Made in Maid : May's dream
やけに静かな室内。
そんな中で、俺はさつきの中で気持ちよさを感じていた。奥まで飲み込まれたペニスが、ぎゅうっと彼女の蠕動に惑わされ、意識を遠のかせつつある。
ここはさつきの部屋で、俺達はいつ家族の人が帰ってくるか分からない状況の中、愛し合っている。
これはいけない事なんだと思ってしまって、そんな少しばかりのドキドキ感が余計に体を熱くして、俺は彼女の花を突き続けた。
くちゅくちゅと音を立てるそこはすっかり濡れていて、俺のペニスはさつきを串刺しにしている。
その光景だけで焼けてしまいそうなのに
「……んっ、ふうっ……はぁっ……んふっ……ふあっ……」
口に手を当てて、必死に声が漏れ出るのを抑えているさつき。
声を出さないようにしているのに、それでも俺の動きに反応して僅かな嬌声が聞こえる。
一度入り口までゆっくり引いて、そこから最奥まで一気に強く突いてあげると
「んっ!」
さつきは身体を仰け反らせて、激しく俺の手を掴んでくる。それなのに、掠れたような声しか出さず、呼吸が出来ないのかと思う程に小さな声で喘いでいた。
声を我慢している分、さつきの中で余計に興奮しているのかもしれない、さっきからぎゅっと目を瞑って、押し寄せてくる快感に必死に耐えているように見える。
そんな姿を見ていると、余計に興奮した。
もっと、声をあげさせたい。
その可愛くてえっちな、背筋がぶるっとくるような声を、もっと俺に聞かせて欲しかった。
俺は、今まで以上に激しい勢いでさつきを責めた。
「やっ……あっ、あっ……ああっ……」
その可愛い胸を揺らしながら、さつきはぎゅうっとシーツを掴んで、襲いかかる快感をこらえていた。
「さつき。もっと、声聞かせて……」
俺が優しく言うのに、彼女は薄目を開けて真っ赤になると
「だめっ……お母さんが帰ってきたら……んんっ……!」
ふるふると首を振って、拒否なのか、それとも気持ちいい反応なのか分からないさつきが、あまりにも可愛かった。
俺はさつきを組み敷いていた体制から、お尻をすくって抱き起こすと、胡座をかいた自分の腰の上に乗せて、対面座位に持ち込んだ。
こうすると、正常位よりも激しい動きは出来ないけど、さつきを深く突き刺すから、より奥を感じる事が出来る。
その状態から、俺は円を描くように腰を回して新しい快感を送り込んだ。
「ふあああっ……ああっ、いやっ……」
さつきは俺の首筋にしがみつくと、ぎゅっと抱き寄せていやいやをする。
それなのに、そのすらりと細く綺麗な脚は、しっかりと俺の腰に巻き付けられて、離そうとしない。そんな背反した反応がたまらなく可愛い。
密着した感覚は、彼女が押しつけてくる胸の柔らかさからも感じられる。その先端に感じる固さも、俺の快感に繋がる。
そして、さつきの髪からシャンプーの凄くいい匂いがして、余計くらっときた。
「さつき、いくよ……」
俺は限界を感じると、腰を掴んで歯を食いしばり、激しく突き上げた。
「うん、いっしょに……ふぁぁっ」
ビクンと俺の律動に反応して、さつきが身体を強ばらせ、俺に絡みついて離れなかった。
最後は、恥ずかしさも忘れさせて思いっきり声をあげて欲しい。
そう思った俺は、焼き切れる寸前まで激しく彼女の中を責め続けた。
「だめ、だめ、だめぇ……んんっ!」
力一杯抱きしめられて、さつきが次第に声量を上げ、耐えきれなくなっているようだった。それは彼女の締め付けでも明らかで、ぎゅうぎゅうと締め付ける彼女の膣が、俺い射精をもうすぐの所まで呼び寄せていた。
もう少し、もう少しだ……
そう思った俺が、下半身に力を込めてずんっと突き上げると、遂に耐えきれなくなったのか
「あっ!」
一声、さつきが少しだけ大きな声で啼いた。
しかし、さつきはすぐに口を紡ぐと、押しつけるような勢いで俺の唇を塞いできた。
柔らかい唇の感触と、舌を絡めてくるいやらしさ。そして実は、声を抑えようとする方策。
