a relative in the third degree

 

 

 

 

 リビングで帰りを待つ。
 トンデモない人ても、仕事だけはきちんとやっているのだからギャップを感じる。
 普段なら既に帰宅している時間の筈だが、今日はどうも残業でもあったらしい。
 ちなみにメシは、チビや結未に任せると怖いので俺が作った。

 カチャ……。
 玄関を開ける音。
 待ちに待った人が帰ってきた。
 俺はよっ、と立ち上がると廊下に出る。
「おかえり、妙さん」
「ん、ただいま、和」
 俺が帰宅の挨拶を述べると、その人は靴を脱いでいるところだった。
 妙さんである。
 親が出張中である俺の保護者かつ母親の妹の妙さん、いわゆる叔母だ。
 ちなみに独身で、年齢はまあ適齢期に足を踏み入れてるくらい。
 で、そんな些細な事はどうでもいい。
 そんなことより目の前の妙さんであった。
 靴を脱ぐときの様が、妙さんだけに『妙に』艶めかしく思った。
 色気無くポンポンと脱ぎ捨ててもおかしくないのに、少しだけ身体を傾けながら手を当てている姿が……いやに挑発的だ。
 いや、普段からこの人は健康な成年を挑発しっぱなしな性格であったのだが……その『あった』というところがミソである。

「妙さん」
 俺は靴を脱いだ妙さんの手を取る。
「今日もやろう、今から」
 妙さんに鍛えられた臆面もない言い方で、俺が尋ねる。
「今、から……」
 妙さんは、少し驚いた様子。
 この人がこんな顔をするのか、と知ったのはつい最近であった。
「うん、今すぐ。このまま」
「え、えっ?」
 答えなんか実は始めから求めてなかった。
 何せ、いつ返ってくるのかとこっちは随分とリビングにいつづけたのである。
 だから俺は妙さんの手を引き、妙さんの部屋にまっすぐ向かっていた。

「や……和、シャワー、浴び……んんんっ……」
 妙さんの発言を、俺は唇を塞ぐことで拒否する。
「ふぁ……」
 ぴちゃぴちゃと唇を舐め舌を差し入れると、なま暖かい妙さんの体温が強く感じられた。
 俺はベッドに妙さんを寝かせ、その上に覆い被さるようにして唇を奪っているのだ。
 何故妙さんの部屋なのかというと、俺の部屋ではチビや起留たちがいるというがあり、リビングだと氷庫さんにしっかりピーピングされるからである。
「あ、あっ……」
 それに。
 こんな妙さんを他の誰かに見せるのなんてイヤだという、ちょっとした独占欲もあった。
「や……ん……」
 ねっとりと舌を絡めると、妙さんは色っぽい吐息を震わせながら俺のされるがままにねぶられる。
 積極的に絡めてくれても良いはずなのに、自分からは出来ないとばかりにただ受け身に俺の進入を許しているのだ。

