺は驚いて秋葉の体を抱き起こすと、自分に向けた。
泣いていた。
秋葉は、その顔をくしゃくしゃにして、泣いていた。
震えていたのは、最後は泣いていたためだったのか……!
一瞬訳が分からず、俺は激しく混乱する。
「兄さん……」
秋葉は、俺の姿をようやく認めると、わっと大声をあげて抱きついてきた。
「恐かった……恐かったです……!!うわわわん!!」
そうして俺の体を強く抱き、胸をドンドンと叩く秋葉に、ようやく理解した。
後ろからは姿が見えないから、刺激に対応できず恐いんだ。
だから、いつもより激しく感じて、それは恐怖の代物で……
でも、正直それがどうしてこんなに悲しい事なのか、まだ理解していない俺がいた。
だが、俺をくしゃくしゃの涙顔で見、
「私だけ、私だけ連れて行かれそうで!兄さんだと分かっていても、誰かに犯されてるみたいで!!」
そう叫び、更に泣く秋葉を見て、俺の中で何かが完全に合致した。
犯される!?
そんな……!?
俺は衝撃の渦に叩き込まれた。
背後からの結合は、女性にとっては誰とも分からぬ交わりで慣れぬうちは恐怖を感じるのだろう。
なのに俺はそれも考えず、いきなり激しく貫いた。
だから、秋葉には犯されているような恐怖感が猛烈にからだを支配していった。
そして……イカされる事に最大級の恐怖を感じ、そのために気持ちが崩壊してしまった、という事か……!!
俺は……俺は!
秋葉の怖さを、俺は何も分かっちゃいなかった……!!
ただ、自分が気持ちいいだけで、秋葉の事を考えてやれなかった……!!
とにかく目の前にいる秋葉が、狂ってしまいそうになるのを止めなくてはいけなかった。
「秋葉!ゴメン……ゴメンよ!!」
俺はがっちりと秋葉を体の中に抱えると、離さぬように力の限り抱きしめた。全身で俺の体温を与え、必死で秋葉を呼び戻そうとする。
「兄さん!兄さん!!」
秋葉はそんな俺の中で叫び、存在を求めるように胸に爪を立てると、激しくぎちりと引っ掻いた。
「!」
その痛みが、まるで秋葉の心の痛みのように感じて
自分への悔恨の気持ちは、こんな痛みだけじゃで晴らされるものではないけれど
俺はその全てを受け入れて、それでも抱く腕の力は決して弱めようとしなかった……
「ああ……」
どのくらい抱き合っていたか、ようやく秋葉の鳴き声は収まった。
俺は、罪悪感に支配されながらも、それを押しのけるようにしてゆっくりと体を離して秋葉の顔を見つめた。
なんて、ひどい。
秋葉は、目を真っ赤に泣き濡らし、ぐしゃぐしゃの顔で嗚咽していた。
目はぼうっとして、俺を見ているのかも分からない。ただ
「兄さん……兄さん……」
壊れたように、俺の名を呼ぶばかりだった。
「ゴメン……ゴメン……ゴメン……!」
俺も涙を流すと、秋葉の顔に唇を近付ける。そのまま、まずは瞳のすぐ下にある涙の筋を舐めた。
涙の、しょっぱい味がする。
その感覚が俺を更に罪悪感に駆り立て、いても立ってもいられなくなった。
「秋葉……!」
秋葉の顔中を、俺の舌で清める。
流してしまった涙は戻らないけど、とにかく今は秋葉のココロに呼びかけるように、こうするしかなかった。
涙の筋から顎、首筋、額から瞼まで全てを、俺の唾液で染めるようにして口づけていった。
「あ……」
やがて、ようやく秋葉が心を持った声を出す。
「秋葉!」
俺はしっかりとその瞳を見据えると、秋葉は力無く笑った。
「兄さん……」
そして、ゆっくりと唇を近づけると、そこに優しく触れた。
「秋葉……」
唇が離れて、俺が何かを言おうとした時、その口を秋葉の指が塞いだ。
「いいんです、もう……」
「でも……」
秋葉の穏やかな声が、俺に響き渡る。
「兄さんが……気持ちよかったのなら、私……」
そう言うと、秋葉がにっこりと嬉しそうに微笑んだ。
……なんて男なんだ、俺は。
「……だめだ、俺が許せない」
自分に言い聞かせるようにして、俺は吐き出す。
「兄さん……」
「お前を少しも幸せに出来なくて……何が恋人だ、と思う……のに……」
また、涙が俺の瞳から溢れる。
秋葉を悲しませるなら、もう抱きたくなんて無い……!!
が、
「兄さん、泣かないで……」
秋葉が、俺がしたように自分の唇を俺の瞳に当て、その涙を舐め取った。
「私、恐かったけど、嬉しかったんです。兄さんが私でこんなに夢中になってくれたのが……だから、悲しい事は言わないで下さい……」
俺を包み込むように、秋葉が抱きしめてくれた。
「…………」
俺は、俺は……
「兄さん……」
秋葉は抱きしめながら、優しく語りかける。
「もっと、もっと私も夢中にしてくれないと許しません、と言ってもダメですか?」
そう言ってくれた。
「秋葉……」
「もっと、もっと、兄さんに愛して貰いたいのです。この体が朽ち果てるまで、私の全てを愛して下さい……」
決心の籠もった、強い口調。
ぎゅっと抱きしめるその腕が、とても暖かく感じられた。
まだ、自分の全てが許せないけど……
秋葉の心には、答えてあげなくてはいけないと思った。
「秋葉……」
一次の迷いを吹っ切ると、俺は告げる。
「分かった、秋葉、お前が欲しい」
その言葉に、秋葉はふふっと笑った。
「答えるまでもありません。私はあなたのもの……いいえ、あなた自身なのです」
そうして……ふたりの唇が触れ合った。
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