「ん……んんんっ、んんんっー!」
二人の繋がった口腔内で、さつきの声がびりびりと震えていた。
同時に、彼女の身体までもが激震する。
脚と腕を俺にぎゅっと絡め付けると、さつきは全身を襲う強烈な快感で遂に絶頂に達した。
俺もそんなさつきの膣の求めるような強すぎる締め付けに陥落すると、どくどくっとさつきの胎内に大量の精液を放出する。
凄い気持ちよさに、繋がったペニスから溶けてしまいそうな感じだった。
熱くきついさつきの膣に、同じくらい熱い俺の精液を流し込んでいて、幸せすぎて訳が分からないくらいだった。
打ち付けるようにびくんっと震えるたび、俺はさつきの中に思いの丈を注ぎ込んで、唇を塞がれ酸欠に近い状態のまま、真っ白になっていた。
全てが収まるまで、お互いが動かずただぎゅうっと抱き合っているだけだった。
「んっ、んんっ……んぁ……」
どれくらいしたか、さつきがようやく唇の繋がりをほどくと、とろけた表情で俺を見て薄く微笑んだ。その儚さといやらしさは例えようもなく、俺は目の前にいるさつきに胸を締め付けられていた。
「ふぁ……志貴くん、いじわる……」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にすると、やや俯いて視線を逸らす。
「でも、凄い気持ちよかった……飛んじゃった、私……」
瞳を髪にうっすら隠したままそう言われると、またおかしくなってしまいそうだった。
俺はひとつ呼吸を吐く間に、さつきをゆっくりとベッドに背中から倒してあげ、沈み込んだところでゆっくりと下半身の熱すぎる繋がりをほどいた。
ずるっ、と音がするようにしてペニスが抜けると、さつきの膣口から、ドロドロに白濁した俺の精液が溢れ、会陰部を伝ってシーツに染みを作りそうになっていた。
俺は手元にあったティッシュをあてがうと、零れた精液と、膣口に残ってまだ溢れてくる精液を拭ってあげる。
「あ……はぁ……」
嬉しそうにお腹へ手を当てて、さつきは自分の胎内にまだ残る俺の精液の存在を感じているようだった。
「いっぱい出したね……」
そう言いながら、まだぼうっとしているさつきを綺麗にしてあげると、今度は自分の始末。
なんだかこの瞬間は間抜けな感じがするが、「したんだ」という事を改めて実感させられる瞬間でもあり、何だか気恥ずかしく思うのはなぜだろう。
「ん……はぁ……」
もう一度溢れそうになっていた精液を拭ってあげると、気持ちよかったのか小声でさつきが反応して、ぴくっと揺れた。
それが可愛すぎて、自分のモノがもう一度血を集め始めてしまう。
まずい。止まれ、止まれ……
「んっ……志貴くん……?」
不思議そうに起きあがるさつきを目の前にして、その気持ちはより大きくなってしまう。
もう一度さつきの身体を味わいたい衝動と、止めにしないといけない理性を深呼吸で整理する。
落ち着け、落ち着け自分。時間とかよく見よう……と思っていたら
「志〜貴君」
バフッ、と、俺はさつきに抱きつかれ、押し倒されて、一緒にベッドに転がってしまっていた。
そのまま抱き合ったままごろごろと転がって、ちゅっちゅっと可愛いキスを繰り返される。
そうしているさつきは、いつもの可愛い笑顔で、ちっとも性的ないやらしさを感じさせないような純粋な笑顔だった。
すると、何だか自分だけサカっていたみたいで、何だか恥ずかしくなってしまい、登り書けた興奮も何とか鎮まっていった。
逆に、普段はこれだけ笑顔のさつきが、俺の前だけではあんなに可愛くいやらしい、えっちな顔をしてくれると思うと、心の底から幸せを思った。
「さつき、そろそろ……」
俺は、強く後ろ髪の引かれる思いを感じながら、さつきに呼びかける。ふと気にした時計は、もう夕方の五時になろうかというところだった。
が、さつきはきゅっと俺を胸に抱いて
「うん、あと十分だけ、こうしていよ?」
そんな無邪気なお願いに、嫌と言える訳がなかった。
「ああ……」