 脳みそが全部ピンク色なんじゃないか、そう思える妙さんであるのに、この変貌はいかばかりか。
 それを知っているのは俺一人だけがいい、つまりはそういうことなのだ。

「だ、め……仕事着なのに」
 スーツ姿のまま、妙さんはパジャマを着た俺の下で身をくねらせている。
 瞳は潤み、紅潮した頬。言葉に説得力は皆無だ。
 そのスーツ姿だからこそ、いいんじゃないですか。
 そう言いたくなるのを止めて、俺は改めて妙さんの服装に意識を移していた。
 流石に社会人としての自覚はあるらしく、普段とは違ってきっちりとした格好をしている。
 それがたまらないのだ。
 きちっと決まった格好が、こうやってベッドの上で乱れていくことがいかに興奮するか、それは妙さんが教えてくれたのではなかっただろうか。
 妙さんの格好……さっき玄関で見かけたとき、俺は明らかに欲情していたのだ。
「ん? じゃあ、脱がしてあげる」
 そう思いつつも、妙さんの発言を受けて俺はスーツの上着に手をかける。
 だが、きちんと脱がしてあげるつもりはさらさら無い。
「だけど、脱ぎかけっていうフェチな状態まで、ね」
「え……」
 そう言って、俺は上着のボタンを外すと前を開き、更にブラウスに手をかける。
「ちょ、ちょっと待って和……」
「聞こえないね」
 第一ボタンは最初からつけてないので、二番目から。
「あっ……」
 遮ろうとする妙さんの手を巧妙に交わして、プチ、とまずは一つ外す。
 それだけで、その内側からむわっとした妙さんの熱気が溢れてくるようだった。
「ほら、前だけ晒すってのがいかにもって感じでいいでしょ」
「だ、め……」
 微かな興奮を感じつつ、俺は自分の身体で妙さんの手をガードするようにしながら次々にボタンを外してゆく。
 そしてもう一つ外したとき、胸の合わせ目から白いレースがちらりと見えた。
 結構胸は大きい……というか、俺の知る限りの身近な女性の中で一番サイズのある胸の谷間が顔を覗かせる。
「妙さん、いいなあ……」
 オヤジっぽい発言を交えつつ俺は残りのボタンを要領よく外すと、まずは真っ先にそんな胸の谷間へ顔を埋め、匂いを嗅いだ。
「あっ、やっ……」
 か細いと思えるような微かな喘ぎ声と共に、女性特有の優しい匂いに混じって、少しだけ汗を思わせる匂いが鼻腔をくすぐる。
 入浴を済ませたいい匂いも素晴らしいが、この生々しさは捨てがたい、というよりかえってそこに性的興奮を覚える輩も決して少なくはないはずだ。
「ふあ……」
 カップに包まれてみっちりと膨らんだ乳房の斜面に舌を這わせる。
 微かに酸味のある、しかし妙さんの味。
 舌に返ってくる弾力も張りがあって、むしろ同級生など目じゃないだろうと個人的に考えていた。
 妙さんは、年上の女性なのだ。
 しかも、こんなに熟れた身体をしている。
 表現は何だかジジくさいが、妙さんに関して言えば本当に『熟れた』身体なのだ。
 それも食べ頃のメロンとか桃みたいに、触れれば汁を滴らせるような完璧な身体。
 それをこのスーツの下に隠し仕事をしているなんて、考えるだけでもおかしくなる。そして、そんな熟れた身体を存分に味わえるのが俺だけだというのも、その要因の一つでもあるのだが。
「あっ……!」
 そんな風に考えながらも、俺はしっかりと手を妙さんの背中に回してブラのホックを外す。そして締め付けを失ったブラをたくし上げると、ぷるん、という効果音を思わせる動きで妙さんの胸が目の前で弾けた。
「や、あ……っ」
 そんな痴態を隠そうとする妙さんの両手を俺は片手で押さえつつ、じっくりとそこへ目をやる。
 これだけ胸が大きく、しかも横になっているというのに崩れない乳房。房という表現がぴったりの、大きな膨らみが二つがある。丸く茶碗を返したような、という文学的な表現が正しいそれは、荒くなり始めた妙さんの呼吸に呼応して微かに上下し、俺を誘っていた。
 キーン、と頭の奥の方がしびれる感覚に、俺は素直に欲求に従い口を寄せていく。
「だ、め……和」
 ちう、と音を立てて妙さんの胸に吸い付くと、頂点の乳首に舌を這わせてなめずる。
「あ、あっ……!」
 妙さんは否定の言葉を紡ぎたかったのか、しかし俺が先端をこりっと噛むとそれは霧散され、かわりにその唇からは喘ぎ声があがる。
「ん、柔らかくて大きくて、それにいい味がする……」
「い、言わないで……」
 胸を吸われた妙さんがそうやって悶えるから、更にその上半身は乱れていく。もはやきちりと整えられたスーツなど存在せず、ここにあるのはただ興奮を誘うコスチュームのみ。その前を開け、まろび出た乳房を思う存分こね、吸う自分というのは物凄く幸せ者である。
 と、ふと反対の乳房に吸い付こうとして顔を離した時に妙さんの身体を眺めると妙さんのスカート……と、そこから伸びたすらっと細長い二本の黒い脚。
 スーツ特有のタイトで少し短めなスカートに黒ストッキング。
 様になりすぎている格好に、俺はまた興奮を覚えていた。
「それじゃ、こっちも……」
 実は妙さんは周りの男どもを挑発するためにこんな格好をしてるんじゃないか。そんな風に考えつつ、俺はまだ微かにスーツであった名残のあるそこへ手をやる。
「は……やあっ」
