バサッとベッドに横になるも、プリンセスの姿が脳裏に焼き付き、眠ることができない。 だから……プリンセスにいけないと思いながらも 「ああ……」 気付けば、アンバーの手が和服の裾に延び、その胸と秘部を優しく撫で上げていた。 「くふっ……マスター……」 左手で自らの胸の突起をまさぐると、そこは既に痛いほど張りつめていて、触られることに至上の悦びを感じていた。 「あっ……」 自らのその行為に嫌悪しながら、それでもアンバーは一人遊びをやめることができない。 そう思っても、溢れるまだ見ぬその人への想いは止まらない。 「くうっ……マスター……」 そのまだ少し小さな胸をまさぐる腕がマスターのものだと思いながら、アンバーは深みに沈んでいく。 「ああっ……!」 アンバーはたまらず喘ぎ声をあげ、よりきゅっと乳首を愛撫した。 同時に、今度は掌で優しく胸を包み、揉みしだく。 「んふっ……あはぁ……」 形を変える自分の胸が、優しくマスターに触られてると想像すると、そこから波のように、電気のように快感が全身を走り抜けた。 「マスター……こっちも……」 自分の手をそう誘い、アンバーは太股を撫で上げた。総毛立つ様な気持ち良さに、思わず足に力を込め、股間を摺り合わせてしまっていた。 クチュ…… 「あ……いや……マスター……」 濡れた音が部屋に響き、アンバーは恥ずかしさに震えた。 マスターを思い、一人遊ぶ自分が時折恥ずかしくなってしまう。 「あはぁん!」 入り口付近でずっと淫唇を擦っていた指をたまらず差し込むと、アンバーはひときわ大きく喘いだ。 くちゅ……ぐちゅ…… すぐに自分の指に愛液がまとわりつき、泡立つようないやらしい音を立てる。それに呼応するかのように中が更に熱くうねっていくのが分かった。 「ああっ……いいっ……もっと」 指を2本揃え、更に奥目指して突き続ける。同時にクリトリスを摘み、ひくひくと痺れているそこを擦りつけた。 「ああっ!」 体の中から溢れ出す快感に、ひときわ大きく声を上げるアンバー。しかし、心の中では物足りなさを覚えてしまっていた。 「あ……だめ……」 自分でも抑制が利かなくなり、遂に自分の大事なアイテムであるほうきに目をやってしまった。 「……」 そのほうきを見ても最後の正気を何とか守ろうとした。しかし……
「あ……」 それは、自分の手で握るに丁度良いように設えたステッキ状のほうき。そして、今その先端には明らかに男根を思わせる括れが形作られていた。 それは、張り型と呼ぶにふさわしい、立派な男性器そのものであった。 「……」 その形に、熱にうなされるかのように意識が動く。 すっとほうきを手にとって、アンバーはいやらしく股を開いた。 「ああ……」 抜き出された指は湯気を立てるが如く熱く濡れそぼり糸を引いていた。そして、悦の手段を失った花は食虫華のように蠢き、ひくりと震えて愛液を外に零す。 引き寄せ、股間に男根と化したほうきの柄を見せるようにする。それだけで、膣内がきゅっと締まるような快感に襲われた。 「あああ……」 アンバー激しく貫きたい衝動を必死で押さえ、それをゆっくりと入り口に当てる。その亀頭部が軽く外側の淫唇に触れるだけで 「ああっ!」 ぞくりとした快感が全身を走り、震え上がった。 「行きます、マスター……」 息も荒くどうどうにかなりそうな中、アンバーはマスターに己を捧げることを想像し、ゆっくりと柄を沈めていく。 「あ……ああ……」 ずぶ、ずぷと、少しずつ自分の中を埋めるその感覚に、アンバーが妖艶な声を漏らす。 まとわり、絡め、吸い取る。 「あはっ……ああっ!」 自分の最深部までそれが到達すると、子宮口を付くその先端の刺激にたまらず声を荒げる。 「ん……動いて……」 自分でそうおねだりするように、マスターの体を動かすように、ほうきの柄を前後させる運動に移った。 「あ……はぁっ……マスターの……私の中でいっぱい……」 直線的な動きであるが、男性のペニスを想像して動くそれは、与えられる快感以上の何かを自分の中で呼び寄せていた。
アンバーは惚けた心に少しだけちくりと針が指した様な気がした。
ずちゅ……ずっ…… 一層激しさを増す内部のうねりに、空気を失った膣内が激しく柄を締め付ける。 「ああっ!ああ!」 快感による謎の焦燥感。それがアンバーの手の動きを早める。 じゅぷっ、ぐちゅ…… 激しく波打つような水音が響き、白く濁りだした愛液が股間から亀頭の傘によって掻き出される。それがさらなる潤滑となってほうきの柄を呼び込み、さらに腿からシーツまでびっしょりと濡らし、はしたない性臭を漂わせていた。 「ああっ! マスター!!」 嗅覚からも更に興奮し、悲痛なほどの叫び声をあげながら、アンバーがクライマックスに近付いた。 「いや! いっちゃうう!!」 アンバーは激しく首を振り内部からのうねりに抗おうとするが、一度沸き上がったマグマを止められない。 「ああっ、ああーーーーーーーーっ!」 全身を痙攣させ激しく叫びながら、アンバーは意識を真っ白とさせていった。 ビクン、ビクンと震える体に合わせて最奥に沈めた柄がわななく。それがさらなる快感を子宮口に与え、アンバーを更に飛ばしていった。 「あああああああーーーーーーーー!!」 一際大きな声を上げ、アンバーは背が折れる程に反り返り、ベッドの上で硬直した。 ……はぁ……はぁ やがて、漸く弛緩した体を何とか動かし、アンバーが目を覚ます。 ずちゅ…… はしたなく、いやらしい音を立てて抜け落ちると、男根はてらてらと自らの愛液に濡らされ、視覚から更に自らを興奮させた。 「あっ……」 もう終わったというのに、とろりと自分の奥から新たな愛液が滴り、股を伝って落ちた。 「ん……」 けだるい体を起こし、何とか平常心に戻ろうとする。 そうして快楽から醒めてしまうと、訪れてくる罪悪感。 私、何をしているんだろう…… 酷く冷静になった自分が恨めしく思えてくる程に、先程までの体を駆けめぐった衝動に嫌悪する自分がいた。 アンバーは自問する。 どうして私は、こんな事をしているのだろう。 セヴンスナイトを待つプリンセスのため? 分からない。 でも、このままではいけないと思う。このままなら、ゆっくりと崩壊の道を歩み、プリンセスは自分を失ってしまう。 それは、自分の行動を正当化させようとする防衛本能かも知れない。 「結局……私も恋してる訳ね」 アンバーはそう自嘲すると、決心を固めていた。 「姉さん……」 王の間には、既にジェイドが来ていた。 「ジェイドちゃん……プリンセス……」 アンバーは真剣な面もちで、歩を進める。 「お願いあります」 そういうと、はっとジェイドがこちらを見る。 「姉さん……まさか……」 そう言うジェイドを見ると、アンバーは彼女の考えていることが分かってしまった。 そんなふたりを、ヴァーミリオンは声で包むようにして優しく受け止める。 「さぁ、アンバーもジェイドも言ってごらんなさい」 そう、促されるままに 「セヴンスナイトを、探しに行きます」 そう、告げた。
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