「では……」
肝を据えるにはまだ全然足りないけど、俺はコホンと咳払いをしてセイバーをまっすぐに見る。
「イヤだったら言ってくれよな。俺だってその……まだ場数を踏んでないから」
「はい。でも、シロウだったら大丈夫でしょう?」
「いや、そんなに信頼を置かれても……」
なんだか、これから『する』というのに間抜けな会話だ……そう思いつつも、しっかり俺の体は正直になっている訳で。
「じゃあ……」
俺はセイバーを横たえさせようと、そっとその剥き出しの肩に触れていた。
「あっ……」
瞬間、今まで触れたことの無いセイバーの素肌に、その肌触りに快感を覚えた。そして同時に、とてつもない興奮も。
今の声も、微かに緊張した様な反応。流石のセイバーでも、慣れていないことに思わず出てしまったといった感じで、それが男心をいたく刺激してくれる。
……ええい!
引き返すなんてもってのほか。こうなったら流れに身を任せるしか!
俺は出来る限り優しくセイバーに触れると、そっと体を入れ替えさせようとして……
「……!」
その一瞬のスキに、セイバーに抱きしめられていた。
「あ、あの。セイバーさん?」
「暖かい……」
そりゃ、俺は興奮しっぱなしだし、三月とは言えまだ夜はずいぶん寒い中、セイバーは俺のせいでこんな格好をしていたから余計……って!
「――」
手をどうすることも出来ずわなわなさせている俺の目の前で、セイバーがぴったりと俺の体に体重を預けていた。
俺の手をすり抜けるようにして胸に飛び込んできた身体は思った以上に華奢だった。確かに遠坂よりも少し背も小さいし、今もトンと押しつけられている胸だって、とてもふくよかとは言えない――遠坂もだけど。
だけど、セイバーはいつもあんなに勇敢に戦って――そのギャップがあまりにも激しかったから、余計に頭が驚いていた。
「シロウも、抱きしめてください」
顔を埋めていたセイバーが、見上げながらにっこりと笑っている。
その可愛さたるや、他に例えようもない。
「あ、あ……」
こう、素直なお願いというのには男は弱い――特に俺の場合、遠坂がそんなこと絶対にしてくる訳がないから……って、ああなんだって、こうも遠坂とセイバーを比較しようとしてるんだ俺は!
とにかくその邪心を振り払うように俺はひとつ深呼吸をすると、宙を彷徨っていた腕をそっとセイバーの肩から背中へと回した。
わあ……
腕ですっぽりと包み込めてしまう身体が、まるで触れただけで壊れてしまいそうだった。
それほどに可憐な身体。
かなり興奮して、そっと背中をさするようにすると、バスタオルと肌の二重奏による感触がたまらない。
すっかり露出していた肌は冷え、手に冷たさを返してくる。それはちょっとだけ罪悪感を覚えもしたが、しかしそれ以上にすっかり一人火照っていた体を冷やす衝撃でもあった。
「シロウの手も、暖かい……」
そんな感触を心地よく思っているのか、セイバーは嬉しそうにもたれかかってきた。
「ふふっ、緊張してますね……ドキドキ言ってます」
「う、ああ……」
セイバーが耳を胸元に当て、そんな俺の反応を面白がっている。
ちくしょう、これじゃどっちが経験があるのか――悔しさ半分、情けなさ半分。俺はまるで初めてみたいにセイバーを抱いたまま感触に酔いしれてじっとするばかり。
「シロウ?」
指が肌に触れるのが罪悪とばかりに手のひらだけでさわさわやってると、セイバーが怪訝そうに俺を見た。そしてどうやら俺が困ってると察したのだろう、
「いいですよ。少しくらい力があった方が、男性らしいですから」
「――!」
そんな嗜虐心を煽るような一言を言われては、かなりどうしようもなかった。
「あっ……」
本懐通り俺は体を入れ替えると、出来るだけ優しくセイバーを布団の上に横たえた。
「……」
セイバーの上にのしかかるように、頭の両側に手を置いてじっと見つめる。
俺の目は獣の目をしていただろうか、それとも優しい男の目なのだろうか。
「シロウ――優しく、してください……」
セイバーはここへ来て、とんでもなくしおらしく言った。
「――ああ」
一瞬返事が遅れたのは、ぐっと唾を飲み込んだからだ。キザな真似でも何でもない、ただの男の反応として、そうしないとがあーっと襲ってしまいそうだったから。
出来るだけ優しく、それこそセイバーは大切な存在だから……遠坂のことを忘れたい俺が、そう言い聞かせてゆっくりとタオルに手をかけていた。
「――」
セイバーは何も言わず、俺がゆっくりとその衣を剥いでいくのを受け入れてくれて……全てを脱いだそれは、言葉にならない程美しかった。
「恥ずかしいです……シロウ」
開かれた胸を手で隠して、セイバーは俺の視線にじっと身を縮ませて羞恥の表情を浮かべている。
見下ろした先には、セイバーの生まれたままの姿。
隠された胸は本当に微かな膨らみで、そこから続くお臍、腰の柔らかなライン――そして、産毛に微かに隠された秘部……その全てが完璧とも思える芸術品で、その姿は例えようもなく、俺はただ言葉を失っていた。
わずかに離れた距離が、まるで触れてはいけないとばかりに永遠の距離に錯覚してしまうほど、セイバーの身体は神聖さを持っている。
「……」
綺麗だよ、なんて事は言えない。それはセイバーという美への冒涜だと思ってしまう。
「そんなに、見ないでください……」
なのに悩ましげに俺を誘うその一言は正に、言葉の暴力だった。
「あっ……」
俺は言葉を失ったまま、セイバーの鎖骨へとゆっくりと唇を這わせていた。
「ふ、うんっ……くすぐったいです、ふふふっ」
窪みへとキスをしてあげると、セイバーはちょっとだけ肩を震わせた後、その感触におかしみを感じているようだった。
ぐっと自分の胸を抱いた手はそのままに、だからこそ生じていたそこへのキスむずがる姿の可愛らしさと言ったら。
「んっ……」
ピクッと反応するセイバーの事を気遣いながら、しかしその気持ちよさたる由縁の反応をもっと知りたいと、首筋まで伸びるその魅惑的なラインへ、俺は往復するように唇を這わせた。