 スカートを越え、ストッキングに包まれた腿を撫でた瞬間、妙さんがピクッと少し大げさに震えた。だがそんなのにお構いなしというか、定番の反応にむしろ喜びを覚えつつ、するするとスカートの奥へ手を伸ばしていく。
「はあぁ……」
 妙さんの吐息。ひどく男をダメにしそうな声だ。
 そんなダメになった男の俺は、すうっと妙さんの中心をストッキングとショーツの上からなぞった。
 指先から伝わる感触は、布と化繊越しからでも濡れていた。
「あっ……!」
 触れられて、妙さんは軽く電気が走ったみたいに震えると、更に顔を紅潮させた。
 濡らしていたのを知られた事への羞恥。
 女性というものは、こういう恥ずかしさにとことん弱い。
 それが妙さんであっても同様だと知ったときはちょっと驚きもしたけど、今はそれを楽しむ精神的余裕がある。
「濡れてるね、妙さん」
「い、や……」
 俺がすりすりと指をあてがって擦ると、顔を横に逸らした妙さんの唇から細かい喘ぎが漏れだした。
 その儚げな様子がいけない、そう思いつつも俺は冷静にそこを弄り倒し、それからすすっと指を更にスカートの奥深くに進めていく。
「よっ……」
 お臍の下あたりにある化繊と肌の境目を探ると、そこで折り返し。
 ただし、今度は化繊の下に。
 折り返してすぐの布の感触も乗り越えて、手は更に下へ。
「あ、ああ……」
 妙さんは、腰をくねらせてそれを拒もうとか思っていない。というか出来ないのかもしれない。
 身体が疼いて、その感触を求めているから……そんな風に思いつつ、指先に妙さんの押しつけられた茂みの感触。そして……
「……あああっ」
 じとりとさっきよりも数倍濡れた感触。
 なぞらせた指が行き着いた先は、まるで弾けた水桃みたいにぬめって俺を受け入れていた。
 妙さんの秘部。
 指を早速表面で往復させると、ぬるぬると奥から溢れていた蜜が俺を濡らす。
「は、あ……あっ」
 押さえた手の中で、妙さんの両手にきゅっと力が籠もった。
 感じているのだ。
 唇から漏れ出る喘ぎは小さいも、それは妙さんの羞恥のためであると思うと余計にいやらしい。
「妙さん……」
 俺は優しく声をかけると、微かに開く花びらを優しく撫で、その感触を味わう。
「あ、あ、あ……」
 こういう時の声を知らない、とばかりに妙さんはただ漏れ出る声を小さく響かせている。
 じわ……と、花びらの合わせ目から新たに滲み出る愛液。
 それを感じた俺は、傷つけないように優しく、つぷ……と人差し指を入り口に沈ませた。
「ああっ!」
 挿入された瞬間、妙さんの声は僅かに大きくなる。
「や……和、の指……」
 くにくにと襞を確かめるように奥へ徐々に挿入していくと、指さえも締め付けるように妙さんの膣が迎え入れていた。
 狭いのかな、と思う節はあるが、女性はここから子供だって産むのだからそんな訳はないのだから、むしろ神秘と考えるべきだろう。
 俺はそんな神秘を感じつつ、妙さんの愛液の源泉を探る。
「あ、ふあ……」
 一本だけではもの足りず。
「あああ……っ」
 二本目もぷちゅりと沈ませれば、そこはまるで蜜壺みたいにドロドロになっていた。
 妙さんの中で、指をちょっと動かしてみる。
「はあ……ああっ!」
 艶を帯び、どんどんと大きくなっていく妙さんの喘ぎに混じって、クチュ、クチャ……とぬめりけのある卑猥な音。
 入れた指から掌まで、滴る程にさっきから溢れている愛液は熱を発している。妙さんの体内の熱をそこに集約したようで、ずっと指を入れていたら溶けてしまいそうにも思えた。
「は、あ……んっ!」
 少し襞を擦るだけで、その奥からとぷっと新たな蜜。
 妙さんはきっと、感じやすくて濡れやすい体質なのだろう。他の娘の事は全く知らないけど、勝手にそう決めつけて手を引き抜く。
「あ……」
 どんなエロ雑誌でも、愛撫を止めた途端女性は名残惜しそうにする、というのは反則だと思う。
 妙さんもそれに漏れず、さっきまでいやがっているようにも思えた唇から、そんな声を漏らしていた。
「脱がすから」
 俺はそんな妙さんの顔を最後に見つつようやく手を離し、すっと身体をずらして妙さんの下半身へ移動した。
 しかし、改めてストッキングを見ると、こう……
「破ってもいいなあ……」
 そんなフェティッシュな欲望も出てくるわけで、思わず声にするも、
「だ、だめ……」
 それを拒む妙さんが妙に艶めかしいから、背筋をぶるりと震わせながら今日は止めることとする。でもまた別の機会にはビリッ、と破って、ずらして入れるんだろうなあと考えながら。
 スカートの中に両手を差し込み、腰の所に手をあてがいながらショーツごと妙さんを剥いていく。
 ちょっとだけ妙さんを引き寄せ腰を浮かせる格好にしたまま、俺がスカートの中から手を引き抜いていくと、するすると黒いストッキングと、それに絡まるようにしてレースが施されたブラとお揃いの真白きショーツが小さくなってついてくる。
「……」
 妙さんは無言でそれを受け入れていて、俺が脚を上げさせるのも無駄な力は入れていなかった。
 しかし、妙さんも妙にリアルな下着をつけていると思う。もっと紫とかの扇情的なやつをつけてたって文句がないのだが、本当のところを知ってしまえば、妙さんはやはり普段口でああ言っていても、中身は平均的な女性なのだろう。

