じゅん……
私のあそこが、熱を帯びる
「あ……」
私は、その反応に声を上げてしまう。
そんな……なんで……?
困惑するが、それをあざ笑うかのように熱は広がり、私のパンティを濡らす。
「や……」
感じてなんていないのに……どうして?
下半身に力が入らなくなり、スルスルと床にずり落ちてしまう。
なんなの……なんなの、これ?
混乱が私を襲い、その感覚に体が付いていかない。
そんな私を無視して、目の前の情事は続いていた。
アルクェイドと遠野君は座位で交わっていたが、遠野君が目配せすると、アルクェイドは体を翻し、遠野君に向けてお尻を高く突き上げる形になった。
丁度、アルクェイドがこちらに顔を向ける格好となる。
僅かに視線を動かせば、私の姿が見えてしまう。
それなのに、ここから動けない。僅かでも身をずらすだけでいいのに……
体は、覗き続けたいという本能に正直だった。
遠野君はそのお尻に両手を付くと、そのままバックで進入した。
「あっ!」
また、アルクェイドが喘ぎ声を上げる。
遠野君は、挿入してからしばらく味わうようにじっとしていたが、やがて腰を動かし始める。
「あっ、あっ、あん!」
小気味よいリズムで、アルクェイドが小刻みに喘ぐ。
更にそれに肉のぶつかり合う音が混ざり、淫靡な音となって響き渡る。
……
声が出ない。
そんな姿を、まるで見せつけられているようで。
ぼーっと、それを見続けている。
と、喘ぐアルクェイドが快感に視線を彷徨わせ、そうして……
私と、目が合ったような気がした。
「あ……」
瞬間、私はその瞳に完全に魅了されていた。
アルクェイドのそれは、男を受け入れ恍惚に酔いしれる瞳。
私はその瞳を、自分のそれに写し付けられた。
気持ちいいの……
そんなアルクェイドの言葉が、心に響いてくるようだった。
私、志貴のおちんちんをおまんこ一杯に入れられて、気持ちいいの。
目が、離せない。
アルクェイドが、あんなに美味しそうに遠野君のおちんちんをくわえてこんでいる……
人がセックスしている姿を見るなんて、初めてだった。
アルクェイドは遠野君の動きに合わせ、その大きな胸をぶるぶると揺らしながら、快感に溺れている。
「あっ!ああっ!志貴い……!!」
瞳は閉じ合わされ快感に耐えようとし、口はだらしなく開いて喘ぎ声を発する。
自らを支える腕は震え、今にも力を失おうとしている。
その痴態を眺め、私までもはしたなく口を開けてしまう。
私は、思う。
私も、男の人のおちんちんに貫かれると、あんな顔をするのかしら……
挿し、突かれ、こね回されて……
淫らに顔を歪ませ、涎を垂らし
もっと、もっととせがむのかしら……
目の前の姿に、自分のそんな痴態を重ねて想像する。
遠野君が、私を……
と
とろり……
私のあそこから蜜がこぼれる。
「あ……ああ……」
開いた足元の床を濡らし始めたその蜜は、とどまる事を知らずに流れ続ける。
私は、自然にあそこへ手を伸ばす。パンティの上からではもどかしく、直接指を入り口に触れさせた。
「んっ!」
熱い。
熱すぎる。
今までに自慰では感じた事もないくらい、熱い。
見ている興奮からなのか。
それとも、アルクェイドと一体化して挿し貫かれているからなのか。
そこは私の指をすんなり迎え入れた。しとどに蜜を沸き上がらせ、襞が私の指を飲み込む。
その指は、遠野君の……
遠野君の動きに合わせて、それを抜き差ししてみる。
気持ちいい!
私はその興奮に瞳を閉じ、涎を垂らす。
あっ……あっ!
瞳を閉じても聞こえるその声は、私の声?
それに合わせて、指を更に動かす。
「ああっ!」
今度は、明らかに私と分かる声が漏れていた。でもそんな事はもう気にしてなんかいられない。
私は陶酔し、その動きを早めようとした。
どさっ……
崩れ落ちる音に目を開く。
アルクェイドが快感に気をやって、遂に体を支えきれなくなって前のめりに倒れていた。
体を肩で支え、なおも貫かれる。
畳にその頭を付け、苦悶とも、恍惚とも取れる表情でアルクェイドは揺れ続けていた。
「あっ……あっ……!志貴……」
少し弱々しくなったその声に、私の膣がきゅうっと締まる。
そんなに……遠野君のが凄いの?
指をもう1本揃えて差し込み、こね回す。
「ああっ……!」
凄いって……こんななの?