まだまだお互いの緊張をほぐすには足りないから、こうやって俺が正常でいられる間には、出来るだけ優しくしたい。そんな気持ちから、少しずつ緊張を和らげるようにしてソフトなタッチから始める。
「は、あっ……」
意図的ではないだろうけど、セイバーの口から甘い声が漏れた。
それはずっと空想していた、少女が殻を脱いでいく始まりを思わせて、
「きゃっ!?」
思わず、舌先を伸ばして首筋に唾液の筋を作っていた。
「はっ……や、なんかヌメヌメして……」
初めてであろう感覚にこそばゆさを覚えているのか、セイバーはきゅっと瞳を閉じている。言葉と合わせるとまるで嫌がっているように見えるが、そんな様子はない。むしろ今までずっと胸を隠していた腕が、自身の身体と俺が押し付けていた身体の間から窮屈そうに抜けると、きゅっと俺の背中に回っていた。
「でも、気持ちいいです――もっと続けてください。シロウのやり方で」
薄目を開けて微笑むセイバーは、俺に全てを任せてくれている――そう俺が勝手に思いこんでしまう、欲情をそそる色っぽさを含んでいた。
「あ、ああ……」
許しを得た。
こっくりと頷く俺は、喜びに胸が爆発しそうだった。
その言葉を待っていた訳じゃないけど、俺は少しだけ大胆に動き出す。
「あっ……はっ、ん……」
首筋から鎖骨、そして今露わにされた胸へ――唇はゆっくりとセイバーをなぞっていく。
まだ微かな隆起しか見えないその膨らみ――セイバーの左の胸をゆっくりと伝い、登って……
「あっ……!」
唇が目で見るよりも早く、セイバーの胸の先端を捉えていた。
頂の頂上に鎮座したそれは、唇に今までとは違う弾力を与えてくれ、その誘いに簡単に屈した俺は、少しだけ隆起していたそれを口に含んでいた。
「は……あっ。シロウ、そこ……赤ちゃんみたい……んっ!」
唇で挟むようにすると、少しだけ吸いあげて、それから舌先でコロッと転がす。それだけでセイバーは、未知なる感覚に声を潤ませている。
「はっ、あ……胸ばかり……んんっ!」
きゅうっと俺の頭を抱きしめて、言葉とは裏腹に胸から離してくれない。唇の中で少しだけくっと膨らんだ先端は、そんなセイバーが気持ちよくなってくれている証拠。先端ばかりでなく周縁も舌でなぞってあげると、
「あ、はあっ……」
ゾクゾクと震える様子で甘い声を漏らす。じわじわとこみ上げる可愛らしさが心の大半を占める中、チュッと軽いキスをして伝えた。
「あっ!」
そんな段々と余裕を失っていくセイバーとは対照的に、俺の方は次第に緊張がほどけていた。
俺は左胸に唇で集中的に攻めることしか許されない状況から、頭を少しだけ傾けて反対の胸を見つめる。
ちょこん、と。
そこにぷっくりと膨れたピンク色の先端が見えた時、たまらない興奮が襲いかかってきた。
初めて間近で見たセイバーの恥ずかしいところのひとつ。そんな意識があったからか、新たに視覚を刺激したそれはとてつもなく卑猥で、俺を欲情に駆り立てようとするセイバーの誘惑に思えた。
何も言わず、と言うより何も言えず、そっと手を伸ばしてもう一つの頂を指で触れる。
「は……あっ!」
瞬間、両の胸を同時に攻められたセイバーが、一際大きな声を上げて啼いてくれた。その嬉しさと言ったら、男冥利に尽きるというモノだ。
「はあ……シロウ、そんな、ダメ……!」
くりくりと人差し指の腹で感触を味わい、親指とで挟みつけると、セイバーには悪いけど面白いようにピクピクと胸を震わせてくれる姿に、俺の中の嗜虐性はもっといじめてやりたいとする。
「ふ……ああっ! シロウ、シロぉ……」
最早言葉もまともに紡げないくらい、セイバーは襲いかかる快感と戦うことに必死な様子。俺はだからといって手加減なんて知らず、より一層セイバーを困らせようと愛撫を続ける。
俺を抱きしめる力は相変わらずだけど、それをこじ開けるように頭を動かすと、左右の責めをひっくり返した。
「ん、あ……? はああっ!」
一瞬俺からの信号が途絶えたセイバーは物惜しげな声をあげたが、すぐにまた襲いかかった刺激に声を震わせていた。
今までくわえていた先端は新たな標的となり、たっぷりと濡れてふやけていたそこは、さっき以上にはっきりと指に存在感を示してくれている。ぺたりと張り付く感じは、唾液によるもの。程良い潤滑となったそれは、暖かいセイバーの胸を這い回る。
「あ……はあっ!」
攻め手が変わっただけ。セイバーの胸は可愛らしく、そして何よりも触れていて気持ちいいから、やめてくれと言うのが無理な相談だ。俺は唇に埋まったそれもちゅっちゅっと吸い出して、一瞬だけ甘い蜜でも出ないかな――なんて願ってしまう。
「は、あっ、シロぉ……!」
セイバーの唇から紡がれる言葉は、さっきからそれ以上を言わない。でももし、『もっと……』とか言われたらと思うと、感謝するしかなかった――そんなこと言われたら、恐らくどうしようもなくなってしまうから。
「はあっ……んっ! や……!」
セイバーの腕に力が籠もる。まだ胸の愛撫だけなのに、これほどまでに感じてくれるようになるとは正直思ってくれなかったから、何だか自分が上手いみたいでとても嬉しかった。
だから俺はようやくセイバーへのキスをやめると、もぞもぞと顔を動かして顔を見つめる。
「んっ……あ、シロウ……?」
潤んだ瞳、濡れた唇。
頬も真っ赤に染まり、額は微かに汗を流し、呼吸も乱れ乱れ。
そんな姿をこんな間近で見られるとは思っていなかったし、想像も敢えて封じていたのに、それが今ここにあると思うと、体中を走り抜ける感情を抑えるのが精一杯だった。
「大丈夫?」
「はい」
適切な言葉ではなかったかも知れなかったが、気遣う言葉が思い浮かばなかった。『気持ちよかった?』なんて聞いて恥ずかしがらせてもいけないし、だからといって無言を押し通したらもっといけない。だから俺は出来るだけ優しく、言葉以上に『想い』を伝えて語りかけていた。
セイバーはにこりと笑うと、
「……すごく、気持ちよかったです」
健気に笑うそんな姿は、まだまだ汚れを知らない可憐な少女で――これからもっと先をするのかと思うと、僅かの罪悪感とそれを遙かに上回る興奮が俺を刺激した。
「シロウ……」
