ひとつの大きな波が、ようやく治まろうとしている。
 俺のモノはまだ秋葉の膣にあり、締め付けに反応し尚も大きさを保ったままだ。

「兄さん……」

 薄目を開け、秋葉がにこりと微笑む。
 その瞳は、満ち足りた幸せそうな表情に見えた。
 が……

「これで、1回ですね」
 と、忘れかけていた事を思い出させる発言と共に、実は羨望の眼差しだと気付かされた。

「はは……覚えてたのか」
 俺はこの際、そんな事は正直棚に上げておきたいと思い、苦笑する。

 でも、今は。
 この体がどうとか考えずに、想いの限り秋葉を愛してあげたいと思った。

「秋葉……ついてきてくれるか?」
 俺は確かめるようにして、秋葉を見下ろす。
「ええ、兄さんの為なら……」
 秋葉も、その言葉の真意に答える。

 それだけで、2人は十分だった。
 俺はそのまま、秋葉の奥に向かって正常位で動き始める。
「あっ……あっ、あっ」
 その瞬間、秋葉は待ちこがれた快感に声を上げる。先程のじっと動かない刺激とは違う上下に揺らす感覚に、リズムを合わせて跳ねる声。
 その喘ぎに逆に合わせるように、俺は腰を打ち付ける。最初は秋葉の脚が絡まっていて、思うように動かせなかったが

「兄さん……いい……あっ」
 秋葉が次第に感じてくると、その脚の力が解け、俺を自由にする。そこで俺は少し長めに引くと、ゆっくりと入れていく。
「あああ……」
 そのじらされる感覚に、秋葉は甘ったるい細い喘ぎ声で反応する。
 一番奥に到達すると、そこでしばらく待つ。

「やっ……兄さん」
 自分の望む程の快感を与えられずに、秋葉が潤む眼で困惑する。
「もっと……してください……」
 秋葉は恥ずかしそうにそう言う。
「ほら、秋葉も動いて」
 そうして、俺は秋葉の動きを引き出そうと促した。
「そう、最初はゆっくりと……」

 秋葉の奥から僅かだけ引くと、そこに合わせて秋葉が腰を浮かせてくる。
「あっ……」
 自分で進んで受け入れることで、秋葉の羞恥心を快感に変換してやる作用を狙った。
 秋葉の奥に、ペニスの先端がもう一度届く。
「やだ……」
 狙い通り、秋葉が頬を染めながらも腰を使い始める。
 途端に、秋葉が強く感じ始めた。
「ああっ……そんな、兄さん!」
 俺自身の動きは先程と変わらないのだが、それに秋葉の動きも合わさってより深い結合となる。

 それは、もちろん俺にも同じだけ快感を呼んでくれていて
「くう……」
 さっき出したばかりだというのに、また絶頂が近くなってきた。
「あはぁ……ああん」
 秋葉は、止まらないといった感じで俺を求めている。
 その瞳が俺に合わさり、秋葉は嬉しそうに微笑む。
「兄さん」
 その瞬間、秋葉は意識しなかったのだろうが、膣が急に締め付けられた。

「あっ」


 どく……


 俺はそれに抵抗できず、情けなくも発射してしまった。
「あっ……!」
 秋葉は、俺を見ると少し驚いた表情を見せる。でもすぐに中で出る奔流を感じて、気持ちよさそうな顔をする。

 正直、俺は恥ずかしかった。少しも我慢出来ずに放出した事が。
 もっと愛してあげたいのに、自分のそれが正直恨めしい。

 
 そうして出し終わると、まだ愛したいのに僅かに萎縮してしまった。
 ずるりと抜け落ちるように、秋葉の膣からそれが外れる。
「秋葉……」
 うなだれるようにしてしまう。何とも言えない気持ちが支配し、もう起たないのではないかと思ってしまう。
「兄さん、中で一杯ですよ……兄さん?」
 嬉しそうに自分の中を感じていた秋葉だったが、俺のそんな表情を見て不思議そうな顔をする。
「ごめん。一人だけ、先に出しちゃってさ……」
 そう、俺は悲しく言い訳する。
 今まで十分に気持ちよくさせてなかったから、俺は秋葉に文句を言われても仕方のない身だった。

