わが身世にふる…
この作品は西奏亭さま、もしくはMoongazerさまの「裏シエル祭」に掲載された、しにをさんによる「しづ心なく……」の続きです。まずはそちらをお読みになり、本作品をお楽しみいただけたら幸いです。
私は立ち上がると、クローゼットに向かいます。 「ええっと……」 がちゃりと音を立てて開くと、そこには色々なものがありすぎます。外出用のお気に入りの服や学校の制服の隣には、長袖のカソックに袖のない戦闘服、そして様々な儀式用の道具、そして第七聖典を始めとした武器。 「へえ……」 声があがり、遠野くんがそのクローゼットの中を興味深そうに見つめてるようです。 「遠野くん、女性のクローゼットなんてまじまじと覗いちゃいけませんよ」 私は振り返ってイタズラっぽく言うと、遠野くんが困ったような顔をします。 「ふふっ、まだとっておきの服とかあるんですから、楽しみにしてくださいね」 私はそう言って、クローゼットの棚を探し出した。 「見つけましたよ、遠野くん」 私はにっこりと笑うと、それを目の前にかざしました。 「へえ……本当にあったんだ」 嬉しそうに、遠野くんが呟きます。あ、なんだか目が妖しく光っている感じがします。遠野くんって、実は相当変態さんなのかも知れませんね。でも、私はそれさえも愛してますよ、遠野くん。 で、私も自分のかざしたそれを見ます。あ、何だか私も少しドキドキしますね。私も変態さんなんでしょうか、ならば遠野くんと同じですね。 私が手にしていたのは、手錠でした。 「そうですよ、しかも普通のとは訳が違いますよ。なにせ死徒相手に使うものですから、警察の持ってるようなヤワなものじゃありません。これ、純銀製ですよ」 私がリングに手を掛けくるりと回してみせると、ジャラリと言う音と共に私の手の中で鎖が踊ります。 「すげえ……」 遠野くんが驚きますが、昔から銀は上流階級の食器にも使われ、更には死徒相手には神聖な金属として重宝されましたからね、これくらいは私にとって当然ですよ。 「まぁ、売ればウン十万は軽いんじゃないですか?」 遠野くんにはその額面は常識の範疇を越えてるみたいですね、目が白黒してますよ。 「でも、お金が欲しいからって質屋さんとかに持って行っちゃダメですよ〜」 私がクスリと笑うと、遠野くんはぶんぶんと首を振ります。それこそこんなのを持っていったら、遠野くんの品性が疑われちゃいますからね。 「さてと……折角ですからこだわりましょうか」 私は来るべき感覚にゾクゾクしながらも、敢えて冷静に話しかけました。 「え? こだわるって……?」 遠野くんは呆けたように返してきます。 「もう、最初に提案したのは遠野くんじゃないですか。これだけで満足しちゃうなんて勿体ないですよ」 そう、どうせやるなら本格的に、イメージプレイといきましょう。 「何か、着て欲しい服とかありますか? あ、出来れば高い服はイヤですけど」 私はその時、自分でも艶やかな目で遠野くんを見ていたと思います。ああ、こんな事言っちゃうなんて私ったらシチュエーションに燃えてますね。 「う〜ん……」 遠野くんが首を捻って考えています。そのころころ変わる表情が好きですね。……あ、決まったようですね。 「……じゃぁ、学校の制服とか」 あら、遠野くんったらそういう性癖だったんですか? ちょっと意外な答えに驚いちゃいました。 「わかりました。では、ブラウスとスカートだけでいいですか?」 遠野くんは素直に頷いてくれて少しほっとします。カーディガンは高いですからどうかなっちゃうと出費になりますからね。 「それじゃ、準備しますね。折角だから遠野くんも服を着てください。その方が臨場感がありそうですし」 私はそう言ってクローゼットに向き直って引き出しを開けました。まずは服を着る前に、下着ですからね。そんなノーブラノーパンで制服着ていたら、それこそ露出狂じゃないですか。 「ええと……」 私はいくつかある候補の中から薄い黄色の清楚な上下を選びました。やっぱり学生はシンプルで可愛いのではないと。