セイバーは恥ずかしそうに顔を一瞬反らすと、恥ずかしさと決意の混じった瞳で再び俺を見つめた。
「もう大丈夫です……入れても」
男を受け入れる準備は出来ている――その言葉を発するのにどれだけ勇気がいるのか、男の俺には到底分からない。しかし、確かにそれは――俺を一気に欲情させ、雄の本能を呼び覚ますには十分な一言だった。
「!」
その一瞬、願い通りにセイバーを抱きしめたいという強い衝動が目覚める。しかし、まだ俺の理性はセイバーを想う優しさで支えられていた。
「……」
ぐっと、その欲望を内に押し留める。
その意志の力は、自らを誇りに思う程。
安っぽい誇りかも知れないけど――今の俺には十分で、何よりもセイバーのためにそうしてやれることの嬉しさがたまらなかった。
「うん……そうかもしれないけど……」
「?」
「もっとセイバーが気持ちよくなれるように、準備してあげたいんだ」
とにかく俺にはセイバーがそうなってくれることがまず第一だ。
「えっ……やっ! そんな、ああっ!」
だから俺は身体を浮かすと、胸を弄っていなかった手をゆっくりとセイバーのお尻に伸ばすと、そこから太腿を這い、一番大事なところに触れていた。
指先にかすかな恥毛の感触。そして切れ目を思わせるスリット。そろっと大事な物を取り扱う事を強く意識しながら優しく撫でる。
「はぁ……はぁぁん……っ」
全身を弛緩させるようなセイバーの声は、その動きに呼応してゆっくりと奏でられた。
柔らかい……
送られてくる信号へ意識を集中させると、茹で卵のような柔肉は確かにしとりと濡れていて、セイバーが先程の胸への愛撫で感じでくれていたと分からせるものだった。
ふにふにと指の腹で押し、更に切れ目全体を確かめるように小さく這わせていくと、まるでマシュマロのように弾力のあるセイバーのそこがまだとてつもなく幼いことを感じさせてしまう。
「んっ……シロぉ……っ!」
それでも、女の子の身体は信じられない程良く出来ている。少しでも男を迎え入れようと、奥の方からじわり……とではあるが、愛撫に反応したか更なる潤いが染み出していた。
感動と興奮を覚えた。
初めてでも、未熟でもこうやって準備をしようとしてくれている。肉襞はまだかすかに外側へ開いたばかりだというのに、その間から指を刺激させる新たな果実は更に柔らいなんて。
「はぁ……はあ……ん……」
襞を撫でさすると、ゾクゾクッ……とその度に震え上がるセイバーの反応があまりにも扇情的で、ぎゅっとシーツを掴むその指先まで美しさを感じてしまう。
「セイバー……」
だから、そんな所を直に見たくて俺はゆっくりと身体を下半身へ這わせていくと、襲いかかる刺激に身を固くしていたセイバーの腿を手にして、ゆっくりと割り開いていった。
「あ……ああっ……」
片足だけを上げさせられる格好で俺に大事なところを見られてしまったセイバーは、羞恥の含みを持った声でそれを見つめると、どうすることも出来ないような弱々しい声を上げて全てをさらけ出していた。
薄い金色の恥毛に彩られた、信じられない程薄いピンクの切れ込み。
まだ本当に開きかけただけのそこはあまりにも性交のイメージとはかけ離れていて……だからこそ、どうしようもなく興奮してしまう自分がいた。
「綺麗だ……」
あまりにも素直な感想が唇から漏れてしまう。
「言わないで、下さいっ……」
そしてそれを聞いて反応を示すセイバーが、あまりにもいやらしい。
ひくっ……と言葉に呼応するかの如く揺れた花びらが、またぞろ俺の官能を刺激して――ゆっくりとそこへ顔を近付け、唇を這わさせたのだ。
「ああっ……!」
舌でくにゅりと初めて触れたその瞬間、言いようのない衝撃に身を震わせ、セイバーも、俺も歓喜に打ち震えていた。
舌先から、全身を刺激するようなセイバーの味。そして鼻腔から同じように広がっていく匂い。それはどれだけ外見が幼かろうと、強い性を意識させてしまうものであった。
「だ、ダメですっ……! シロウ、汚い……!」
汚くなんかあるものか。
セイバーがどれだけ嫌がっても、目の前に広がる淫靡な光景はそれだけでは覆せない事実。
「あああっ!」
指を添え、ぴらっと開いた花弁は……更にサーモンピンクの彩りを見せ、まさに肉体の内部を思わせるとろけるような存在であった。
「あっ! や……!」
頭を押さえ、何とか俺を股間から離そうとするも力は弱く、かえってセイバーが快感によって抵抗する力を失わせていることを教えてくれてしまう。
そんな花びらは隠すことを許されず、俺はその開かれた内側へ更に舌を滑らせる。
「ふ、ぁぁぁっ!!」
愛液に艶濡れて輝いていたそこは、俺の舌なんかよりも何倍も柔らかく、そして敏感だった。舐める度にきゅうっと収縮し、それが収まると、
――とろ、っ……
と、内側から悦びに反応した蜜が新たにそこを潤していく。
「は、ああっ……くうんっ……だ、め……」
啄むように何度か口づけていくと、やがて唇の周縁が唾液とは明らかに違う液体で濡れそぼっていた。
セイバー……感じてくれている
悦びを覚えると、もっとそうさせてやりたいと思う。全てはこれから与えてしまうであろう痛みのため、先に許しを請うための奉仕。
気持ちよくなって貰うために、少しでも準備して……そんなのはやがて言い訳となってしまう位に、俺は秘所への愛撫に段々と目的を忘れ、没頭しそうになっていた。
舌を差し入れ、よりこの小さく狭い襞の奥へ……そして、頂上に息づく包皮に包まれた、まだ誰も触れたことのない宝石へ。
「ん……はぁぁっ!」
くにゅり……と舌がそこを撫で上げると、セイバーは更に高い声で啼き、刺激に身を震わせていた。
「は、あ……! あっ……!」
絶え絶えにあがる声にセイバーの快感を感じる。
だというのに、段々と頭に霞がかかってきて、それがどのくらい感じているのかが分からなくなってしまう。
「や……っ! シロウ……っ!!」
が、俺の責めを必死に押しやろうとする一際強い力に、俺は何とか意識を保ち、限りなく優しく気遣って触れていた。
「イ、ヤ……も、う……っ!」
拒否ではない嬌声。
それはセイバーが高みに登ってしまいそうな証。
