「ふふふ、なんかこうしてるとなんだろう? 親子……じゃないし、恋人……でもないし、やっぱり姉弟かな?……きゃっ、そんな背徳的な事」

 朱鷺恵は、すっかり夢の国に落ちてしまった二人に布団を掛けてあげながら、すこしだけ楽しそうに呟いていた。
 気付けば少しだけ日も傾き、もうそろそろみんな帰ってくる頃だろう。先程翡翠には言ってあったが、これから秋葉と琥珀にも理由を話さねばならない。

「さ、今日の夕食は楽しそうね、ゲストが二人ですもの、ふふっ」

 と、志貴の部屋のドアを開けながら、琥珀ちゃんの食事の支度でもお手伝いしてあげようかしら、などと思う朱鷺恵であったが、ドアを閉めようと振り返った瞬間、裸の二人が抱き合って仲良く眠る姿を見ると、なんだかすごく微笑ましかった。

「あーあ、一子ちゃんたら独占しちゃって。いーもん、あとで志貴君にはたっぷりお相手して貰うから」

 わたしもなんだかんだ言ってお子様が好きかな? と思いつつ、部屋のドアをゆっくりと閉じる朱鷺恵であった。

「お休み。ほんの少しだけど、幸せな夢を見てね……」

 ドアに消えるそんな二人の手は、布団の中で固く握り合わされていた……。


 

 

〜後書き〜

2002年の冬に販売しました本「colors」から、「ショタ志貴」をお送りしました。この作品は「西奏亭」のしにをさんとの合作で、お互いがそれぞれ意見を出しながら作った、まるで夫婦による初めての作業のような(爆

ショタと言えばお姉さん。その点からして、朱鷺恵さん&一子さんのコンビというのは原作では有り得ませんが、それぞれを得意としている僕としにをさんの手で、こんな風になりました。大夫昔の作品ですが、個人的には思い出もたくさんあり、特別な作品です。

一応どこを誰が書いたかと申しますと、このhtmlで説明して
1〜2が古守、3〜5がしにをさん、6〜7が古守と来て、8〜9は原案をしにをさんに頂いて、古守が書いたものです。
見る人が見ると、微妙なタッチの差が分かるかも知れませんね。

ということで個人的にはショタモノはまだネタがあったり……というか、都古ちゃん書きかけたまま投げっぱなしジャーマンなのですが、ちゃんと完成させたいなあと思いました(滝汗

ともあれ、お読みいただいてありがとうございました。