Fate/stay night&Melty Blood 発表記念
さて今回、8月3日発売のカラフルピュアガールにて、TYPE-MOON特集として新作記事が載ったわけですが、そこで明らかになったMelty Bloodの新キャラ、Sion Eltram Atlasia(シオン・エルトラム・アトラシア、以下シオン)について、その謎の一部を明らかに出来たら、と思います。
まずは人となり。シオンは格闘もこなす錬金術師で今回は「吸血鬼(真祖)の研究」と題して来日。アルクェイドと関係を持つ志貴に接触し、協力を要請するという人物です。 「電脳ハッカーならぬ霊子ハッカーであり、エーテライトと呼ばれるモノフィラメントによって対象の脳とリンク、情報の引き出しを可能としている。」 とあります。 まずは物質名と思われる「エーテライト」。調べるからに現在そのような物質はありませんでした。では何かの言葉の組み合わせかと考えると、まず浮かぶのは化学物質である「エーテル(ether)」でした。「etherite」と書けばエーテライトでしょうか? さらにここで次の言葉「モノフィラメント」を絡ませると、この発想が上手くいきそうな気がします。モノフィラメントとはモノ=単一の、フィラメント=連続した長い繊維状のもの、とあるからです。 しかし、化学反応を使えば繊維にすることは可能です。ポリエーテル(ポリ=沢山の、高分子化合物の接頭語)というのは、現実に存在します。これは非常に有用な物質で、代表とも言えるポリエーテルケトン(PEK)は溶融成形が可能で、かつ難燃性、耐熱水性、耐放射線性、耐薬品性、耐疲労性も非常に良好、とあります。これを使えば、強度が多少心配ですが鞭のようなワイヤーを作ることなど簡単でしょう。 ここで、現実のエーテルによるモノフィラメントの可能性は絶たれてしまいました。 ではどうしたらいいのかと考えますと、実はもう一つ「エーテル」と呼ばれていたものがあります。それは光を伝搬する物質と考えられていた「エーテル」です。 しかし、詳細は割愛しますが19世紀末に「マイケルソン・モーレーの実験」によってエーテルを測定しようとしたところ、逆にエーテルの存在が否定されてしまいました。これは、実は後に「光速度不変原理」、更には「相対性理論」の足がかりとなった、非常に現代科学にとって有意義な実験だったといえます。 さて、現実では存在を否定されてしまったエーテルですが、未だに何故か生きています。それは主にオカルトの世界です。例えば人魂、幽霊、エクトプラズム……我々の常識を越えた何か、と言うモノはなかなか説明のいかないものです。 ここでもう一度キーワードを眺めると「霊子ハッカー」というのがあるではないですか。ということで考えました。このエーテライトというのは、いわゆるオカルト的なエーテルを何かしら使った物質であると。そしてモノフィラメントも、このことで解決します。エーテルという単分子結晶を固く細く引き延ばしてワイヤー状にすれば、画面写真で彼女が銜えているようなものになり得るでしょう。 さて最後のキーワードですが「脳とリンク」になります。これもエーテルという非常に都合のいい物質のおかげで難なく解決してしまいます。 ここでは、有能な霊子ハッカーでもあるシオンの思念によって、エーテライトは自由にその姿を変えられるとしましょう。すると、先程まではモノフィラメントとして鞭の様に固く、しなやかに振る舞っていたエーテライトが、突然人体をすり抜ける物質となり得るのです。
如何だったでしょうか? 今回は雑誌から得られた非常に少ない情報、そして浅い僕の知識を総動員して理論を展開してみました。いつものようにSSではないのは、シオンの性格というモノがつかめないので、キャラクターとしてお話を書けないと言うのもありますが、なにより論文調の方が書きやすかったからなのです。 実際Melty Blood が出てみないとこの理論が正しいのか、それとも全然的外れなのか分かりません。しかしとりあえず、僕はこの考えで色々妄想を膨らませていきたいと思います。 (02.08.04) |