だから俺は、せめてそこまで連れて行きたいと願ってクリトリスを包む衣を指と舌とで除けると、そこへ優しく吸い付いていた。
「あっ! あっ! あっ……!!」
ちゅっ……本当に小さなそこを口に含むばかりに啜った瞬間――セイバーがピクピクっと身体を震わせ跳ねた。そしてきゅうっと閉じた奥から、とろっ――と溢れた愛液が可憐に開いた襞を伝って落ちていく。
「ああっ……ああああ……」
消え行き、深いところへ落ちていくような声。セイバーが初めて感じた女の子としての絶頂だろうか――その反応に俺は言いようのない感動を覚え、見守っていた。
「ああ……はっ、あ……っ」
呼吸は乱れ、何度も襞が収縮し蜜を美しく流して……やがてそれは海へとゆっくりと返す波の如く小さくなって。
セイバーの花びらは俺の愛撫に紅潮し、とろとろに融けてしまいそうに柔らかく開いて、十分に潤っているとようやく思えた。
「セイバー……」
俺はまだ快感から冷め切らぬセイバーの間に身体を滑らせると、じっとセイバーがこちらを見てくれるまで待った。
「あ……はあ、っ……はあ……シ、ロウ……」
少しずつであるが薄目を開き、キラキラと光る涙をその端に見せながらセイバーが見つめ返してくれる。まだぼんやりと焦点は完全に定まらず、しかし俺のことを捉えて離さない姿に、愛しさに心が満たされていくのを感じた。
――やがて、その意図を察してくれたのだろうか、
「は、い……」
頷き、すすっ……と脚を開いて、
「これで、シロウと繋がれるのですね……」
遂に訪れた瞬間へ、セイバーは気丈にもにっこりと微笑んだ。
「ああ……いくよ」
俺は片手でズボンとトランクスを下ろすと、下半身だけ裸になった格好のまま、セイバーの腰を抱えた。
「あ……」
その方がきっと痛くないだろうから少しだけ上向きに――朧気な知識だけを便りにそうすると、もうどうしようもない程醜悪にそそり立っていたペニスをあてがった。
瞬間――ぴたりと亀頭へ触れた花びらのそれだけで、背筋が痺れるような快感が襲う。
「んっ……!」
そして、セイバーも小さな叫び声を漏らす。これから行われる事への期待か……いや、恐怖だろうか。
「力を抜いて……」
セイバーを想って、俺は出来る限りの言葉で呼びかける。
「は、い……あああっ!」
そして――進入を開始した。
「ん……! あ……!」
ぎちり……まるで肉を押し開いていく感覚は、明らかに暴力だった。
女性がこの瞬間、まるで身体の内側から犯されていくような感覚は、男には到底想像も付かない。
だからこそ俺は、性急に進むことだけは絶対に避けて、ただ受け入れてくれるのを待ち――それが出来るには、まだ経験が足りなかった。
「あっ……!」
裂くように、少しだけ力づくになってしまう。
「セイバー……ごめん、でも……」
受け入れて欲しい。
それはあまりにも身勝手だと思ったが、こうすることしか出来ない俺を……許して欲しい。
「は……い。もっと……!」
なのに、セイバーは少しも逃げようとはせず、俺を受け入れようとあまりにも健気だった。俺の腕を両方の手で掴むと、痛みに悲鳴を上げる腰を逃がそうとはせず、意志の力でそこへ留まらせようと――更には押しつけようとしていた。
「――!」
だから、俺はそれに応えなくちゃいけなかった。例え酷くても、どんなに罪悪感を感じようとも、セイバーのためにはしなければならない――自分を欺く嘘を吐きながら、セイバーの膣に埋まっていく。
「ああああっ……!!」
半分も埋まらぬまま、なのにセイバーの入り口から異物を必死で押し返そうとする抵抗。既に内部はぎちりと詰まっていて、本当にこれ以上進まないと思ってしまう程。
「セ、イバー……っ!」
無理ならそれでもいい。
でも、本当はもっと繋がりたい。
相反する頭の叫びに、愛しい少女の名前が溢れ出す。
「シロウ……っ!!」
そんな呼びかけに、セイバーが自らを捧げるような声で応えていた。こわばっていたそこが僅かだけ力を失ったから、より奥深くまで――遂に一番奥と思われる場所までたどり着けた。
「あ……!」
俺の下でぎゅうっと手に力を込め、掴んだ腕を引き裂かんとばかりにするセイバー。その力と同じように、俺に貫かれた狭い膣内はぎゅうっと、異物への強い拒否感を示している。
「は、あ……っ」
なのに息を吐いて、何とか力を弱めようと、俺を気遣おうとするその姿。
それを見ているのがあまりにも辛くて、
なんて事を――
現実を痛感させられる胸の痛みがあるが、男としての例えられない悦びに、決して嘘を付けなかった。
「ああ……ああ……っ」
きつく目を閉じていたセイバーが、その瞳の戒めをゆっくりと綻ばせる。従い、俺を包んでいた強い排出感は、段々とそれを受け入れてくれるような力に変わっていた。
「……」
声をかけることなど出来ない。俺が全ていけなくて、なのに何を言えばいいというのか。
「シロウ……」
まだ苦痛の混じったそれは痛々しく、とてもじゃないけど喜びなど無い……筈なのに、
「わたし……ちゃんと、出来たのですね」
自らが受け入れられた、という喜びを噛みしめるように、セイバーがにっこりと笑った。
その俺の罪悪感をうち消すような、優しい顔。
「セイバー……」
あまりに胸を締め付ける。
「ああ……入ったよ」
言葉と共に、この愛しさが形となって溢れて欲しかった。
「んっ……少し、まだ痛いです」
痛みに、セイバーは胎内の存在を感じながら俺を見る。と、
「けど……大丈夫です。シロウのくれる痛みなら、それはわたしには喜びと等価ですから」
「――!」
セイバーはとんでもないことを言ってくれた。
痛みと喜びが等価――そんなことあり得る訳がない。なのに、そうだと言って俺を安心させようとしている。そんな、自らを犠牲にするのは俺だけで十分だというのに……
「セイバー、だ……」
「嘘ではありません」
それを否定しようとする俺の言葉を遮るかの様に、セイバーは続けた。
「だって……こうなりたかったのですから、今までの胸の痛みに比べたら……」
「……」
その言葉に、今俺の胸が痛んだ。
こうなりたかった……それはいつから?
今日から?
昨日から?
……ずっと前から?