「……と」
 そんな事を考えているうちに、半分ほど脱がし終わる。
 そこで手を止めると……目の前にはちょっとやばい光景が広がっていた。
 自分の斜め後ろから遠景で見るように解説すると、スーツの前ははだけ唾液に濡れた乳房を晒し、スカートは太股の半分位まで見える位置にずり上がり、そして膝下程に下ろされたストッキングとショーツ。脱がすために脚は揃えられ、持ち上げられて上を向いた状況。
 この『脱ぎかけ』という中途半端さの集まりが、束になって俺に襲いかかっている。
 更にそんな中、妙さんの揃えられた脚の根本には、無防備に晒された秘処。
 既に茂みはじっとりと張り付き、その下にはとろとろと蜜をこぼした花びらが薄紅色に濡れている。
「和……」
 そして俺を不安そうに見上げる瞳までもが、自らのそれにに呼応したような潤んでいるのだから。
 ……これを見て興奮するなというのが、無茶というものだ。そこでずっと押さえていた理性が、手綱を緩められた。

「妙さん……」
 俺は片手と身体で妙さんの脚を支えたまま、残りの手で自らのズボンに手をかける。中腰に立ち、俺も反脱ぎになると、ずっと黙っていたがすっかりギンギンにそそり立ってしまっていたペニスを外気に晒した。
「え、和……?」
 その様子は自分の脚に遮られて妙さんからは見えない様子。何が起きているのかと一瞬不安に思ったのだろう……が、俺の起こす衣擦れの音に意味を察したのだろう、
「あ……だ、め……」
 弱々しく、請うような視線と言葉を投げかけてくる。
 何がダメなんだろう。
 たぶんさっきも気にしてたから、シャワーとかそう言うことに違いない。
 が、そんなのを待っていたら日が暮れる。とっくに暮れてはいるが違う意味で暮れるのだ。
 今だからこそこうやって興奮してるというのを妙さんは考える余裕もないようだ。
「だめなもんか、このまま入れるよ」
 そう言うと、俺はズボンが邪魔になりながら間抜けに膝立ちで妙さんに密着すると、ぐっと脚を引き寄せて抱え込みながら、中心にあてがったそれを妙さんの膣に挿入した。
「はああああ……っ!」
 ズブ、ズブ……とぬかるみに沈んでいくと、俺を受け入れ始めた妙さんが背中をグッと反らして快感に震えていた。
「入ってく、る……和のペニス、膣に……!」
 自分への言葉責めだろうか、なんだかんだで脳内ピンクな妙さんは卑猥な言葉を述べてしまう。
 きゅうきゅうと入れただけで締め付ける感覚に、まだ経験の浅い俺はぐっと堪えなければならない。
「は、あああああ……っ!」
 が、それは目の前にいる妙さんだって同じなのだ。