制服の下は黒の勝負下着でした、なんてあったら遠野くん的にはイヤでしょうし。そう言う点では遠野くんの心って読みやすいですね。 さっきの名残で少し濡れた股間が残念ですが、そのままショーツに脚を通して履いてしまいます。どうせすぐ役に立たなくなるんですからこのくらいは妥協です。そして今度はブラにも。うん、目にも落ち着いていい感じですね。 「ふふふ……」 つい笑ってしまうと、遠野くんはばつの悪そうにこちらを見ます。 「お、男はなかなか自制が効かないんですよ……」 遠野くんは赤くなりながら弁明しますが、それは分かってますよ。遠野くんの節操なしというか、元気すぎるのは私が身をもって一番知ってますからね。あらやだ、私っていつの間にそんな事を考えるようになったんでしょうか。 「はいはい、分かりました」 そう言って私はブラウスに手を掛けます。こんな夜中なのにこれに袖を通すってのがなんだか面白いですね。そしてスカートも。 「はい、こっちは終わりましたよ、遠野くん……」 私が振り向くと、丁度遠野くんもワイシャツのボタンを留めてるところでした。そう言えば今日は学校の帰りに来て貰ったんでしたね、バッチリじゃないですか。 「うん、こっちもオッケー」 最後に袖のボタンを留め終えた遠野くんがこちらを見ました。 「……なんか、おかしいですね。こんな時間にこんな格好なんて」 遠野くんが残念そうにするから 「まぁ、それはまたの機会にどうですか?」 そう言ってあげたら、うわぁ、遠野くん顔が真っ赤になりました。本当可愛いですね。 「あ、うん……」 こっくりと頷いてる姿を見たら、なんだかお姉さん押し倒したくなりますよ……っと、いけませんね。今は遠野くんのリクエストなんですから。 「では始めましょうか……あ、手錠はあまりきつくしないで下さいね、手にアザが出来ちゃいますから」 すごく緊張したように、遠野くんがごくりと息をのみます。 「あ、出来れば呼び方もいつもとは変えてくださいね。その方が臨場感がありますし」 私は手錠とその鍵を手渡しながらそう言って、遠野くんを見ました。 「軽く暗示をかけてあげますね。もちろん遠野くんの意志で簡単に破れるものですが、その方が燃えますから」 私の瞳を、遠野くんの瞳に写します。そうして、遠野くんの望んだとおりの暗示を優しく掛けました。本当は声に出さなくても効果あるんですけど、この方が互いに認識できるし、見るからに暗示っぽくっていいじゃないですか。まぁ気分と趣味の問題ですね。悪趣味ですか、遠野くん?
「あなたは私を縛り付けて、強姦プレイがしたくなります」
「……」 一瞬の沈黙。遠野くんが役に入っているようです。 「おっと、逃がさないよ、先輩」 ですが遠野くんはそう言って、私の左手を掴みました。 「ほら、こんな所に手錠がある。逃げないようにしないとね」 と、左手に乗っているそれをジャラリと動かして、存在を示しました。 「いや……」 私は弱々しく、その手を振りほどこうとします。が、ぐっと掴んだ腕の力はとても女性では抜ける事が出来ません。いや、本当は出来るんですが、それじゃ面白くないですからね。今はか弱く襲われる女の子を演じないといけません。遠野くんだけ役に入ってたら不公平ですから。 「ははっ、あがいても無駄だよ、先輩」 そう言うと遠野くんはリングのひとつを私の左手に当て、一気にがちゃりと留めました。あ、でもちゃんと余裕が残ってますね。イヤに冷静ですね遠野くん、場慣れてるみたいですよ。 そうして遠野くんは部屋を軽く見渡し、場所を選びます。 「……うん、ここが良いな」 遠野くんは自ら積極的に動き、手錠を繋がれた私の手ごと引っ張って窓に近付きました。 「え……?」 てっきりそのまま両手を縛り付けてベッドに押し倒すのかと思っていた私は、少し頓狂な声を上げました。 しかし、遠野くんは窓の前に立つと、それを開けようとはしませんでした。 「ほらよ、こうすれば立ったまま縛られる形で丁度良い」 と、私の手を挙げさせた後、カーテンレールに手錠を通して、それから無理矢理上げさせた反対の右手にはめました。 