「え……」
私はぺたんと、ドアの向こうの床に体を倒してしまっていた。
気付き、目を見開いて顔を起こすと、そこには……
「へっへ〜、知得留、いらっしゃい」
先程の余韻を残し、全裸のままニヤニヤと笑うアルクェイド。
「あっ……!」
私は慌てて指を股間とブラウスから抜き取る。立ち上がろうとする……が、腰がたたない。さっきの自慰で完全に砕けてしまっていた。
「あれ〜どうしたのかな知得留。どうしてそんな息が荒いのかな?」
と、私を覗き込むようにして見る。
「知りません!」
私はようやくこの女への本来の感情を思い出し、顔を横に向ける。
「ん〜なんでなんで〜?」
と、目を背けるたびにそれを覗き込むアルクェイド。ぶんぶんと首を振り、終いには私は下を向いてしまう。
「あはは、変な知得留」
アルクェイドが、からかうようにしてさもおかしそうに笑う。
「くっ!」
私が怒りを覚え、キッとにらみつけようと顔を上げようとしたその時だった。
「アルクェイド、いい加減にしてあげな。知得留先生が困ってるだろ」
「あっ……」
その声に、ビクンと全身が震えた。
「と……遠野君……」
私は、絶望の表情で顔を上げる。
「いらっしゃい、待ってたよ知得留先生」
遠野君は余裕綽々でこちらを見て、不適な笑みを浮かべている。
「ま……ってた?」
私は、その言葉の意味が分からず、呆然と返すのみ。
「ほら、廊下になって座ってないで、中にどうぞ」
まるで来客を部屋に招くように遠野君が言うと、腰が立たないのを察したアルクェイドが私を茶道室に引きずり込み、鍵をかけてしまう。
カチャリ
「あっ」
その音に振り向くが、アルクェイドがニヤリと笑ってそれを開けるのを封じている。
その瞬間、目の前に映ったアルクェイドの股間から、一筋の白濁の筋が垂れているのを見つけてしまった。
「あっ……」
私は、その垂れ落ちる雫に目を奪われる。
とろりと、股間から滴るそれが筋となり、今内股から膝の当たりに進んでいた。
そのビジョンに、ぐらりと意識が歪む。
知らぬ内に、手を伸ばす。
その雫に、触れようとした時だった。
ぴしゃりと手をはたかれ、我に返る。
「だめよ、知得留。これは私のだから」
「あ……」
見上げると、めっという表情のアルクェイド。
そうして、代わりに自分がその雫を指ですくうと、躊躇い無く口に運ぶ。
「美味しい……志貴の精液の味……」
恍惚の表情で、アルクェイドが名残惜しそうに指を舐め続ける。
そんなすがたをぼうっ、と見つめて、私はナニカを思い出す。
「ふ……ふたりとも!こんな所で、何を!」
私はアルクェイドを見上げて、詰問するかの如く叫ぶ。
それは、己が欲望を忘れるため。
が……
「何?何って見ての通り、セックスよ」
アルクェイドは、それをイケナイ事と微塵とも感じさせず、当たり前のように答える。
「セ……」
そのストレートな答えに、返す言葉が見あたらない。
ただ、絶句してニヤニヤ笑うアルクェイドを見つめるのみ。
「そう、俺達はセックスしてたよ。とびきり気持ちいいヤツをね」
背後でそう声がする。
「あっ……」
びくりと肩が震え、顔だけ振り返るとそこには遠野君がいた。
「そう、俺がアルクェイドの中に入れて一杯動く。そして膣に一杯出す」
淡々とした表情でそれを語る遠野君に、私のこころが揺さぶられる。
「あああ……」
そんな事を言わないで!
私の中の遠野君は、そんな人じゃない!!
「気持ちよかったよ……」
遠野君がちらりと私の後ろに目配せする。
「えへへ……」
アルクェイドの照れ笑いの声。
悔しい
そんなふたりが
羨ましい
そんなふたりが
そのキモチが、私のからだをおかしくする。
「……でも」
そんな私の考えを遮るかのように、遠野君が口を開く。
「先生も気持ちよかったでしょ?」
ニヤリと、そこには企みを全面にたたえた表情。
「あ……」
見られていた。
その現実に、私は忘れていた羞恥という感情を思い出す。
「先生のオナニー、凄かったよ。指があんなに動くんだもん」
遠野君はそういって指を立て、私がしたように前後させる。
「あっ……」
その動きに、体が熱くなる。
「知得留先生、いつもあんな風にオナニーしてるの?指を入れて、胸を掴んで……」
遠野君は、そこでわざと言葉を句切る。
「……」
私の中で、否定したいのに、おかしな熱が浮かび上がる。
体をぐるぐると巡回し、それはまるで……
何も言えない私に、遠野君がふふっと笑いかけて、そして……
「……俺の事想像して」
最後の一言を、遂に私に語りかけた時だった。
パチン
私の、何かが弾けた。
「あっ……」
とさっ……
私は、体中の筋肉が弛緩したように、その場に倒れ込んだ。冷たい床に体を横たえるのに、体が熱かった。
それは……それは……
「やだっ。知得留ったら今のでイッちゃったみたい」
からかうように、背後から声がする。
そう……
私のおまんこは、遠野君のその言葉でもうドロドロに溶けていた。体中を愛撫されるが如くの遠野君の囁きが、熱となって疼いていた。
そうして、最後の一言で、言葉だけでイッてしまった。
堰を切ったように、私の奧からいやらしい液が流れ出し、私をショック状態にさせる。
「あっ……」