 妙さんは、実はついこの前まで処女だった。
 俺と暮らすようになってから顔を合わせるたびにエロトークで翻弄し、挑発じみたことも繰り返した妙さんが、実は男を知らない身体だったとは全知全能の神でさえ知るところではなかっただろう。
 度重なる挑発に、初めて冗談半分に妙さんを押し倒したのは一ヶ月前だった。
 その時の本当に驚いた顔。
 初めての俺でも初々しいと思った愛撫への反応。
 そして……貫いたときの痛そうな顔と破瓜の血。
 あの時は本当に驚いて、真剣に訳が分からなかった。

 そして……今、目の前にいる妙さん。
「ん……、おっきい……!」
 実は男といえば俺しか知らない。信じられないが、俺が初めての男性で、経験回数も一緒なのだ。
 年の差とか野暮な事はいっさい抜きだ。
 知識ばかりは人一倍どころか人十倍くらいな妙さんだったが、実はそれというのが男を知らないことの裏返しによる耳年増……というのを知って、俺は正直嘘だろと思った。
 そんな妙さんが一気に愛しい存在になり、立場も微妙に変化したのは言うまでもない。誰だって純な女性には強く惹かれるのに違いなく、今までさんざん挑発されてきた分は翻弄してやらなきゃと思うに違いない。
「和……!」
 妙さんが俺に向ける瞳。
 それは苦しみではなく、喜び。
 いや、悦びだ。
 男を受け入れて、女としての意味を知った妙さんの、本当の姿。
 そんな妙さんを見ると、『愛しい』なんて表現は生やさしいと思った。
 こうやって今身体を貫いているのだから、むしろこれは『愛欲』だ。
 言葉尻がちょっと変わっただけだが、意味は俺の中でだいぶ違う。
「妙、さん……っ」
 声を発するのもペニスから下半身をくまなく蹂躙する快感のせいできつかったが、そんな妙さんに答えるべく俺は言葉を紡ぎ、瞳を見つめ、そのまま妙さんの最奥にペニスを撃ち込む。
「はあああああっ!」
 瞬間、妙さんは全身を張りつめさせて快楽に震えた。
 ぎゅうぎゅうと締め付ける膣が、それだけで妙さんが軽く達したと分からせる。併せて射精しそうになったが、それを歯を食いしばり堪えると、収縮が落ち着くときには幾分余裕が出来ていた。これは経験を繰り返すうちに、俺が男として知った女性をじらす方法の一つかもしれない。
「っ……入ったよ、全部」
 俺は瞳を閉じて荒く息をつく妙さんに向かって優しく語りかける。
「あ、あ……和……」
 妙さんは薄目を開け、俺を見つめてくる。
 その可愛らしさと言ったらなんだ。
 今までは鬱陶しさも感じていた筈なのに、こうやって繋がれば繋がるほど、妙さんがどんどん可愛く思えてくる。
「動、かないで……和、まだ……」
 たどたどしく妙さんはそんなことを言うのに、身体は腰を微かに押しつけてくる。
「無理」
 そんな誘惑にうち勝つのか負けるのか分からないまま、俺は妙さんの綺麗な両脚を強く抱くと腰を突き出した。
「は、はあああっ!」
 ただでさえまだ狭いのに、脚を閉じることによって更に狭まった膣内がうねって俺に襲いかかってくる。襞はざわざわと蠢き、俺のペニスを絞りながら離さないように絡みついていた。
 妙さんの膣は、回数を重ねるごとにどんどんきつくなっているように思える。それはもしかするとそう考える余裕が出来てきた自分の感覚もあるかも知れないが、恐らくは男を受け入れるテクニックを知識だけでなく身体が覚え始めた妙さんの、本能的な成長の所以だろう。
 そう考えると、妙さんの知識も無駄じゃないなと思わず笑みがこぼれる。
「和……か、ず……い、く……!」
 何度も俺の名を呼び、シーツを強く握りしめる妙さん。じゅぷりとペニスを突き入れるとまた軽く達し、その振動で豊かな質量をたたえた胸が揺れる。
 それをこね回したいと思う思い。
 こんなに熟れた身体をして、でもついこの間まで処女だったなんてとんでもない展開だ。だからこそ、こうやって妙さんとセックスを繰り替えす生活に溺れてしまっている自分がいるのだが。
 まだまだ俺も挿入時に自分の欲求を制御するのは無理だ。素直に欲求に従うこととして前傾する。
 と、それで更に深く繋がった妙さんが、
「あああっ! 和……!」
 窮屈な体制だというのに大きな喘ぎ声を奏でて、膣を収縮させた。
「くっ……!」
 一瞬体勢を元に戻しそうになるが、しかし目の前にある膨らみを手に納めたいので、ぐっとこらえて更に妙さんを屈曲させる。
 そして手を伸ばし、すっかり張りつめて先端の隆起した乳房を右手で掴んだ瞬間、
「……はあああああっ!」
 いっぺんに襲いかかった快楽に、妙さんがまた落ちた。
 ぎゅうっと締め付ける膣は体勢も相まってさらにきつくなる。俺は手のひらに乳房の柔らかさを感じながら、妙さんの反応にあわせる余裕など無かった。
「あああああっ! 和、ダメぇっ!」
 じゅぶっ、ぶじゅっ! と自分のペースで律動を再開させると、妙さんが切れ切れの叫びをあげ、伸ばしていた俺の手をぐっと掴む。
「痛っ……!」
 そのまま爪を立てられると、その痛みで一瞬覚醒した理性をすぐに引っ込めて、腰の動きを更に激しくした。
「あああああああっ!」
 パンパンと激しくぶつかる肉の音に、ぞわぞわと快感が駆け上がっていく。共に脱ぎかけた格好のまま猿のように交わる、それほどまでにセックスにのめり込んでると自覚しながら思考が鈍っていく。
「和! 和!! ま、た、イ……っちゃ……っ!!」
 さっきからずっとイきっぱなしな妙さんが、まだ隠してたとばかりに俺のペニスを締め上げ、ガクンと崩れた。
「あ、あ、あ……!」
 腹の底から本能に近い喘ぎを発し、妙さんが激震する。どうしようもなく狭まった膣内で、襞がぞわぞわと一斉に俺のペニスを撫で上げて奥へ収縮した。
 そんな妙さんを更に激しく突き、もっともっと高い所に吹き飛ばしてやると歯を食いしばり、自らも限界を超えるところまで我慢させてから、
 ビュクン、ドクンッ!
 妙さんの胎内に思い切り射精していた。
「あ! ……ふぁああああああああああああっ!!」
 その瞬間、妙さんが今までに聞いたことない、まるで断末魔を思わせる叫びをあげながら硬直していた。俺の射精を受けて、自分でも制御できないところに押し上げられたらしかった。
 ドプッ、ドプッと更にペニスから飛び出していく精液が妙さんの子宮を叩くように、膣内でも特に最奥にしっかりと腰を押しつけながら射精を繰り返す。
 腰が砕ける、頭が真っ白になる快感に震えながら、何度も妙さんの膣内を満たしていく。
 ビュルッ……!
 そして最後に絞るような妙さんの収縮に精液を吐き終えると、俺は脚を抱えた格好のまま、ハァハァと荒すぎる呼吸を必死に整えていた。