 でも、秋葉は優しく微笑んでくれる。
「兄さん、私の中、気持ちよかったでしょう?だから、すぐに……出しちゃったんですよね」
 秋葉は恥ずかしい言葉も嬉しそうに言って、俺のまだ元気のないそれを見る。
「あ……凄い……」
 そこには2人の熱い粘液が滴り、濡れていた。
「私の中に、これが……」
 実際のそれとは大きさが違うが、殆ど見た事のない秋葉にはそれさえも入るのが信じられないのだろう。

 秋葉は俺ごと体を起こし、その俺の中心に手を添える。
「あ……」
 熱い。
 秋葉の手はおそるおそるといった感じで俺を掴むが、その優しい感触が逆によかった。
「兄さんの……」
 その先を言えず口籠もるが、その代わりに形状を手に刷り込ませようとしてぬるぬると全体を秋葉の手が往復し始めた。

「ん……秋葉……」
 さっきまでの気持ちは、秋葉の言葉によって少しだけ消えていた。
 秋葉が気持ちよくしてくれるのが、嬉しい。
 俺は、血がもう一度集まるのを感じる。

「あ……」
 秋葉が、僅かに手中でビクリと揺れるそれに驚き、手を離す。
 そして興味深そうにそれをまじまじと見つめる。
「何だか……別の生き物のようですね」
 秋葉は不思議そうに目を近づける。
「あはは……そんな見られると」
 苦笑するが、じっと目を凝らす秋葉を感じてしまうと、どうしても羞恥からかまた元気になっていく。
「ふふっ、兄さん。恥ずかしいですか?」
 いつの間にか秋葉と立場が入れ替わり、俺が秋葉に言葉責めされる。

「ほら、私の手を見てください。こんなに……」
 秋葉がそうして手のひらを俺に向けると、そこには先程からいじった先端に残っていた愛液と精液がまとわりついていた。
「んっ……」
 それを、秋葉は愛おしそうに舌で綺麗にしだす。
「ああ……これが兄さんの味……」
 舌に絡めた精液を、まるで味わうかのような秋葉。

 手を舐めるなんて、普段の秋葉なら「はしたない行為です」と談ずるに違いない。それを逆に秋葉が行っているという事実が、倒錯的でひどくいやらしい。
「ああ……」
 何をされているというわけでないのに、それに言葉が出ず、俺はぐっと息をのんでしまう。合わせて、もう一度ペニスがぴくんと反応して、上に持ち上がる。

「あは、兄さん」
 そんな俺を見て、秋葉の好奇心の目が光った。
「今度は、私にさせてください……」
 と、ためらいもなく俺のあぐらを掻く腰に体を寄せて、その股間に頭を埋めてくる。
「私、初めてですけど……」
 一瞬動きが止まったが、決心したように舌を出すと、その亀頭に舌先が触れた。
「ああ……」
 そのひと舐めが、物凄くゾクリときた。

 あの清楚な秋葉が、俺の股間に顔を埋めて舐めている……
 そんなはしたない行為を、愛する人の為とはいえ平然と行える秋葉が、たまらなく愛しい。
 
 そんな気持ちを知ってか知らずか、秋葉はそれだけで終わらせない。
「むう……ふぅ……」
 アイスクリームを舐めるように、その舌が亀頭を這う。
「熱い……兄さんのが、ああ……」
 その熱さにうなされるように、秋葉がこちらも熱い声を発する。その吐息が亀頭にかかり、それだけでもたまらなかった。
 更に秋葉は、亀頭を綺麗にし終わると舌を降下させる。
「こちらも……綺麗に」
 そう言う秋葉の声が、むしろさせてくださいとお願いしているようだ。