「……ごめん」
応えてやれなかった事への微かな罪悪。もしそれが、一番そう思いたくない時からだったとしたら、俺は……
「いいんです、シロウは気にしないで下さい」
と、俺の頬に手を当てて、セイバーは微笑んだ。
「こうして今、ひとつになれてるんですから、全ては願い通りです」
嬉しそうな顔。俺の一人沈んでいく感情を明るく引き戻そうとする無邪気さに似た顔。
「だから……好きにしていいんですよ、シロウ?」
「くあ、っ……!?」
瞬間。
信じられないことに、ただでさえ狭い膣が、更に狭まったのだ。
ペニスをぎちぎちに締め付けるのは、押し返す力でなくて包み込む力。
「セ、セイバー……!?」
半分どころか殆ど信じられない行動に、俺は目を見開き、射精を堪えてセイバーを見た。
「知識があるって言いましたよね? こういう事ですよ?」
その言葉の意味をよく考えていなかった俺をおかしむかのように、ふふふと笑うセイバーは妖艶な瞳を携えて。その奥には、微かに余裕にも思える光が宿り――俺を早くも虜にしようとしていた。
今、セイバーはわざと自分の膣を締めたのだ。
――知識はあります。
まさか、こういう意味だったとは――!
俺はその思いもしなかった衝撃に、あっさりと果てそうになってしまう。
「く、そっ……騙したなセイバー?」
なんだか感傷的なものはすっかり消え去り、怒りとまでは行かないまでも、なんだかしてやられた気分にすっかりいつも通りになってしまう。
「ふふふ……いえ。経験がないのも本当ですよ?」
と、セイバーは悪びれた様子もなく、腰を少しだけ動かして俺に存在を示す。
「んっ……? あっ……」
微かに揺れた気持ちよさ――と共に、そこへ目をやった俺は言葉を失った。
今ので少しだけ引き抜かれていた俺の幹に、確かに透明ではない微かに赤く染まった蜜。
それは、明らかに処女の証。
俺のが異常な大きさでなければ、出血なんてそう起こらない筈だ――そしてもちろん、そんな可能性は間違いなく無い。
だから余計にその破瓜の血を見つめた瞬間、セイバーの言葉が確かに本当だと分かって、改めて感動してしまっている自分がいた。
「大丈夫だったか?」
つい、お決まりとも取れてしまう台詞が出てきていた。
「……もう、何度も言ったではありませんか」
「あ……そうだな」
しかし、あっさりとそう返されると確かにそうだった。本とかに毒されすぎだ、俺。しかし、そんな自分がおかしくて、
「くくっ……」
つい笑ってしまった。
「? ふふふ、おかしなシロウ……」
そんな俺の反応につられて、セイバーも同じように笑う。
何だかこうやってるのに、あまりに場違いだと……
「――っ!?」
思うより先に、不意に快感に襲われて言葉が詰まった――セイバーの反応が膣を収縮させていたから。
「んっ……」
そしてピクンと我慢するために腰を震わせた俺に呼応してセイバーも可愛い声を上げる。
「シロウ……最後までしてくださいね」
と、自ら軽く腰を押しつけてセイバーが求めてくる。
「ああ……」
別に忘れていた訳じゃないし、挿入の確認だけで終わるつもりなんか――最初はあったけど、今はとてもない。セイバーがちゃんと出来るんだったら、後はお互い気持ちよくなるために少しでも俺が努力するばかりだ。
「動くぞ? 流石にまだ痛いかも知れないけど、その時は素直に言ってくれ」
俺は改めて腰に手を当てると、セイバーが痛くないような体形を取る。その僅かに浮いた腰から、少しだけ膨らんだお腹、そして胸へのラインはとても綺麗で、凄く扇情的な流線だった。
「はい。大丈夫だと思います。それに、シロウに嘘なんかつけません。すぐ分かってしまいますからね」
その向こうにある優しい微笑みは、俺のことをすっかり理解して、信頼しているような顔。初体験の感動はありつつも、悲壮感は薄いその返事に、俺はちょっとだけ苦笑して頷いた。
「よしっ……」
「んっ……はあっ……ん」
先程の抜けた分をちょっとだけ押し込む。そしてセイバーの膣奥に先端を到達させると、そこに当たる物があった。
「狭い……でも、凄く気持ちいいよ」
「んっ……そう言って貰えると、嬉しいです」
こう、確かに初めての違和感からだろうが、まだきつい膣内は動きがたどたどしい。襞は確かに絡んでいるが、まだ恐る恐ると言った表現が正しいかのような動き。
「はっ……抜けていく感覚が……ああっ」
引いていくと、それは幹から傘、亀頭までを順番に刺激して俺を困らせる。
「はっ、ああっ……」
そうしてまた膣内に進んでいくと、今度は慣れぬが頑張って迎え入れてくれるような肉の感触。
「はあっ……いい、です……」
セイバーの声には痛さを軽く感じさせる物もあるが、それよりも甘くなってきた声色は、それ以上に悦びが勝っている様子だ。伴って、最初に潤っていた愛液に混じって、破瓜の血と新たな愛液が程良く溢れてきて滑りをよくしている。ず、ず……と始めは押し込むだけだったが、今はぬるぬるとしたものが幹にこぼれる程まとわりついて、密着感も更に高まっていた。
「んっ……もう少し、強くても……」
やがて慣れてきたのか、セイバーが俺に促してくれたから、それを受けてちょっとだけ奥を突いた。
「んっ! はあっ……あっ」
一瞬息が詰まったような声を上げるが、すぐにセイバーはそれに順応して啼いてくれる。そして襞の動きもほぐれ始め、俺のことを少しずつ強弱をつけて責めるようになる。そんな内外の調和した反応はとても気持ちいい。だから、俺はセイバーが本気でイヤと言うまではやめられそうにない――
「くっ……」
――どころか、そんな余裕もないかも知れない。
努めてリズミカルにゆっくり出し入れさせていたが、実のところかなりヤバかった。
「ああっ……いい、シロウ……」
「ああ、俺も……」
本当はセイバーが気持ちよくなるまで我慢出来ると思っていたが、セイバーを抱きしめて、そして愛撫して――という間に、すっかり興奮しきっていた俺は、今までになく早く快感を引き上げられていた。
「ごめ……もう」
男としては恥ずかしい一言。
じわじわと駆け上がってくるむず痒さは、このままでは止められそうもない。
俺は正直に告げると、セイバーは嬉しそうに微笑んで、