 妙さんは失神してしまったらしく、深い息をしながら目を開かないでいる。そんな姿を見るととてつもない達成感を感じてしまい、萎えるはずのモノも萎えるどころか、更にぴくりと繋がったままの膣内で震わせてしまう。と、
「あ、あ……」
 その振動で快感を得たからなのか、妙さんが意識を取り戻した。
「妙さん」
 俺はゆっくりと繋がっていたモノを抜く。
 ちゅぷっ、と精液の詰まった膣内から引き抜く感覚はそれだけで心地よく、また引き返して締め付けの続く妙さんの中にいつづけたいが、とりあえず一度抜く。
「んっ……」
 妙さんの軽い喘ぎと共にペニスの先端が顔を覗かせると、そこからトロトロ……と溢れ出す精液。
「あ、あっ……」
 会陰部から伝わる感触に、妙さんがぼんやりと意識を向け、それから力無い瞳で見つめてくる。
「和、また中に出したのね……」
 怒るでも困るでもなく、ただぼんやりと呟きながら俺が姿勢を楽にしてあげるのを受け入れている。
「だ、めよ……和。中出しはだめっていつも言ってるのに……」
 中出し、という言葉がこの事後に生々しく聞こえる。しかし、
「大丈夫でしょ、妙さんだって前から『生でやっても簡単には出来ないから励みなさい』って言ってたし」
 こうなる前に幾度となく言われた発言の一つを返してやる。
 俺はそれを理由に常に妙さんには中出しを繰り返していた。まだ本当に拒否されたことはないし、この前だって危険日に中へ出したけど生理は来たと自分から言っていた。妙さんだって中に出される方が気持ちいいと思うのだが、そこまで流石に分からない。
「そうだけど……だめなのよ、和……」
 妙さんは分かってる、けど……という顔をして更に複雑な顔をする。
「あたしたち、年が離れてるのに……」
 それは今更、としか思えないとってつけた理由。
 何度聞かされたか知らないけれど、じゃあ今までずっと人のこと誘っていたのは何ですか、と聞けば瞬間で黙ってしまうだろう。
「今の世の中、俺達より年が離れてても子供のいる夫婦だっているじゃないですか」
 だから、俺はあっさりと違うことを言い、笑って流してやる。
 しかし、妙さんはその言葉を聞いても尚、拭うには足りない、いや絶対に拭えない禁忌を感じているようだった。
 改めて、首を振って悲しそうな瞳を向ける。
 言ってはいけない。しかし、言わなければいけない。
 そんな葛藤を見せる妙さんの小さな声は力無く、だからこそ儚く感じるものだった。
「……あたしたち、三親等なのに……」

 三親等。

 つまり俺と妙さんは『甥と叔母』の血縁関係にあるということだ。
 しかし、
「今更それがどうかしましたか、妙さん」
「和……」
 俺は神妙にもならずさらっと答える。
「散々『近親相姦、特に兄妹モノはロマンよ』とか言っておいて、それよりも血が薄い俺たちがして問題がありますか」
「でも……」
「出来たら出来た、法律的にちゃんとした子供にならなくても、その子供を作っちゃいけない理由にはならないよね?」
「……」
 そこまで言うと、妙さんも言葉をつぐんだ。
 学生の身で不用意に相手を妊娠させるのは問題があるかもしれない、というかそれ以上に血縁者を妊娠させるのはもっと問題がある。
 けど、散々俺を誘惑しておきながら、この期に及んでそれはないと思う。なら初めから自分もそうなる可能性があるような事をポンポンと言った妙さんが悪い。
 それを俺は初めは真に受けてセックスをしていたのだから。
 しかし、妊娠を気にするその瞳が普段と違う妙さんの魅力を引き立たせる。
 近親者と子供を作る事の意味を身をもって感じた姿は、妙さんの持つ知識の量に比例していない。
 気を持たせながら俺を襲わなかったのには、もしかするとそんな理由があるかも知れない……そう考えると、妙さんは思った以上に実際のこういうやりとりに奥手だったのではないかと思って、なんだか余計愛しくなった。