 舌は俺の竿の部分に触れ、そこに残った跡も舐め取る。しかし次第にそれだけでは無くなって、段々と熱を帯びた愛撫へと変わっていった。
 秋葉が竿を片手で支え、顔を横にして側面を愛おしそうに舐める。ちょうど裏筋の部分に舌が這うと、堪らず陰嚢を萎縮させ、ぶるりと痺れあがる。

「ん……兄さん、気持ちいいですか?」
 いつの間にか秋葉もそう言ってくる。
「ああ……もっと、口全体で愛してくれ」
 と、秋葉の頭に手を置き、さらなる刺激を促す。
「はい、きっと上手じゃありませんけど……」
 素直に秋葉が答えると、舌がもう一度上に上っていく。
 そうして、ヌメヌメとしばらく這うと……今度は秋葉が恥ずかしそうに口を開け、まずは亀頭全体を優しく口に含んだ。

「ん……いいよ、秋葉」
 頭を押さえつけて、奥まで飲み込ませたい気持ちを何とか抑える。初めてだから、急にそんな無理強いは出来ない。秋葉のしたいように順番にさせてやろうと我慢する。
 始めはくにくにと、その亀頭の不思議な感触を舌で確かめるようにして愛撫を続けていた秋葉だったが、意を決するようにすると

 ず……ず

 と、少しずつ喉の奥の方まで、俺をくわえ込んでゆく。
「ん……」
 一瞬苦しそうに秋葉が呻くが、すぐ気を取り直し秋葉は飲み込んでいく。
 いきなり全部というわけでなく、半分程進んだところで秋葉は顔を上げてゆく。亀頭に唇が引っかかり、その気持ちよさに思わずビクッと反応してしまうと

「きゃっ」

 秋葉が思わず唇をそこから離してしまう。
 そうして俺を見上げる姿、僅かに愁いを含む瞳が欲情を誘う。

「あ……すみません、兄さん」
 秋葉がすまなそうな顔をするが
「いや、秋葉のがあまりに良かったから……」
 正直に俺が言うと、秋葉は嬉しそうな顔をする。
「もう……口がお上手なんですから」
 秋葉はまんざらでもないように言う。そしてもう一度顔を寄せて、
「ふぅ……」
 今度は最初から俺を飲み込む。そうして同じようにすると、今度は亀頭を含んだまま少しずつ上下運動を始めた。

 ヌッ……ヌリュ……

 唾液に唇が滑るような音に合わせ、秋葉が口で俺を愛する。
 ここから見える秋葉の頭が上下して、揺れる髪の毛が美しい。そして背中から腰、ヒップに至る真白なラインが、たまらない曲線美として写りこむ。

「ああ……」
 堪らず、俺が秋葉の頭に手を置くと、沈む動きに合わせて奥に押し込んでしまう。
「んっ!」
 秋葉は少しずつ飲み込む深さを大きくしていたが、いきなりそのペースを俺に乱され深く押し込まれてしまい、くぐもった声を上げてしまう。
「ゴメン秋葉……我慢できないから」
 そう言って、秋葉の頭を軽く上下させてしまう。

「んっ……んっ」
 秋葉は最初少し驚き辛そうにしていたが、すぐに慣れたのか、俺が上下する以上に自ら深く俺を迎える。
 秋葉は覚えがいいのか、すぐに適応させて舌を絡め出す。更に潤滑剤のように唾液を這わせ、

 じゅぷ、じゅぷ

 と音を立てながら深く、秋葉の喉の最奥まで到達する。

「秋葉……気持ちよすぎて、俺……」
 そんな献身的な秋葉の愛撫が、俺をどんどんと高めていた。知らずうちに最終点に近づけさせられていて、陰嚢の奥の方からむず痒い上昇感を感じてしまう。
「んっ……兄さん」
 それを聞いて嬉しそうに秋葉は上下運動の激しさを増す。
「マズイ……出るよ」
 俺は最後を感じ、秋葉の顔を上げさせようとする。しかし秋葉は俺のそんな手の動きにあらがい
「んっ……んんっ!……ダメ」
 そう言って一層奥まで飲み込んでいった。

「ああ、秋葉!」
 その瞬間、俺は遂に我慢が出来なくなった。

 ドクン!