私は新たな刺激にビクンと跳ねてしまう。
ぐちゃぐちゃと泡立つ音に、更に興奮を覚える。
遠野君は、そんなアルクェイドを見て、ふと動きを止める。
私もそれに合わせて、指の動きを止めてしまう。
そして、そのアルクェイドの体にのし掛かるようにすると、腰に手を当ててアルクェイドを起き上がらせる。
そのままあぐらを掻き、その上に大きく足を開かせたアルクェイドを乗せ、後座位で貫き始めた。
「きゃうっ……!そこ!ああはっ!!」
新たな刺激にアルクはおとがいを反らし、激しく喘ぐ。
「あっ……」
それは、全てを私の前に晒す体勢だった。
ふたりの体が上下する。
その繋がっている部分……
淫靡に開いたアルクェイドの淫唇を残酷なまでに挿し貫き、痛いほどに広げてしまっている遠野君のおちんちん。
ひくり、ひくりとそれを嬉しそうに銜えて痙攣しているアルクェイドのあそこ。
その上部で、息づかいに合わせて上下する真珠のようなクリトリス。
ぬらぬらと愛液を滴らせて、それらが絶え間なく上下している。
……耐えられない。
私は3本の指を膣にねじり込む。
「あっ!!」
それでも何の躊躇無く受け入れ、遠野君のおちんちんの動きに合わせて同じように激しく上下させる。
この指は……遠野君のおちんちん。
そう、この上下するいやらしいものは、わたしの指じゃない……
わたしのおまんこの奧をめちゃめちゃにして、私をいたぶるおちんちん……
今や、私の指は遠野君になり、私を淫らにしていた。
遠野君は、座位で交わるアルクェイドに優しく口づけをする。
「んっ……志貴ぃ……志貴……」
嬉しそうに、唇を重ねるアルクェイドが、ひどく羨ましい。
舌を見せ合うようにして絡め、ぴちゃりぴちゃりと音を立てる。
私は、余った左手の指を口元に這わせ、同じように舌を絡める。
ぴちゃぴちゃと蠢くそれを遠野君の動きに真似て、私は目の前の快感を享受する。
遠野君の舌が私を襲う……そう考えるだけでたまらない。
遠野君の手が、アルクェイドの胸にかかる。そのふるふると揺れ続けている胸を後ろから優しく包むようにすると、ゆっくりと揉み始めた。
私は手を口元からずらし、ブラウスの上から自分の胸に触れる。
が、微かな感触が寂しく感じてしまい、あわててボタンを外し、その隙間から手を進入させ、ブラをも押しのけて直接触れる。
ああっ……
思わず呻く。
遠野君の円運動に合わせて、私も同じように胸をいじる。
優しい動きは、私を酔わせる。
その間も、絶え間なく下の指も動かし続ける。ぐちゅぐちゅと、いやらしい音はどんどん大きくなって、私を追いつめていく。
誰もいない廊下で、痴態を覗き床に座って股間と胸元に手を突っ込み自慰をする自分。
そんな状況も更に私の興奮を高めていった。
遠野君がアルクェイドの乳首を軽くさする。その動きに合わせて私も自分の乳首を摘む。
そこは既に固くしこっていて、布地に触れるだけで痛いほどの刺激となっているのに気付いた。
思わず、それを指で弾く。
「ああっ!」
じゅんと、奧から熱い滴りがまた溢れ出し、お漏らしのように床を濡らす。
それに合わせて更に指を激しく出し入れし、それを掻き出さんとばかりにする。
もっと……もっと……
遠野君の愛撫が、私を狂わそうとしていた。
アルクェイドがそんな愛撫に、とうとう力つきようとしていた。
「志貴!イッちゃう!!一緒に!一緒に!!」
アルクェイドは遠野君に唇を求め、応じたそれを強く吸うと、後ろ手に遠野君にしがみつく。
遠野君は、そんなアルクェイドのクリトリスに優しく触れる。
私も、抜き差しする手の親指をそこに触れさせる。
「あああ!!」
アルクェイドが、たまらない声上げる。
同時にわたしも、今までにない強烈な感覚に意識をやる。
「イク……イク……!来て!志貴!!」
私はその声に自分の膣がヒクヒクとするのを感じ、最後のスパートをかける。クリトリスをねぶり、膣への挿入をより激しくし、乳首を強く摘み、余った指で胸の芯をこねる。
「あっ!ああん!!」
目の前でも遠野君が激しく腰を揺り動かし、アルクェイドがもう意識も跳ばんばかりに頭を降り続けていた。
そうして、私の目の中で何かがフラッシュした。そうして……
「志貴!来て!!」
「遠野君!来て!!」
たまらずそう叫んだ瞬間、私のナニカが崩壊した。
きゅうっ!
私の膣が指を締め付け、痙攣している。
「ああっ……あああああっ!!」
同様に、アルクェイドが体を遠野君に預けて固まっている。その下半身だけはビクビクと揺れている。
そして……
びくん、びくん
遠野君のおちんちんが脈動している。
アルクェイドの動きに合わせて、突き上げるようにしながら。
中に、出している。
その膣に、子宮に、とても濃くて熱くて白いのをたくさん。
そう分かった瞬間、私の目の前が真っ白になった。
「ああーっ!」
ぷしゃぁと、勢いよく膣の奧から蜜を吹かせ、イッてしまった。
支えるものを求めてくたりと倒れ込む。
そのままドアに体をもたれかからせ、快感のままビクリ、ビクリと震える。
「あああ……」
自慰で、こんなに感じるなんて……
いや、違う。
私は擬似的に遠野君に貫かれ、そして膣の中に出されていたのだ。
その快感が、今も全身を駆けめぐっている。
自慰ではない、これはセックスだ。
私はセックスの感覚に陶酔し、目を閉じていた。
「はぁ……はぁ……」
しばらくして、未だに荒い自分の呼吸が聞こえる。あまりに激しかったそれを思い出すようにそれを聞いて、深くに思いをやる。
こんな凄いの……初めて……
あまりのキモチヨサに、もう他のどんな方法も考えつかない程だった。
これからは、これを思い出して自慰にふけるしかないのか……
そう、思った矢先だった。
ガラリ
と、私を支えていたものが失われていた。
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