「…遠野君、中に出してくれないじゃないですか…」

「はぁ…そんな事ですか…っって!?」
中って先輩、何を?…中、ナカ、naka、膣…!?ワカラナイ、ワカラナイ。解っているけどワカラナイ。

「せせせせ先輩!?何を!?」
俯き真っ赤な先輩に対して、俺は大混乱だ。そりゃあもう、素手で脳味噌を振り回されたが如く。
「だって遠野君、今まで一度も中で出してくれた事無いんですよ。その…初めての時から」
混乱しながらも考えてみる。
先輩と初めて結ばれた時から…確かに最初は外出しで、その後先輩にねだられて2回戦は…お尻か。
これが興奮するから、最近はもっぱら後ろ…とか、そう言う事が思い出されるが、してないのは確かに事実かも知れない。

「2週間も会えなくなるっていうのに、あんまりじゃなかったですか、もっと愛して欲しかったです…」
「先輩、でもそれって…」
大事な事を言う前に、先輩がそれを遮った。
「解ってます、でもそれって重要なんです。遠野君の気持ちは嬉しいです。でも、何かが足りないんです。私は中に出してくれるのも愛情表現の一つだと思ってるんです…」

ドクン。

ヤバイ、俺の中の血が少しずつ沸き出した。先輩は物凄い告白をしてくれちゃっているぞ。
「遠野君、他の女の子達にはちゃんとしてたのに…」
他の子?しかも「達」?だって俺は朱鷺恵さんと…
あれ、なんだこの頭痛は?アルクェイドや秋葉や翡翠に琥珀さんの姿が…更には、誰だこの子猫のような黒髪の子…しかもみんな裸だし…
知識の井戸…じゃない!並列世界上の俺は、一体何をやってるんだ?ワカラナイワカラナイワラワラ…

「だから」

ぐるぐる回るビジョンを止めたのは先輩の一言だった。
現実に戻り、でも未だ混乱していた俺へ、先輩の最終攻撃が炸裂した。
「私にも、中で出してください…私ばっかり仲間はずれじゃ、嫌です…」
こちらをまっすぐ見つめ、呟く。すぐに煙を噴いて下を向いてしまった先輩。

プチン。

俺の中で、何かが切れる音がした。

ドクン…ドクン!

同時に、抑えられない衝動が俺を一気に浸食していった。

遠野志貴が…

コワレタ。

「先輩…ずるいよ」
俺がそう言うと、ちょっとビックリして先輩が顔を上げた。
「遠野君…?」
「先輩こそずるいよ。そんな事言われたら俺、我慢できないって!」
「ずるいって…んんっ!?」
俺は肩に置いていた手を背中に回して先輩を引きつけると、何か反論しようとして開いたその唇を、まるで噛みつくように塞いだ。
開いたその入り口にすぐさま自分の下を滑り込ませ、先輩の歯を、舌を、口腔を蹂躙する。

「…!?…っっ…」
先輩はいきなりの行動に戸惑っていたが、やがて思い出したように反応し、その舌で答えてきた。
繋がった口腔を乱舞しながら行き来し、お互いの唾液を貪り合う。
息をするのも忘れ、苦しくなったところで唇を離す。お互いの舌を伝わる糸が名残惜しそうに消えた。

「…やっぱりずるいです、遠野君は…」
快感と酸欠でぽーっとしているような先輩が、まさに夢にいる表情で言った。
「…でも、そんなところに惹かれちゃったのかも知れません」
そうして、またゆっくりと唇を重ねてきた。

今度はゆっくりと、舌を絡ませる。ピチャ、ピチャ、と聞こえるようにわざと音を立てて吸い付けると、なんだかこっちもいやらしい気分になってくる。
先輩の息が熱い。自分もそうだろうから、お互いを溶かし合うような強い交わりだ。 口の端からこぼれ出す二人の唾液が先輩の服に伝わっていく。
それを下目に見て、俺は先輩の後ろに回していた左手をゆっくりと後頭部に回し、唇を首筋に移していく。

「やっ…」
離れるのを惜しむように、寂しげな目をした先輩がすぐに跳ねる。
唾液の線が這うように、先輩の首筋から耳をなぞり、そして耳朶を甘噛みする。
「あっ…遠野く…んっ」
先輩は俺の頭にしっかりと手を回し、快感に耐えるようにしている。刺激を与える度に掴む力がぎゅっと増し、逆に俺に感じている事を教えてしまっているのに。
それは俺にも良い合図となってる。
何処が弱いのか、ゆっくりなぞって確かめると先輩は焦らされてると思ったのか
「遠野君…いじわるしないでください」
なんて言うから、余計いじわるしたくなっちゃう。
でも、今日は先輩にぶっ壊されちゃったから、ご希望通りにしてあげる事とした。

ゆっくりと最後にひとなぞりして、そのまま先輩のふくよかな胸元に顔を寄せる。
紅潮している鎖骨の部分がいやらしい。
服に押しつけた鼻で息をすると、先輩のにおいがする。いつも側にいるはずなのに、そのにおいは男心をくすぐるような、麻痺させるような魔力を感じた。
香りを楽しんでから、その胸に右手を伸ばす。

「あっ…!」
触れただけで、先輩が反応する。先輩はとっても感度が良くて、愛撫しているこちらも嬉しくなる。そのまま、ゆっくりと円を描くように揉み出すと
「ん…んっ…あっ」
先輩の鼻にかかった声があがる。同時に首筋にも再度の徘徊。2カ所の攻めに先輩も理性を失ってきている。
右手の動きはいっそうせわしくなり、服の上からブラの際をなぞり、それから中心めがけて進み、遂ににはカップに包まれたその膨らみの、頂点を探り当てる。
そこは既に存在感を示し、俺の指に突起物の反応を返す。軽くさすってあげると
「きゃっ…」
それだけで先輩は悲鳴を上げる。
うん、服の上からでもこれなら、直に触ったらどうなっちゃうんだろうとか思ってみたりする。