「あっ? いや……」 私はわざと抵抗するように動こうとしますが、身を捻ってもレールが間にある所為でそこから動けなくなってしまいました。 「はっ、まるで十字架に磔にされたみたいだな」 遠野くんのその言葉は、かなりきましたね。我が主と同じ格好でこう体の自由を奪われるというのが、背徳感に物凄い興奮を覚えちゃいました。 「いいね、その姿。まるで俺にシて欲しいって誘ってるみたいだよ」 顎に手を沿えニヤニヤと私を見続ける遠野くんの言葉に抗いたいのに、言われて私の体は少しだけ熱を帯びてしまっているようでした。 「もっと先輩の体が見たいな、先輩も見せたいでしょ?」 そう言うと遠野くんはまた私に近寄り、まずはスカートのホックを外し、チャックを下ろしてしまいました。 「あ……いやぁ……」 パサ、と乾いた音を立ててスカートが地面に落ちます。そうして私の下着が露わにされると、遠野くんはヒューと乾いた口笛を鳴らしました。 「いいね、先輩のパンティ。ドキドキしちゃうよ」 そうして遠野くんの手が、私の太股に添えられました。 「ひっ……」 その感触に思わず鳥肌が立つようなぞくっとします。 「先輩の肌、スベスベだね……どうにかなりそうだ」 ゆっくりと遠野くんの手は私の腿から膝にかけて上下します。なぞるようなその感触が段々嫌でなくなっていく自分がおぞましいです。その微かな刺激に耐えられず、私は脚を押しつけるようにしてしまいました。 「おっと、先輩自分から感じてる? 後輩に襲われてるのに変態だなぁ」 私を見上げるて罵るような言葉。私は視線を合わせられず横を向き、悟られまいとします。 「くーっ、いいねその顔、ゾクゾクしてくる」 たまらないと言った感じで遠野くんが喜んで、それからきゅっと強く腿を鷲掴みにされます。 「あっ……」 思わず声を上げてしまい、私は自分に絶望しました。 「ほぉ……」 遠野くんもそれに気付いてしまったようです。意地の悪い笑顔を浮かべた後、私を見ました。 「口では嫌でも、体は嘘付かないね」 そう言うと、今度は私の胸を服の上からぎゅっと掴みました。 「あっ」 さっきの今だというのに、抑えようとしても声が漏れてしまいました。 「先輩の胸、柔らかいよ」 そう言っては遠野くんの手が的確に私の快感を引き出すように胸を弄ります。下から包むように支えたと思ったら、今度は荒々しく全体をこね回し、すぐになぞるだけのような優しい手触りに変わり、私を翻弄します。 「あっ……ふん……」 何とか抑えようとする感覚を遠野くんに崩されているようで、抵抗できません。 「良い声で啼きな。ほら、乳首も立ってきた」 と、ブラを突くようにしてむず痒くなっていた先端に遠野くんの指先が触れ、そこを擦りあげました。 「んっ!」 思わずピクンと反応してしまい、それから急に弛緩してしまいました。手に力が入らず、ジャリと音がして手錠とカーテンレールが軋みます。 「ははっ、もうこの反応か。でもお楽しみはまだまだだぜ」 と、遠野くんはポケットからナイフを取り出しました。 「ひっ……!」 私は傷付けられるのかと思って思わず恐怖の声を上げました。が 「安心しな、そんな事はしないぜ」 と、私のブラウスの下に刃先を通し 「とりあえず、服が邪魔だからな」 と、一気にビイーッ! と引き裂いてしまいました。 「いやあっ!」 私が叫ぶも虚しく次々とナイフが走り、私の服がズタズタにされていきました。遠野くんはメガネを付けたままですから線を切ってるのではないので、本当に切り刻まれてます。ああ、1枚ダメにしちゃったなぁとか現実を思いながら、すぐに役に戻りました。 「やめてぇ……」 今や私の肌を覆うこと無いそれは切れ切れに床に落ち、袖を残して無くなってしまいました。そして私の上半身が、胸を包むそのブラが露わにされてしまいました。 「ハハハッ! 綺麗だよ先輩……」 破壊衝動に流されたように遠野くんがおかしい笑いを浮かべ、思わずぞくっとします。