「ということで」
 俺はそこで余計な考えは封鎖させる。半分は妙さんに妙な考えをさせないため。残りはさっきの言葉の裏に隠れた意味を考えさせないため。
 俺はあぐらをかいたまま視線だけで、肘を使って体を起こした妙さんの意識を俺の股間に向けさせた。
「この前みたいに綺麗にして、妙さん」
 まださっきの名残が十分にあるペニスが、萎えずに結構な固さでそそり立っている。幹には大量に濡れた妙さんの愛液と、抜く時絡みついた俺自身が膣に射精した精液の濁り。さらに先端からは妙さんの膣に出し損ねた精液が小さく溢れてもいる。
「か、ず……」
 妙さんはそんなペニスを見つめていたが、すっと視線を離して、
「だ、め……そんな、口でなんて、できない……」
 首を振り恥ずかしそうに呟き、目を伏せた。
「どうして、この前はしてくれたのに」
 凄く残念そうに、というか本当に残念に感じながら前回のことを引き合いに出す。

 前回の事後、俺は妙さんに口で綺麗にして貰いたくて言ってみた。
 当然のように『朝勃ちはお口で処理するものよね』とか言っていたから、状況は微妙に違えど素直にしてくれるかと思っていた。
 しかし、妙さんは拒否したのだ。
 俺のお願いを聞くた途端、快感によって十分染まっていた顔を更に真っ赤に染め、さっきとまったく同じ事を言って。
 普段を普通とするならば、妙さんはセックスに関して意外性の固まりだった。
 でも、結局はして貰った。
 その目を伏せた様子があまりに色っぽくてどうしようもなく興奮したから、自ら妙さんの元に近づいて、妙さんがペニスに触れるのを待ったのだ。
 情けないと思う奴もいるかも知れないが、あんな妙さんを前にしてそうしない方がおかしい。

 あの瞬間、悩みに悩んだ末に舌をちろりと伸ばして触れてくれた妙さんを思い出すと、それだけで今もペニスが追加で射精をしそうだった。
 実際、俺は数度舐めて貰っただけで射精したし。
 今日はそうならぬよう気を入れて、そして出来れば妙さんの方から近づいて貰いたい。
「妙さん……お願い」
 切なく、請うように願う。年下好きな妙さんを考えて計算したわけではないが、結果的にはそんな格好だ。
「か、ず……」
 そして、妙さんもそんな俺に心を動かされたらしい。
「やっぱり……しなきゃ、だめなの……?」
「うん」
 恥ずかしい、と顔にはっきりと示し改めて俺に確認してから、
「は、ぁ……っ」
 と、熱い吐息をひとつした。
「わ、かったわ……」
 そして、妙さんはゆっくりと身体を完全に起こすと、そのまま今度は前に倒れ込むようにして、俺の腰に顔を埋めてくれた。
「あ、ああ……和……」
 目の前で改めてペニスを見たからだろうか、妙さんが俺の股間でどうしようもない声をあげるから、興奮で更にピクリとさせてしまう。
「ね……舐めて」
 かかる吐息が熱を帯びていて、妙さんだって興奮してるに違いない。それを思いつつ、俺はここに来て冷静を装って促した。
「んっ……」
 妙さんの息をのむ声。そしてペニスの幹に手が添えられる。それだけで震えが来るもじっと堪えると、
「は、あっ……」
 ぬらりと、暖かい感触が亀頭の先端に襲いかかった。先端に残っていた精液を、つ……と舌先で奪われていく感覚。
「う、あ……ん」
 撫でるように一度だけそうすると妙さんは動きを止める。しかしそれだけでは許さないと知っているからだろうか、ぬら、ぬちゃ……と改めて断続的な愛撫が続けられた。
 膣内の狭く気持ちよい感覚とは違う、言いようのない別の刺激が俺に与えられる。自らの手に添えたそれを、ここから見えない位置で妙さんが舐めてくれている。それだけで十分に興奮する。
「そう、もっと妙さん……妙さんの知っているやり方で続けて」
 口での愛撫に俺は悦びを感じ、もっとそうして欲しいと願う。
「は、あっ……」
 妙さんはたどたどしく、舌先だけで亀頭を何度かなぞる。それから俺の言葉が効いたのか、頭を横にずらし、唇全体を幹になぞらせるようにして上下させ始めた。
 妙さんは知っている、どうすれば気持ちよくなるのかを頭の中では。
 そしてそれを思い出してしまったかのように、一度始まった新たな愛撫は止まらなかった。
 ぬる、ぬる……と優しく這うような唇が幹についたぬめりを広げ、舌がそれを舐め取っていく。舌の柔らかさ、暖かさがペニスの一部にだけかかり、何とも言えない高揚感がある。
「和……こんな……」
 時折かかる熱い吐息。混乱しているような声色が俺を興奮させてると分かってないような妙さん。儚げに、しかし俺の股間へ顔を埋めている姿に、俺は新たに呼びかける。
「ねえ、昔教えてくれたみたいに、口の中に飲み込んでしゃぶってよ……」
「!」
 妙さんは瞬間、ぴくっと体を小さく震わせた。くっ、とペニスを触れる手のひらに力が籠もる。
 知らないわけがない。妙さんはずっとそうやって人のことをからかっていたのだから。
「ね……?」
 あくまでも強制するのではなく、願うように語りかける。
「……」
「妙さんにそうして欲しいんだ」
 妙さんは一瞬動きを止め、躊躇している様子。そんな背中を押してやるような言葉で快感を求める。
「か、ず……」
 妙さんの頭が微かに動く。唇は幹を舐める位置から少しだけ上に。更に手のひらはペニスを支えるように位置を整えて。
 そして遂に、ず、りゅ……と包み込むような口内の熱い感覚がやってきた。
「ん、ふ……ぁ」
 妙さんの頭が大きく俺の腰に埋められ、くぐもった声。ペニスを口に含み、妙さんが奥までペニスを含み、俺を愛撫している。舌や唇を積極的に使っているわけではないが、まるで膣内にいるような感覚が心地よかった。
「そう、妙さん……もっと口を使って」
 俺は妙さんが苦しまないように気を遣いながらも、そっとその頭に手を置く。
「んっ……」
 一瞬小さく声を上げるが、妙さんはそこで開いただけだった口を小さくすぼませる。全体を一気に締め上げるような感覚。それは膣が収縮したみたいに感じてしまう心地よさ。テクニックは無いに等しいけど、経験の無い俺たちにはそれ位が丁度だと思う。これから少しずつ、妙さんの知る知識が実際のフェラに反映されていくと思うとゾクゾクしている自分がいた。
 卑猥に上下する頭。その向こうでは、スーツに身を包んだままの背中と、少しだけ皺になったスカート。顔は見えなくても、そんな後姿だけで十分欲情させられてしまう。
「ん……か、はっ……」」
 奥に当たってしまったのか、妙さんが苦しそうに俺を含んだままむせる。そんな頭を優しく撫でながら、
「無理しないで……そう、そのままゆっくり引き抜いて」
 促すと、妙さんは最奥まで含んだ頭をゆっくりと上げる。
 ず、る……
 唇に幹が、そして亀頭のくびれが引っかかるようにして妙さんの口内を出てくる。ぶるぶると震えを呼び起こす快楽に、腰が小さく引けた。
「……」
 全部を引き抜いて、妙さんはこちらを見上げた。
 よだれとも精液ともつかないそれが妙さんの口の周りを汚している。その『汚した』という感覚がたまらなくて思わず、
「妙さん、いいよ」
 俺は満足を示し、『もっと』と求める声を発する。
 しかし、妙さんには恐らく『もういいよ』という違う意味に聞こえたのか、
「ん、っ……」
 ゆっくりと俺の腰から顔を上げ、ぺたりと座り込んでしまった。
「……」
 妙さんは、口に含まれた残滓をどうすることも出来ずいる。
 本当はその綺麗な唇に、口内に向けて思い切り射精したかった。後に残ったものなんかじゃなく、妙さんの口戯で生まれた快感を記す精液を出して、それを口いっぱいに含んで貰いたかった。
 でも今は妙さんに責めるようなことはしない。その口の中にある精液を、まずは……
「飲んで……」
 そうしてもらいたくて、促した。
 そして妙さんは一瞬躊躇するも、
「ん、っ……」
 こくっ、と少し喉に詰まらせるようにしながら、それを静かに嚥下してくれた。
「あ、はあっ……か、ずの味……」
 名残を飲み込んだ妙さんは、その味に顔をくしゃくしゃにしている。そんな様子が……とにかく扇情的である。
 だけられた前。
 半端にまくり上げられたスカート。
 ずり下げられた下着。
 そして……妙さんの小さく開かれた膝の間、茂みがぺったりと張り付いた股間から新たに溢れた精液がとろとろとこぼれ落ちてシーツにシミを作る様。
 すべての状況が相まって、俺の興奮をガンと押し上げていた。
 最後までしてもらえてない残念さはある。けど、それよりももっと凄い様子が俺のペニスを萎えさせない。妙さんのおかげで綺麗になったけども、もっともっとこれを使いたかった。