「いいですよ、シロウ……膣にちゃんと射精してください」
そしてイタズラっぽく、きゅっと脚を絡めてきた。
「くっ――」
その行為に呻き、俺は更に心の中でも呻いていた。
この交わりの意味――セイバーの言葉は確かにその通りなのだが、そんな事を普通に言われるとこれほど興奮するものもない。しかも、その言葉の主であるセイバーは……まだとてもじゃないけど、膣に出した後を想像させるような体つきではない。
だから色々俺の中では相まって――それを追い払おうと、ちょっとだけ動きを早めた。
「ああ……はあっ!」
乱暴とは意識していないが、確かに最初より早まった前後運動にセイバーは声を大きくする。
「あっ! あ、あっ……」
ちゅくちゅくと結合部から鳴る音も最初よりずっと粘りが大きく、俺を呑み込む花びらもきれいに咲いている。それを押し開き、ちょっと痛い程に出入りする幹が……そんな串刺しにしているところを見つめると、余計射精が早まってしまったような気がした。
「くうっ、セイバー……」
「はあっ! シロウ……おっきくなって……!」
膨らんでいく亀頭の存在を感じてセイバーが告げた瞬間、
「!」
「――!」
腰が融けた。
最奥にペニスを押しつけて震えると、どくどくっと溢れた精液が尿道を駆け上がってセイバーの膣内へ吹き出した。
「あ――あ」
セイバーが初めて受け入れる存在に少し困惑したような声を上げる中、俺は頭が白んでいく感覚と共に、胎内へ何度も精液を――そして魔力を流し込む。
「ああ……熱い」
セイバーが前屈みになった俺をぎゅっと抱きしめ、それを嬉しそうに受け入れてくれる。その優しさに包まれながら、ちょっと罪悪感を感じながらの放出は続いて……
「はっ、ああ……」
ようやく長い息を付き、俺はやっと射精を終えていた。今出せる精液の最後の一滴まで吹き出した感覚のまま、ぐったりと力を抜いてセイバーの胸に頭をもたれるようにして倒れ込む。もちろん体重はかけないように気遣いながら。
「はあ、はあ……?」
と、セイバーが俺の頭を撫でるから顔を上げると、
「シロウ……」
その顔は嬉しそうに微笑んでいた。
「いっぱい、出してくれましたね」
まだ俺のペニスが埋まったままの腰をちょっと揺らすと、その中に溢れている精液の存在を確かめるように。
「シロウの熱さが、精液が……魔力が、わたしをいっぱい包んでくれています」
感動にちょっとだけ潤んでる顔が、とても綺麗。
「ありがとうございます、シロウ……」
そんな瞳からちょっとだけ溢れた涙を救うと、俺はそんなの似合わないとばかりに笑った。
「何言ってるんだ。今まで散々迷惑かけたんだから……」
当然だろ? とはこっちが偉そうだから言わない。
それに、結局こっちが勝手に一人でいっちゃったから、申し訳ない。
「あっ……」
膣圧に押されたペニスが、セイバーの動きでずれると膣からこぼれ落ちる。でもその瞬間がかなり気持ちよかった俺は、尚もセイバーの下腹部にすりすりと押しつけると、
「ふふふ……」
セイバーは笑ってそれを受け入れ、自らも軽く腰を揺らした。
「あ、ちょっと零れて……」
と、膣口から溢れた精液を惜しみながらそれでも動きをやめないセイバー。何だか事後の気怠さの筈が、まだ続きを求めてるみたいになってしまって……
「まだ元気ですね?」
「う、ああ……」
節操無しにまだ大きくしている自分に苦笑いするしかなかった。
「いいですよ、何度でも――それがわたしの力になりますから」
セイバーはぎゅっと……実はもっとして欲しいんじゃないかってこっちが思ってしまうような抱擁をしてくれる。
「んー……」
それに甘えたくて、もう一度位置を合わせようとする。が、そこでちょっとだけ思った。
「今度は、セイバーも一緒に気持ちよくなって」
「え? きゃっ!」
と、俺はセイバーの腰に当てようとした手でお尻をすくい上げると、『よっ……』と声を上げながら起きあがった。
「や……シロウ、何を?」
ペタンとあぐらを掻くように座った俺の上に、セイバーが向かい合わせで座っている。その腰は、花びらが丁度俺の中心を擦るような格好、いわゆる対面座位だ。
「あ……」
「ほら、さっきは――俺が勝手に終わっちゃったから」
恥ずかしさにちょっとだけ目を反らして、それでもセイバーを抱えたお尻の感触を味わいながら、
「今度は、出来れば一緒がいいな……って」
そんな望みを告げていた。
「――」
直視出来ないので、ちらっと横目でセイバーを盗み見ると、その顔は一瞬困ったような顔をしている。が、
「……はい。士郎のお好きなようにしてください」
そんな俺を見ながら、笑って仕方ないですね、と言った風に了解してくれた。
「うん――じゃあ、そのまま腰を……」
「は、い……失礼します」
俺が腰を支えながら浮かせてあげると、セイバーがそんなことを言うから何だか滑稽に思ってしまった。
「失礼って……くくく」
「?」
「いや、何でもないよ」
確かにそうかもしれない。けど、これは失礼どころかかえって嬉しいくらいだ。
「ん、ここで……いいですね?」
「うん」
と、そうする間にもセイバーは腰の位置を改めて整え、俺のペニスをくわえ込もうとせんばかりの位置へ花芯を近付ける。その中心から先程の余韻が溢れて、ポタ、ポタと亀頭を濡らす様は、あまりにも淫靡だった。
「そう、そのまま……」
「はい……」
俺はセイバーがいきなり落ちてこないように支え、その助けを得たセイバーもゆっくりと腰を下ろしてくる。
「は、あ……っ」
そして亀頭が触れ、微かに震えたと思ったら……セイバーが俺のペニスを膣内へ再び沈めさせていた。
先程とは違う、子宮口を確かにこつんと打つような感覚。
「深い……っ」
その存在を感じながら、セイバーは自らのお腹を見下ろして、そこへ手をあてがう。
「こんなに……シロウのを、わたしが呑み込んで……はあっ……」
さすりながら自らの胎内を満たす存在を感じ、微かに恥じながらも襞は正直に俺を包み込む。
「く、うっ……」
その感覚は射精したばかりのペニスにはかなり厳しい。ぐっと歯を食いしばることで新たな快感へのスタートダッシュを妨げると、何とか余裕が出来た。
「セイバー、きつい?」
そこで目の前のセイバーを見ると、ふるふると首を振ってそれを否定する。