「先輩」と呼ばれるだけでも新鮮でドキドキするのに、これだけ人の違ったような遠野くんを見せつけられると、内なる私の抑えたい衝動が沸々と登ってきてしまいそうになります。 「ほら、次はここだよ……」 と、ブラのフロント部に刃先が触れ、そして下からすくい上げるようにして引っ張られます。最初は引き上げられたその部分も、やがて鋭さに負けて切れていきます。 「やめて……」 段々と絶望の色を感じる私の表情を見て、遠野くんの愉悦の顔が更に歪みました。そうして遂に、プツンと音を立ててフロント部が切れてしまい 「やだっ……!」 緊張を解かれカップから零れるようにして、ブラに隠されていた私の胸が遂に見られてしまいました。 「いい眺めだ……先輩、胸おっきいね」 遠野くんはぱちんとナイフをしまうと、まじまじと私の胸を見続けます。 「うわ、さらに乳首が隆起してきたよ。先輩見られて感じるなんて超変態だ」 自然と全体が張りを増し、乳暈も膨らむようにして乳首が立ってきていました。 「ああっ!」 瞬間、先程とは比べ物にならない敏感な感触に、胸を伝って身体中に電気が走りました。 「先輩の胸、手に吸い付いてくるぜ」 と、ぐっ、ぐっとこねるような動きを加えて、それが私をおかしくさせます。 「ほら、乳首もこんなにピンク色をして吸われたがってる」 こねる手の動きを止めぬまま、反対の胸に遠野くんの舌が触れました。ぬるりとした感触に一度恐怖を覚えようと努力した私はしかし 「くふっん……! だ、め……」 与えられる快感に全く抵抗出来ず、喘いでしまっていました。 「あっ、あっ……ああん」 私の声も様々な変容を見せ、感じていけない快感を漏らしてしまいました。 「ふふふ、次はこっちだ……」 と、胸は一通り弄ったとばかりに遠野くんの手がするりと私のおなかをなぞり、そして下半身に移りました。 「やめて……」 私は腰から手が下に行った瞬間、それを想像して拒絶の声を上げます。 「へっ、ここまで来てやめられないよ。先輩だってそうだろ」 遠野くんは聞く耳を持ちません。それどころか私に嘲りの言葉をかけ、余計に私の体を弄ぼうとしました。 「ひっ! やめて!」 私はそのまま膣にナイフを突き入れられ、内部から切り裂かれるのではないかと恐怖し叫びます。腰を引くにもこんな体勢ではどうすることも出来ず、背伸びをするようにガクガクと腰を揺らして逃れようとしました。が 「うるさい! 先輩がじっとしてれば傷なんて付かないんだよ」 と言われて、私は恐怖におののき、そして従うしかないと悟らされ、ゆっくりと体の動きを止めます。 「ひいっ……」 恐怖に体がびくんっと硬直すると共に、それにあてられた私の全身がおかしくなっていきました。それは恐怖と共に……鋭い感覚による快感……絶対にあり得ない筈の反応が私の中から沸き出され、股間に痺れが走りました。 「なんだよ、ナイフで触られて感じているのか?」 と、ショーツの上から私の淫核を引っ掻くようにして突かれました。 「ああっ! ち、違いますっ……!」 声では必死で否定している。なのに体が言うことを聞きません。最たるものとして 「おやぁ?」 遠野くんがそれに気付いたらしく、かがみ込むようにして私の股間をまじまじと見つめました。 「先輩、濡らしてるよ? お漏らしかな?」 消え入りたい程の羞恥が私を襲い、さらに奥がじゅんと響くようにして布地を濡らします。 「ほら、段々シミが大きくなっていく……」 と、今度は遠野くんの指がそこに触れます。シミの周縁をなぞるようにして私のショーツを擦り、それが私の隠された割れ目を擦る動きになってしまいます。 「あれ〜? 感じちゃってるのかな?」 遠野くんの指と、声が私の心を奪っていきます。 「じゃぁ、どれだけ感じてるか、直接見ないとね」 と、遠野くんは指をすっと引き、代わりにショーツの腰の部分にナイフを当てます。一瞬動きが止まって、それに最後の許しを請おう私はすがった。 「やめて下さい……遠野くん」 しかし、その言葉を待っていたように遠野くんはにやりと微笑みました。 「それだよ、それ。男に許しを請うような女の表情。