私は、痙攣する。
今も一杯に愛液を溢れさせ、トクトクと流れ出すそれは、そこに新たな水たまりを作っていた。
「知ってたよ、知得留先生が俺の事狙ってる事。で、折角だからこうしてあげようと思ったワケ」
遠野君は、全てを分かっていた。
全ては、遠野君の手の内にあったのだ。
「仲間にしてあげようと思ってさ。だからこうして、ここでセックスしたんだよ。ドアを開けてさ……」
それを知らされて、思い出す先程のフラッシュバック。
また、愛液を溢れさせてしまう。
「あっ……あっ……」
私は快感に喘ぐたびに、ぴくり、ぴくりと身を震わせてしまう。ぐったりと床に横たわり、潮を吹き続ける。
「かわいいね、知得留先生」
遠野君が、そんな私の痴態を見て、少年のように微笑む。そうして
「ほら、もっと可愛がってあげるから、おいで」
遠野君が、私を招いた。
「……」
ぼうっとした頭が、その言葉に反応する。
もっと……もっと……
ドウシテカ、もう頭の中ではそれがどんなことなのか、分からなくなっていた。
遠野君に言葉で魅了されてしまったかの如く、私はその言葉をするりと嚥下してしまった。
でも、体が動かない。弛緩してしまったそれは、私の命令系統から切り離されて、ただの重い肉塊と成り果てているようだった。
それなのに、私のいやらしいあそこの感覚だけがリアルに、私を襲い続けている。
ひくり、ひくりと食虫華の如く蠢き、いまだ銜えた事のない遠野君のおちんちんを求めているようだった。
「しょうがないな……ほら、アルクェイド、手伝ってあげて」
遠野君は、私のそんな姿を見ると、笑って後ろに呼びかける。
「うん。ほら、知得留、しっかりしなさいよ」
アルクェイドは笑って、私の体を起こす。後ろから脇の下を抱きかかえるようにして私を立ち上がらせると、そのまま遠野君の前まで私を連れてきた。
「あっ……」
力無く頭を垂れたその目の前に、ずっと憧れ続けていた遠野君の顔がある。
あぐらを掻いて、まるで何事もない日常のように。
なのに、その剥き出しの下半身には、びくびくとそそりたったおちんちんが……
「ああっ……」
きゅうと、膣が締まる。それだけで、私はまたイキそうになっていた。
「うわ、もうびしょびしょだね」
遠野君が、視線の先の私の内股を覗くようにして笑う。
「い……や……」
私が力無く声を出すが、いっそう反応するばかりだった。
とろりと、遠野君の前で新たな雫が流れ落ちる。
「ほら、今もまたこうして……」
そう言って、遠野君の指が私のスカートの中に入り込んだ。
「ほら」
遠野君が、私のパンティの股間部をなで上げた。
「あああっ!」
私はびくりと反応し、アルクェイドの支えが無ければ崩れ落ちているところだった。
遠野君が触れただけで、イッっちゃう……!
ひくり、ひくりと、ヒクつく淫唇が、遠野君に触れられている……!!
「あはっ……先生、またイッちゃったの?感じやすいんだね」
遠野君はそう言いながらも、指の動きを止めない。パンティの上から私をこねると、布地を押しつけるようにしてしみ出る愛液をすくい取る。
スポンジのように、じゅわと湧き出る愛液を抜き取った指に絡め、遠野君がそれを口に運ぶ。
「ああっ……」
目の前でそんな事をされて、私が壊れそうになる。
「ふふっ、先生のエッチな味がする」
そう言って、遠野君がぴちゃりと指を舐める。
その仕草は、指を水飴で汚し、舐めとる少年のようで。
実のところは、私の愛液を舐める男。
そのギャップが、恐ろしく淫靡だ。
そんな遠野君から、視線が離せない。私のそれを舐めとる指が、遠野君の唾液と絡み合い濡れそぼる姿に、私の中で新たな愛液が溢れ出す。
「これだけ濡れてれば、準備なんていらないでしょ」
そう言って、遠野君は立ち上がった。
「えっ……」
私はその意味を一瞬掴みかねて、呆けた声を上げる。
「ほら……俺のここ、先生のおまんこに入れたくってこんなになってるよ」
遠野君が、自分のおちんちんに手を添え、それを誇示する。
「あ……」
それを見た瞬間、私は体中がこれ以上と無いほど熱くなった。
びくり、びくりと脈打つ遠野君のおちんちん。
おっきくて、たくましくて、固そうで……おいしそう。
それはまだ、さっきのセックスのままにぬらぬらと照り光り、グロテスクにそそり立っていた。
恐怖すべきその存在は、しかし、私の心を犯していく。
遠野君の、おちんちんが……
私の……中に……入る……
私の……いやらしいおまんこに……ずぶずぶと入ってくる……
もう、ダメだった。
「アルクェイド、脚を上げさせて」
遠野君が言うと、アルクェイドが私の右足を持ち上げる。
「こう?」
アルクェイドが問うと、遠野君が満足そうに微笑む。
「うん、いい感じ」
私は足を抱え上げられ、遠野君にスカートの中を晒すような格好をさせられてしまう。
「いくよ、知得留先生」
遠野君はそう言って私の右脚を掴むと、余った手で私のパンティをずらし、股間を露わにさせる。
「あっ……」
その開放感に声を漏らした瞬間
ズブリ
遠野君が、前置きもなく一気に私の中に入ってきた。
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