「いえ。むしろよりシロウと繋がった感じがして、嬉しいくらいです」
「そっか……」
セイバーの言葉は何でも心に響き、そして喜びになる。
俺はまた一人でいってしまわないよう、今度はしっかりとセイバーのお尻を抱えて揺すり始めた。
「あっ……あっ、凄い……」
セイバーは何度も子宮口を押し上げる感覚にわななき、言葉を漏らしては俺を締め付ける。きゅ、きゅきゅ……と、先程以上にリズミカルに動き始めた膣内は、すっかり結合の味に酔いしれて、上手に俺を責め立てている。
「んっ……シロウ……」
切なそうに俺を見る姿が、驚く程綺麗だ。
その潤んだ瞳、紅潮した肌。そして無意識か揺らされていく腰。セイバーの順応力に舌を巻きながらも、俺は何とか堪えようと意識を別の所へ持っていく。
「ふあっ……」
目の前で本当に微かにしか膨らんでいない胸にキスをすると、そこを子供のようにちゅうちゅうと啄む。
「あっ、いい……っ」
きゅっと俺を胸に抱き、セイバーは胸を与えてくれる。そこに母性を何となく感じ取りながらも、俺は男として先端に軽くかりっと歯を立てる。
「はあっ……!」
今まで得られなかった新しい刺激に、セイバーはちょっとだけ驚きながらも素直に受け、俺が今度は唇で挟むように乳首をねぶると、柔らかい中に芯のある固さが心地よく唇を責めた。
「はあっ……ああっ!」
合わせて、慣れてきた腰の動きも少しだけ大きくして、上下運動は難しいから、ただ突くだけでなく今度は円を描くような運動も混ぜる。
「んんっ……はあっ、シロぉ……っ」
俺の動きに呼応させて、セイバーの腰が艶めかしく動く。
「くっ……」
それは襞の動きにも現れて、自ら誘った体勢だというのに、うねうねとペニスをこねるような快感は、衝撃に等しかった。
や、ば――いかな。
これじゃまた、俺が早く感じ過ぎちゃって出しちまう……そう感じた俺は、自らの感度ばかりはどうしようもないと思い、どうにかしなくてはと必死に考えた。
そして、ならばセイバーを――そう思いついた。
「セイバー、いいかい?」
俺はセイバーの腰を上げると、ずっと埋まっていたいと思う膣からペニスを引き抜いた。
「え……? あ……」
セイバーのその瞬間の寂しそうな声と表情はあまりに切なく、心を震わせるような仕草にちょっと名残惜しく思うが、自分のプライドと――セイバーへもっと気持ちよくなって欲しいという想いからそれを振り払う。
「ちょっと、体勢変えるよ」
そして俺はそのままの格好でセイバーを横に向かせると――その背中側に周り、後背座位の形を作った。
「え――や、恥ずかしい……」
俺でさえも初めての格好に、セイバーは羞恥に戸惑った声を上げる。こちらを見るその瞳は『やめてください』と言わんばかりに。
しかし、それを見ないフリして、俺はもう一度セイバーの腰を下ろして、自らのペニスをそこへあてがっていった。
「は……あ、ああっ」
挿入の瞬間の気持ちよさは相変わらず。
その時の声もたまらなく可愛いセイバーを後ろから貫いて、俺は手を伸ばし、まずは胸を捉えていた。
「あ……やっ!」
先端へ触れると、案の定セイバーはピクンッと鋭く反応して胸を震わせる。
「こうすれば、もっとセイバーが気持ちよくなれるだろ?」
「は、ああっ! そ、んな……っ!」
すりすりと指の腹で撫で、それからきゅっとつまむと、セイバーはたちどころに可愛い声を上げ始める。
「それに……ここも一緒にいじれるから、もっとよくなると思う……」
と、更に空いた手をそろそろと結合部に伸ばすと――
「ふ、ああああっ!」
二人の繋がっている上部――包皮に半分隠れたままの、しかし確かに大きくなっていたクリトリスに触れた。
「ああっ、ああああっ!」
三カ所同時の責め。
セイバーの反応に思惑は成功したとはっきり分かった俺は、ようやく余裕を取り戻してセイバーの膣を味わうことが出来た。
「あっ、ああっ! シロウ……ダメ……!」
切なそうな叫びにいっぱい甘い声が混じっているから、とてもそんな拒否は意味がない。それどころか、もっとしてあげたいと思う愛しさが勝手に溢れてきてしまい、胸を優しく揉みながら、クリトリスを剥き出しにして直に触れてしまう。
「あああっ!! ああっ!」
セイバーがいやいやをするように首を振って快感を受け入れている。その目の前で揺れる髪はしなやかに美しく乱れ、俺は思わず口に含んでしまう。
「や……!」
それさえも快感なのか、セイバーがこちらを向いて切なそうにする。
丁度下から見上げるようなセイバーの視線に、たまらなく可愛いと思ってしまい、そういえば――と、何かをすっかり忘れていたことに気付いた。
ちゅっ。
少し唾液が零れて半開きになっている唇が俺を引き寄せたとばかりに、優しくキスをする。
「――!」
瞬間、セイバーの背筋に一際大きな電流が走ったような気がしたが、俺はそれだけじゃ飽きたらずもう一度唇を重ねると、さっきのあの艶姿に誘われるままに舌を滑り込ませた。
「ん、んんんっ……」
唾液がたっぷりと含まれてそこはとても暖かく、セイバーの舌を見つけると優しく吸う。更にぬらぬらと口内を這わせていくと……
「――!?」
ずっとされるがままだったセイバーが、突然積極的に舌を絡ませてきた。
「んっ……!」
と同時に、きゅうっと膣が今までになく急激に締まり、変調を訴えていた。
「んんん……っ」
セイバーは俺が驚く間にも舌を積極的に絡めていく。首を後ろ向きにする辛い体勢を全く感じさせぬ程に、何度も何度も俺を吸っては唾液を呑み込んでいた。
急に何かがあったが如くセイバーが俺の首を後ろから抱くと、引き寄せられた俺は前屈みになりながらセイバーを貫く。
「……ふああああっ!」
それが特に感じる所を突いてしまったのか、快感に繋がった口内から叫びを上げセイバーが離れると、自由になった全身をブルブルと震わせていた。
「シロウ、シロウ――好き。大好き――」
「え……?」
俺を見つめながら、そう訴える。
「キスされたら、おかしくなっちゃうと思ってたのに――シロウもそうだと思っていた――」
さっきの感覚を思い出したか、僅かに俯いたと思ったら、
「――のに、キスなんてされたらもう……ダメです……」