たまらないぜ」 そう言うと、私の願いも霧散させるようにピッと刃先が食い込み 「いやぁ!」 瞬間、私は全てを見られてしまった絶望と羞恥に叫びを上げ、腰を強く引いてしまいました。目の前では遠野くんが私のそこを熱のこもった、しかし冷たく鋭い目で見つめています。 「先輩のここ、綺麗だぜ。まるで子供みたい……」 と、満足したかのようにふっと息を吹きかけられました。 「きゃうんっ!」 瞬間、ビクリと身体がその刺激に反応してしまいました。 「お、また中から透明な液体が出てきたぜ。スケベだなぁ」 私はどうしようもないまま、膣を濡らしてしまっていました。溢れた愛液が落ち、内股を濡らしていきました。 「ほら、そんな先輩にはお仕置きだ」 と、遠野くんが立ち上がったと思ったら、いきなりズボンのチャックを下ろしだし、そうしてグロテスクな男性器が中から現れるのを見てしまいました。それはビクビクと震え、信じられぬ程大きく脈打ってて 「いやああっ!」 私は逃げようと両の腕を揺すりますが、手錠は外れず腕に絡まったままで、カーテンレールを軋ますギシギシという音だけが虚しく私の希望を失わせていきます。 「ほら、もう準備は出来てるんだろ」 そう言って遠野くんは私の腰を目一杯掴み、自分に引きつけました。脚が浮くような格好になって、私は何とかつま先だけで身体を支える不安定な格好にされました。 「や、やめて!」 今から訪れるそれに、私は必死に許しを請いますが、遠野くんは自分のペニスに唾液をまぶし、私の下から入り口に狙いを定め 「……そらっ!」 ズンッと、私は一気に貫かれてしまいました。 「ああああああっ! いやぁぁぁぁぁぁぁっ!」 前戯も許されぬまま、その大きなペニスに全身を貫かれたようで、私は襲いかかった無茶苦茶な感情に大きな声を上げてしまいました。 「気持ちいいぜ……先輩の膣」 遠野くんは間髪入れず、最初から激しく動きました。一定のテンポで正確に凶暴に、ガツン、ガツンと下からハンマーで叩き上げられるようにして私が穿たれます。 「やぁっ! やぁぁぁっ!」 私は涙を流しならその衝撃に身体をガクガクと揺さぶられます。 「お、先輩の膣締め付けてくるぜ、感じてるんだろ?」 私の奥は心が制御し切れぬ悦びに対して愛液で答え、遠野くんのペニスにまとわりつき始めました。 「ほら、こんなにグチュグチュ言って、俺のをくわえ込んで嬉しそうだぜ!」 と更にピッチが上がり、私は浮き上がる程の強さで貫かれました。 「きゃぁ! あっ! ああっ!」 内部をえぐられるように、そして口の先からペニスが飛び出してしまう程に私は突き上げられ、腰に力が入らなくなっていきました。脚で支えられず身体を遠野くんに支えるようにしてしまい、それが遠野くんは別の合図だと思ってしまったようでした。 「そうか、好きなようにさせてくれるのか。じゃ遠慮無く……そら!」 遠野くんが一度腰を大きく引き、まるで跳ね上がるかのように付き出しました。それに私の子宮口が直撃され、痛いはずなのに信じられない快感が全身を襲い、上げてはいけない喘ぎを大きく漏らしてしまいました。 「ほら、ほら……」 そのまま内部でグネグネと掻き回すような運動に変わり、今度はその刺激に身体が自然に反応していました。 「お、先輩腰使ってきてるね? 後輩に犯されて感じてるんだ、この変態さんは」 だんだん訳が分からなくなって答える力もなくなりかけていました。 「くっ……先輩、イクよ」 と、にやりと笑った遠野くんがスピードを速め、私を襲いました。 「あっ! 中は嫌ぁあっ!」 私はそれだけは……と思い、何とか理性を振り絞り叫びました。 「はぁ、はぁ……先輩イクよ、イクよ! あああああああ!」 しかし遠野くんはそんな声を無視するかのように一層強く私の中で暴れ回ります。 「やめて! 中はやめて!」 私は涙を流しながら叫びました。が、遂に今までで一番強く突き上げられたと同時に遠野くんのペニスが一気に膨らみ ビュクン、ビュクン、ビュク…… と、迸るような大量の精液が私の中に吐き出されてしまいました。 