そうしてきっちり十分、甘い時間を過ごした俺達は、起きあがると少し急いで服を着ていた。
「ごめんな、さつき……」
「え?」
シャツを羽織る傍ら、俺は話しかけると、さつきは自分の部屋着に首を通しながら不思議そうに答えた。
「ほら、いつもさつきの部屋で……さ」
「え? あ、うん……いいよ」
さつきは改めてそれを言われたのが恥ずかしいと頬を染めて俯く。
「仕方ないよ……志貴くんの部屋じゃ翡翠ちゃんに見つかっちゃうから……それに私達、学生だし、ホテルなんて……」
俺達がするのは、いつも決まってさつきの部屋だった。
人目を忍んで、放課後のこんな時間。お互いの視線に逢い引きのサインを確かめ合うと、ドキドキしながら手を繋いで帰って来て、時間を惜しむように夢中になって愛し合う。
原因は、俺の部屋だと屋敷にほぼいつもいる翡翠や琥珀さんに、いつ見つかるか分からない事と……ホテル代を捻出できない自分にあった。
それこそ女の子にお金を払わせるなんてプライドが許さない。でもプライドもお金が無ければどうしようもない。かといって外でするのはもってのほか……と言う事で、結局こうするしかない。
何とも情けない思いで一杯だ。
「んー……。春休みは琥珀さんに頼んで、手伝いでもしてお小遣い貰うかな……?」
俺は考えをめぐらせると、そんな事を思う。
前の年の事は知らないけど、年度末は恐らく目の回る忙しさだろう。特に秋葉なんかきっと、親父が死んでから初めての決算で、グループのあれこれを仕切らなきゃいけないのだから……遊びほうけている放蕩長男として、肩身が狭い。
流石に詳しくない故、グループの事は出来ないかもしれないけど、せめて琥珀さん辺りの手伝いを……と思っていた。
少しでも、それこそ小遣い程度でも貰えれば何とかなるかもしれない。下心見え見えとは分かっていても、何とかしたかった。
「そっか、志貴くんは自分の家でバイトするんだ」
バイト。確かにその言葉は正しかった。
「そんな感じかな? 外でバイトしようとしても、秋葉がうるさいからね」
とは言うものの、自分の家の事でバイトとは、何ともおかしな感じだった。
俺が苦笑すると、さつきはくすっと笑う。
「秋葉ちゃん、きっと志貴くんに外に出て欲しくないんだよ」
部屋の換気をしながら、さつきは俺に言った。
「ん? さつきは秋葉の味方なのか?」
俺は秋葉の肩を持ったさつきにちょっと不満を漏らす。
「うふふっ……そうかもね」
そう言うと、くすくすと笑う。
なんか面白くなかったけど、さつきの笑顔を見てたら、毒気を抜かれてしまい、どうでもよくなった。
「じゃあ……私もアルバイトして、お金貯めようかな? 折角の春休みだし、志貴くんはバイトで忙しくて、私の事構ってくれないみたいだからね? ふふっ」
うーん、と考えるフリをしながらそう言って、さつきはこっちを見て笑う。
「うーん、ゴメン、さつき」
「いいよ、二人ともお金を貯めて、遊びに行こう?」
「賛成。そうなる日を夢見て、お互い頑張ろうか?」
「うん」
そう頷き合うと、俺は立ち上がってさつきにちゅっとキスをした。
なんでもない挨拶みたいなそれで、ふたりして笑う。
「じゃあ……」
俺はちらっとドアの方を見ると、おいとまの合図をした。
「あ、外までは一緒に」
と、結局二人で玄関先まで来て
「じゃぁ、明日」
「うん。ばいばい、志貴くん」
いつも通りのやりとりをして、手を振る。
見送ってくれた、最後まで笑顔一杯のさつきを見ると、なんだかこっちが恥ずかしくなってくる。好きなんだなぁっていう実感を、こんな時感じていた。
「さて……と、今日は帰ったら琥珀さんに相談かな?」
俺は家路を特に急がずに歩きながら、そんな事を口にしていた。
しかし、この相談が後にとんでもない状況に発展するとは、その時はちっとも考えていなかった。
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