「先輩、脱がすよ…」
俺はそう言って、先輩のブラウスのボタンを首筋から移した口で銜えた。軽く引っ張ってその意味をアピールする。
最初はまだ快感の波に呑まれてた先輩は返事しなかったが
「だめ…」
とだけ何とか振り絞ったような声で答えた
「折角だから、ちゃんとしたところでしてください…」
何が折角だからか良くわからないけど、リクエストに答えよう。
ちゃんとしたところと言えば…間違いなくベッドだろう。確かに床の上じゃ肝心なとき下が気になって可哀想だ。(まぁ、自分が下になれば良いんだけど、今日はそんな展開じゃないし)

「先輩、ベッド行こう」
「はい…でも」
「ん?」
「なんか、腰が抜けちゃって…」
正直、驚いた。既に感覚が麻痺してフラフラなんだ。じゃぁ、この手の支えを失ったら先輩はくたっと倒れちゃうのかな?
なんだかもう、耐えられないほどかわいかった。
「よし、じゃぁ」
と言うが早いか、先輩の足をすくうようにして持ち上げた。俗に言う「お姫様だっこ」だ。
「きゃっ!…遠野君、恥ずかしいです」
先輩は避難の声を上げるけど、その声に強い拒否を示す強さはどこにもない。
俺はそのまま先輩をベッドまで運ぶと、ちょっと軽く先輩を放った。 スプリングでちょっと跳ねた体が、ゆっくりと布団に沈む。
「あっ!」
少々乱暴だったかな、先輩がちょっと小動物の目で見てる。
その目が、紅くなった肌が…宙を舞っていたから制服のスカートがちょっと乱れていて、そこから覗くスラリとした脚が…僅かに見えるショーツが…艶めかしい。チラリズム万歳。ちょっと理性が破壊されそう。

いや、十分破壊された。

「先輩…」
俺は先輩を見下ろしながら、憑かれたように呟いた。
「今までの分もいっぱい出してあげますから、覚悟して下さいね」
「…」
先輩が真っ赤になる。自分でも何言ってるのかワカラナカッタが、もう我慢も限界だった。

シャツを脱いで上半身をさらけ出すと、ゆっくりとベッドにあがった。
「んっ…」
改めて唇を重ねる。今度は同時に先輩のブラウスに手をかける。
上から一つずつ、興奮しているにもかかわらず驚くほど冷静に、丁寧にボタンを外していく。
白いブラウスの下は白い下着。さっき垣間見えたショーツと柄は一緒だろう。
シンプルにも、先輩の体を強調して十分すぎる程だった。
ブラウスの前をはだけ、まずはブラからこぼれている肌を舐める。つつくように下をあてがうと、十分な弾力。多分秋葉なら味わえないだろうなぁ。おっと、こんな時に他の女の子の事を考えるのは失礼か。
反省しつつ、ゆっくりとブラの上から突起を軽く銜える。
「あっ…」
先輩の艶の混じった声に俺も興奮する。実はそんな準備も必要なかった。すぐにブラを取り外そうとする。

手を後ろに回す前に、ふと目を胸の谷間に合わせると…
「あれ、フロントホック…?」
珍しかったから、ちょっと間の抜けた声になった。
「…はい。こうなる事を期待して、遠野君が脱がしやすいように選びました」
先輩はちょっといつもの説明口調だけど、そんなふやけた顔で言われても説得力がないよ。
逆に、破壊力は十分だけど…
「先輩!」
「きゃっ!」
なんだか嬉しくなった。勢いに任せてホックに手をかけ、外す。
パチ、という音の後、包みは左右に分かれ、少し窮屈だった先輩の胸を露わにする。 上向きなのにしっかりと形をたたえ、美しい曲線だった。
これが自分のものになっているんだから、正直たまらない。

そのままじーっと眺めていると
「遠野君…」
先輩がこちらを見ている。
恥ずかしがって手を顔の前で握るようにしていたが、それが胸をかえって強調するようになっていたので、まるで胸を差し出されているようだった。
「早く…来て下さい」
先輩も感じたいのか、目が潤んでる。
「言われなくても、先輩をめちゃめちゃにしますよ」
言って、両手で先輩の双房をこねる。
「あっ、あん…んんっ!遠野君…」
リズミカルに、クレシェンドをつけ、アダージョからプレストに…左右別の動きでそれを揉みしだき、下から支え上げるようにして、そして先端で存在を示す乳首に吸い付く。
「ああんっ!」
いっそう大きな声で先輩が喘ぐ。その声の刺激を受け、よりいっそう強く淫らに吸う。チュッチュッと音を上げ、そして軽く歯で噛むと
「んんんっ!」
先輩は耐えるように声を絞って、体を強ばらせ、手は強く握っていた。
これだけ感じているんだったら、もう充分かも知れない。勝手にそう思って、体をずらし、先輩のスカートに手をかけた。
そのままゆっくり下ろそうとするが、先輩はまだベッドに沈み込んだままで、上手くいかない。
仕方ないからスカートの前をはだけるように、手を中に差し込んでみた。

「あっ…」

声は実は同時にあがっていた。片方は先輩がそのことに気付いて驚いた声。もうひとつは…