「ああああ……」 私はその酷い現実に涙し、その射精を次々受け入れてしまいます。きっとおぞましい量の白濁が私の中ではき出されてしまっているのでしょう。妊娠の恐怖に絶望しながら、嗚咽を上げるしかありませんでした。 「はぁぁぁぁぁぁ……ははっ、先輩の膣が気持ちよすぎるから、中で出しちゃったよ」 と、全てを出し終えた遠野くんが満足そうに私の腰を離し、ペニスを抜き去りました。 「ああ、ああ……赤ちゃんが……」 がくりと、私は力を失って倒れ込もうとします。しかし手錠の所為で吊り下げられるような形のまま、がっくりと頭を下に向けうなだれる格好にしかなりませんでした。ぎしりと手錠が肌に食い込み悲鳴を上げますが、それをどうする力も、遠野くんの射精で完全に失われてしまいました。 「あ、ああ、ああああああ……」 余計私の心を壊していきました。 「ほら先輩、まだだよ」 と、私の身体をぐるりと回転させました。 「あっ……くうっ!」 腕が捻られるようにして、私は遠野くんに背を向ける格好になりました。そして 「今度はこっちを……」 と、私の菊門に膣から漏れる精液と愛液の混合物をなすりつけ、ギンギンと未だに脈打っているそれをあてがいました。 「ひいっ! やめて……」 私はそんな所に入れられる恐怖に我を取り戻しましたが、それがかえって仇となってしまいました。遠野くんは狙いを定めると、ずぶずぶと私の狭いそのアナルの中にペニスを突き刺していきました。 「ひぐうっ! い、痛い……!」 全く慣らされないままに差し込まれ、そしていきなり強く動き出されました。下手に意識を戻していただけに、私はその痛みに身体を引き裂かれそうになります。せめて絶望に包まれていた方が、それも受け入れられただろうに、逆に絞り出そうとする自分が痛みを伝え、そして遠野くんには快感を与えてしまっていました。 「先輩のお尻、ぎゅうぎゅう締め付けてくるよ。それに何処まで入れても奥があって、吸い込まれそうだ」 遠野くんは私の直腸を満たすように深く深く刺し、そうして中で動きます。根本まで埋め込まれた私の菊門は限界を超えるように広がり、その入り口が切れてしまうかと思える程でした。 「ほら先輩、さっきみたいに腰使ってよ」 と、遠野くんは私の腰を掴んで前後させてきます。しかし今度は痛みで全く身体が硬直してそれどころではなく、更に無理な体勢で尻を突き上げる格好になり、ガクガクと膝が震えてしまって足が吊ってしまいそうでした。 「しょうがないなぁ……ほら、俺が動いてあげるから」 と、子供を諭すような言い方で遠野くんが私の中をぐりぐりとこね回しました。 「ああっ……痛い……っ」 私は痛みに悲痛な声を上げます。しかし、次第に腰から痺れるような感覚を得てしまっていることに気付き、いやいやと首を振りました。 「ふふっ、先輩の中段々リズミカルになってきたよ。もしかして気持ちいい?」 と、それを見透かしたよな遠野くんがいやらしく声をかけます。 「いやぁ……あ……あああっ……」 その言葉が私の堰を崩すように、声が漏れてしまいました。 「いいね、気持ちよすぎるからもう少しだよ」 と、遠野くんがリズミカルな動きで私のお尻を犯し続けます。 「くっ、イクよ。今度もアナルの中にたっぷり注いであげるね」 と、狭さからか大きく動かないまま、遠野くんが止まりました。そうして、びくりと先程に変わらない量の精液が、私の腸を逆流するかのように注がれていきました。 「ああああ……」 私はもう、そこまでしか覚えておらず、ショックで身体中の力が抜け、ふっと意識が遠くなるのを感じました。どうやらイッてしまったようです。 「先輩アナルで出されてイッちゃったの……? 先輩!?」 最後にいつものように戻った遠野くんの声を聞いて、少しだけ安心して意識を手放しました。