 叩きつけるように、秋葉の喉目掛けて精液を発射する。
「!!」
 秋葉はその瞬間、自分の想像していた以上に激しい打ち付けに、驚いた表情をする。
「きゃっ!」
 2度目の打ち出しに遂に耐えかね、銜えていたペニスから口を離してしまう。
 しかし、それでは俺の放出はおさまる訳もなく、次々と発射される精液が
「ああっ!」
 その秋葉の顔目掛けて、次々とかかってしまっていた。
 鼻に、頬に、額に、顎に、髪に……止める事の出来ない奔流が、次々と秋葉を汚していった。
「兄さんの、物凄く熱いです……」
 その飛ぶ精液を、両手を掲げて更に集めるようにして受け取る秋葉。更に口を開け、その中に飛ぶ精液を嬉しそうに舐めていた。

「あああ……」
 俺は呻くと、その背徳感に物凄い満足を感じてしまっていた。
 秋葉の顔が俺のスペルまで汚れている、それは奥底に眠る隠された征服欲をかき立ててしまい、振りつけるようにして最後の一滴も残さず秋葉の顔に垂らしてしまった。

 放出の終焉を感じて、秋葉が薄目を開けるとちょっと困った顔をする。口は開かれたままで、その中には先程の精液のたまりがあった。
 その姿に思わずドキリとした俺は

「飲んで……」
 そう口にしてしまっていた。

「んっ……」
 一瞬飲み込みづらそうにしたが、秋葉は言われるままにそれを嚥下する。
 そうして僅かに喉の奥に残る精液の感覚を感じると
「凄い、ベトベトですね……」
 にこりと笑う。
「兄さん、沢山出しましたね。ほら……」
 不思議そうに頬を流れる精液を手に取り、それをも口に運ぶ。
「ん……これが本当の兄さんの味」
 白濁をおいしそうに舐める秋葉は、蜜を舐める姿に似てとにかく可愛らしい。

 本当は、こんなにも淫靡な姿なのに。

 でも、秋葉が困ったように髪にかかった精液をこすっていると、一瞬俺を支配した気持ちが、やがて罪悪感に変わっていった。

「あ……ゴメン」
 俺は一緒に髪をいじってあげるが、やはり奥に染みつくようで上手くいかない。

「ふふふ……」
 ふと、秋葉が俺を見て笑う。
「もう、ご自分のこれもコントロールできないんですか?」
 おかしそうにそう言う。

「そんな……だって、ほら……」
 情けないやら恥ずかしいやら。
 俺は精液の付いた手で頭をかじると、
「あ……」
 しまった、と思ったが遅かった。思わず自分の頭の手を見やってしまう。

「ふふっ」
 秋葉がそんな俺を笑う。
「ほら、兄さん。後でシャワーでも浴びれば大丈夫ですよ」
 秋葉も自分の髪をくるくると弄りながら言う。
「でもな、秋葉、結構乾くと大変だぞ。それに臭いとか染みついちゃいそうで……」
 俺は秋葉のそんな髪を手に取り、くんくんと臭いをかぐ。
「やっ……兄さん?」
 突然そうされ、秋葉が驚く。

 秋葉の髪は、物凄くいいにおいがした。
 何の香りかまでは分からないけど、とにかく俺の鼻孔をくすぐる。
 なのに、俺が振りかけてしまった部分では、かすかに俺の精液の何とも言えない生臭い感じがする。

「……うーん」
 俺が苦虫を編みつぶしたような顔をするが、秋葉は構わない。
「兄さんの臭いでしたら……その、変な臭いは困りますけど……私に……つけてくださって構いませんから……」
 顔を赤らめごにょごにょと、そう言う仕草が堪らなかった。
「ああ……これからもっと、そうしてあげるから……」
 俺は秋葉を俺と同じにおいにしたい、そう思った。