じっと俺を見上げて、今までにない感情の籠もった、半ば悲痛な顔で叫んでいた。
「止められない――好きなんです。愛してます、シロウ……!」
「んんっ――!?」
明らかに本気な愛の告白を叩き付けられた俺は、驚く暇もなく更にセイバーに唇を奪われていた。
「んんっ――シロウ、シロウ――!!」
ぷはあっ、と息苦しくなるまで唇をねぶられた俺が顔を離すと、セイバーは動き出した。
「やっ……シロウ、気持ちいい――」
キスは最後の魔法とは言うが、俺はどうやらそれをかけてしまったらしい。抑えていた想いが爆発したセイバーは、すっかり俺を翻弄せんとばかりに腰を踊らせる。
「凛、ごめんなさい――あっ!」
「セイバー……っ」
遠坂に謝ってるセイバーを見ると、やっぱり罪悪感を感じる……けど、
「シロウ、もっと――」
「……ああ」
これは元々遠坂の策略だ。こっちは被害者なんだ、それは感じちゃいけない。
それに、今は目の前のセイバーをもっと愛したい。
だから俺は遠坂のことは考えない。後が恐いけど、今は知らない。
そう決めると、休んでいた三カ所の責めを再開し、またセイバーを啼かせる。余計なこと考えずに、もっともっと気持ちよくなって貰うのが先だった。
「はあっ! シロウ――!!」
前屈みになっていた体勢を元に戻し、俺はセイバーの背中を自分に預けさせると、胸とクリトリスを責める。
「ほらセイバー、もっと気持ちよくなって」
「ああっ! あああっ!!」
ぴいん――と背筋を伸ばして、セイバーが跳ねる。
「シロウ――ダ、メ――!」
やっと本気で感じ始めてくれたと思う悦びに、俺は一旦引きかけていた快感が一気に駆け上がってくるのを感じた。
「くっ……」
だがそれに引きずられないように、セイバーの胸を愛し、クリトリスも愛でて快感をお裾分けしてやる。いずれの先端も痛い程に隆起し、セイバーもたまらない刺激を覚えている証拠。
「あ、ひぁっ……! む、ね、ダメぇ……!」
その快感から逃れることが出来ず、セイバーは俺の身体の中でビクビクッと揺れ、それが膣内への刺激に繋がるのは――覚悟していたとはいえ、かなりのきつさがあった。
「シロウ、ああああ! や……なにか、くる――!」
次第に感極まってきたセイバーが、未知の高みに登ろうとしている。だが、それが悪いことではないんだよと、俺はそっとセイバーの耳にキスをしながら伝えた。
「――気持ちよくなって」
「は、い……ですが――」
セイバーは僅かに困惑して……むしろ切なくこちらをじっと見つめる。その視線の伝えたいとする言葉は、すぐに分かっていた。
そう、つまり一緒がいいのだ。俺も、セイバーも。
「俺も……」
だからそう言うと、ぱあっとセイバーの顔が喜びに変わった。
「シロウ――一緒に。嬉しい……」
その健気な言葉に、何もかも投げ打って惚れたかった。
俺は胸もクリトリスもそして膣も目一杯に愛し、セイバーを押し上げていく。
貫いた膣が急激に収縮するのにも、一切の我慢をしなかった。
「はあっ……来て。き、て……」
弓なりに反る体。そしてピクピクと痙攣する指と脚。
その美しさに感動まで覚えながら、
「……っ」
「はあっ――シロウっっっっ!!」
トクン、トクン……ッ
セイバーの膣で射精した。
「ああ、ああああああ……っ」
熱く震える胎内に何度も、セイバーの魔力となる事を願いながら、自ら力をあげる喜びに腰を震わせて先端から精液を送り込む。
「ふ、ううっ……ん」
ピクッ、ピクッと反応して小刻みに震えるセイバーが、たまらなく愛しく思う。
「は、あ――熱い。シロウの精液……」
「セイバーも……」
「はい――」
きゅっと抱きしめると、締め付けた膣にまた精液を絞られてしまう。
「ああ――」
お互いの熱が混じり合ってひとつになる程融けながら、ゆっくり力が抜けていく気怠さを味わった。
「はあ、ああ……」
俺に背中を預けたまま、セイバーがお腹に手を当てている。
まだ繋がったままのそこには、俺のペニスと、二回に分けて放出した大量の精液とがある。
「ふふふ……」
嬉しそうに、すぐ後ろにいる俺に振り向いて笑う。
「いっぱい……力がみなぎります」
「ああ、よかった」
体内を流れる俺らの力に思いを馳せ、セイバーはじっと俺のことを見た。
「ん……は、あっ……」
体を起こして、俺のペニスを膣からゆっくりと抜いていく。
次第に腰が上がっていき、力を失っていたペニスが外れた瞬間――蓋をしていたとばかりにドロドロの精液がセイバーの膣からこぼれた。
「うわ――」
その淫靡な光景に目を奪われていると、振り返ったセイバーが俺の首に腕を絡め、
「ありがとうございます――シロウ」
チュッ――と、本当に軽いキスをしてくれた。
「あ……」
――改めてやられるとかなり恥ずかしい。
そして、そのキスでさっきのことをちょっと思い出す。
「セイバー。途中で遠坂の名前を出したのは……反則」
つまり、あいつの名前を出されると、それだけで忘れかけていた罪の意識が……ということなのだが。
「? ……つまり、今は忘れていたいと言うことですか?」
セイバーは遠からず近からず、という返事をしてきた。
「まあ……そういうことだ。遠坂には秘密だからな――」
折角のいいムードを自らぶちこわしてしまったが、これくらいの方がいかにも『魔力提供』にふさわしいかな……と思っていたら、
「――そう言うことでしたら、シロウ」
「?」
ふと、セイバーが微笑んだ。
――その瞳がイタズラっぽいと気付くのに、ちょっとだけ時間がかかったのがいけなかったのか。
「忘れさせてあげます――だから、もっと愛し合いませんか?」
――こう、なんというか……よく分からない内に主導権を奪われて絡め取られていた。
そんな可愛い中に妖艶な光を灯しながら言われて、どうすることだって出来ない。
丁寧な物言いだというのにほら、いつの間にか積極的キスをされて、今度はこっちが押し倒されて――あまりの言葉に思わずクラッときたってのもあったが――もうすっかり誰かさんのことなんか、セイバーの思惑通りに忘れさせられてしまっていた。
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