「大丈夫、先輩。先輩!?」 遠くの方から声がします。遠野くんですね。 「はい、大丈夫ですよ」 と、ゆっくり瞼を上げると遠野くんが心配そうに私の身体を支え、見つめてくれていました。ああ、その悲しそうな顔も何て愛おしいんでしょうか。 「よかった……先輩、ごめんなさい。度が過ぎたかも……」 と、私をきゅっと抱きしめてくれるのがたまりません。私は首を振りました。 「いいえ、これは私への罰でもありますから、全然気にしなくて……それに、遠野くんも私も興奮しましたし、気持ちよかったでしょう?」 そうです、私だって遠野くんのお尻を嫌なのに弄っちゃったのですから、これくらい報いて貰っても文句のひとつも言う権利はありませんね。 「うん……でも」 遠野くんはそれでも悪そうにしていたので 「では、キスしてくれたら許してあげますよ」 と提案してあげた。 「それなら、おやすいご用です」 と、遠野くんは私の頬に優しく手を沿えると、物凄く優しいフレンチキスをしてくれました。 「くうん……」 それだけで私は落涙しそうな程嬉しくなっちゃいます。遠野くんとキスって、いつしても気持ちよくて、こみ上げてくるものが一杯なんですよね。 「はい、許しました。それでは……手錠、外してくれますか?」 と、私も身体を持ち上げ、遠野くんも立ち上がってポケットから手錠の鍵を出してかちゃりと外してくれました。 「うーん、ちょっとだけ赤くなってますね。まぁ自業自得ですから」 と、手をさすりながら苦笑いをしました。 「どうですか遠野くん、ご感想は?」 私がインタビュアーのように訪ねると、顔を赤くしながら遠野くんは俯きました。 「その……本当にレイプしているみたいで酷く興奮して……ちょっと抑えが効かなかったかな……って」 罪の告白にも似て、所在なさげな遠野くんが可愛いです。 「そうですか……じゃぁ、襲ってる、って感覚は気持ちよかったですか?」 私は頷くと、ちょっと気になることを訪ねてみました。 「うん……いつも以上に気持ちよかったかも……あ、でも今夜限りでもうこんな事は頼まないから……」 遠野くんに「もう頼まない」言われてしまうと何だか寂しいとか思ってしまうのって、私の方が遠野くんより変な証拠なんでしょうか? 「そうですか……じゃぁ」 と、私は遠野くんにのしかかると、そのまま背後のベッドに押し倒しました。 「え?」 と驚く遠野くんの手にかちゃりと手錠をはめると、今度はベッドの背もたれに反対の輪っかを通し、それから左手も手錠をかけてしまいました。 「あ、あれ……先輩? 怒ってないんじゃ……」 と、遠野くんが震えるようにして私を見ます。 「大丈夫ですよ、遠野くん。私、少しも怒っていませんから」 それは本心です。怒ったりしないって約束したんですから。ですけどちょっと……ね。 「ほら、逆レイプって興味ありません? 嫌がる男を無理矢理襲うのってどんな感じなのか、気になるんですよ」 そう言う私に、遠野くんは一瞬青ざめましたが、すぐに不適な笑いを浮かべました。 「成る程。ふたりともおかしいって訳だね」 そうして、私は遠野くんの瞳を見つめます。 私は右手を翳して呪文を詠唱すると、一瞬窓を眺めて月の位置を確認した後、手の中に現れたそれを床の一点に投げつけました。 「あれ……先輩?」 その一連の動きを見ていた遠野くんは、ちょっと驚いたように私を見ました。 「ダメですよ、遠野くんが自由意志で動いちゃったら逆レイプになりませんからね。生憎手錠はもう一組もありません。と言うことで、動きを制限するために影縫いをさせて貰いました」 床には銀の短刀。まぁ頑張れば首くらいは動かせるように調整したつもりですけど。 「それでは……始めさせて貰います。折角ですから暗示もかけさせていただきますね」 と、冷や汗を流して苦笑している遠野くんの目を見つめ、さっきよりちょっとだけ強い力で暗示をかけました。
「あなたは私に縛り付けられて、逆強姦プレイがしたくなります」
夜は長いです。今日はとことんまで墜ちましょう。
なんか続きを書いていたのに、また続きそうな終わり方ですが。 そういえば、よくマンネリ気味のカップルが刺激を求めるために強姦プレイをするなんて話を聞きますが云々。 タイトルは小野小町の短歌。百人一首の第九番より (02.8.3) |