「妙さん、後ろ向いて」
「え……」
 俺は膝立ちになると、少しだけ見下ろすようにして妙さんを見つめ、請う。
 この状況では、ただ後ろを向くだけ、なんて意味な訳がない。
 それを分かっているのは、誰よりも妙さんである。
「和……もう、やめて。明日だって仕事が……」
 妙さんはおびえた様子で俺を見上げてくる。
 どうしてこんな顔が出来るのか。
 普段の妙さんだったなら、『もう、激しいわねえ』と言いつつも素直にお尻を向けて、挑発的に振ってくると思えるのに。
 まるで少女である。
 いや、妙さんはまだ少女なのだ。
 知識を欲しがって、そして手に入れたまま大人にはなったけど、経験をしたことがなかったから少女。
 その可憐な姿がたまらない。
「だめ、そんなの理由にならないよ。俺だって明日学校があって、遅刻だってヤバイけどこうしてるんだし」
 にっこりと笑って言うけど、実際は早くまた妙さんが欲しくてしょうがなかった。疲れを癒すとかより、妙さんの身体を味わう方が何百倍も今は大事だから。
「そ、んな……」
 妙さんの口から出るのは、絶望じゃなく羞恥。
 男は一度では治まらない、前から言われていたけど、実感したのはそれを言った妙さんの身体で確かめてからだ。
 そう、妙さんがこんなに魅力的であるから治まらないんだ、そんな底がない欲求を感じて、桃色に染まる身体を舐める様に見てしまう。
 ずっとこうやって成熟した、しかし純潔を守っていた身体を隠していたなんて思わなかった。仕事場での同僚の視線はいかばかりなのか、そんな風に思うとなんだか許せない。
「……」
 妙さんはそんな俺の眼差しにようやく気付いてくれたらしく、何も言わずに身体を反転させると、背中を俺に向けてくれて、そこで、後ろから見る妙さんもまたいやらしいと思った。
 しわくちゃにされたスーツは、明日クリーニングでも出さなきゃダメかも。精液で汚してはないから、疲れてそのまま寝たと思えば誰に怪しまれることもないはず。まあいつかは、妙さんの働くイメージを表すその服にも精液を撒き散らしてみたいとかコスプレを考えてはいるけど。
 普段は後ろで一つに縛ってる髪は、仕事姿ではアップにしてまとめてるけど、それは逆に扇情的じゃないかって思う。そんな首筋を毎日後ろから見せられたら、中学生なんか毎晩オナニー漬けだ。
 で、そこまでまだ普通の装いを見せる中、半端なストッキングのずり下げられ方が淫靡に映えた。
 膝立ちになってにじり寄ると、まずは体制を整えるために妙さんの腰に手を当て、優しく引き寄せる。
「っ……」
 くっ、と俺にお尻を突き出すような格好にされ、小さく声を上げる妙さん。
 そんな妙さんの腰に、新たな魅力を感じる。
 抜群のプロポーションがきゅっと細いラインをつくり、その上下にある胸とヒップの大きさを際だたせている。今も少しだけ乱れたタイトスカートに包まれたお尻は多少窮屈そうだ。
 早速、俺は窮屈さから開放すべく腿に両手を添えた。
「ああっ……」
 生足に触れた瞬間、妙さんは小さく喘ぐ。感じたのか、うっすらと鳥肌が滑らかな太股に浮かんでいる。その感触に俺も鳥肌を浮かべながら、あてがった手をすすす……と上にずらし、スカートを押し上げていった。
「見、ないで……」
 見ないなんて無理に決まってる。露わにされた臀部は信じられないほど卑猥だった。
 こんなお尻がふりふりと前を歩いてたらかぶりつきたい。でも妙さんはお尻だけじゃなくて、全身が魅力の固まりなのだけど。
「い、や……和……」
 弱々しくこちらを振り返って首を振る妙さん。この人は意図していなくても行動すべてがエロスを振りまいている。それは普段の言動に隠されてはいたけど、今こうして改めて思う。
 その時、ぽたり……と、卑猥なお尻の下で更に卑猥な姿をした秘部から滴が垂れた。さっき出した精液が妙さんの新たな愛液に押し流されたのかまた溢れ、ストッキングと一緒に引っかかったままのショーツのクロッチに落ちた。
 それを見てちょっと、いや一気に性欲が跳ね上がる。
「いくよ……」
 だから、ぐっと腰を掴むと位置を整えペニスを擦りつけると、ぐっとそのまま前に突き出した。
「あああ……っ!」
 ぐじゅう、と蜜が溢れる妙さんの膣に一度で埋まる。
「あ、っ……和、が、奥まで来てる……!」
 初めての体勢で深く繋がった妙さんは、身体に染みついてしまっていた卑猥な言葉を呟いた。正直な言葉なのだろうけど、それが男心にグサリと興奮のくさびを打ち込む。
 入れただけでおかしくなりそうな膣内の感触はさっきよりもまだきつく、
「んっ……はあっ!」
 ぬちゃぬちゃと前後させると、襞に絡まった先程の精液までもが俺を気持ちよくさせている。
「あ……っ!」
 ぎりぎりの所まで引き抜いて、
「ふああああっ!」
 それから一気に妙さんの奥まで突き進む。
 その度に亀頭のくびれに掻き出された精液がボタボタと流れ落ちていく感覚。幹に絡み、陰嚢まで滴るそれはひどく快感。せっかく出したそれを自ら掻き出すのは、きっとまた妙さんの膣内にもっと新しい精液を感じて貰うための男の作りなんだろう。
 そう考えると、早くそうしたくて少しだけギアを上げた。
 ぐちゅん、ぷじゅっ、じゅぷうっ!
「は、あ、ああっ! か、ず……!!」
 激しさを増して打ち付けられるペニスに、杭を打ち込まれた妙さんが絶え絶えに喘ぎを上げて背中を反らす。
 パンパンと卑猥な結合音が腰から響き渡り、ぐっと掴んだまま妙さんのヒップが殊更赤く染まっていた。
 肉付きが凄くてみっちりとしたヒップは、指を食い込ませて開くようにすると、にちゃりとイヤらしい音を立てて結合部を見せてくれる。
「妙さん……!」
「は、ああああっ!」
 ぐっと前傾する。
 そうすると妙さんの奥が体重をかけられ、俺の先端がまた新しいところへ到達し、喘ぎは更に大きくなる。俺の重みを感じたからか、妙さんの膣はまた一段ときつくなった。
 それを味わいつつ、腰からずらした手で両胸を掴む。
「あああっ……!」
 さっきからずっと見えなかったけど、触れると手には収まりきらないほどの大きな胸。プルプルと、こんな胸が後ろから責めてる間中揺れているかと思うと卑猥だ。
 腰の動きは激しくできなくなったも、その替わりに胸のまろみを味わいながらゆっくりと同調するように動く。
「はあ……っ! か、ず……い、やぁ……」
 激しさに叫んでいた喘ぎから、腹の底から絞り出すような妖艶な喘ぎに変わった妙さん。乳首を摘んで優しく擦ると、
「はあああ……っ!」
 目の前で首を振り、いやいやと悲鳴を上げる。
 そんなうなじがあまりにもセクシーで、思わず舌を伸ばして触れていた。
「あっ……!」
 汗のしょっぱい味にまで媚薬を感じながら、後れ毛を口に含み、妙さんの性感帯を何度もねっとりと責める。
「きゃっ……!」
 今度は、ピクンっと跳ねる様な反応。膣もキュンッと一瞬強く俺を締め付け、それからじわじわと襞が全体を撫で上げる。
 そんな反応に満足をひとしきり覚えた後、片方の手は休まず胸を揉み、そろそろと悪戯をするように下腹部へ。
 結合部に息づくクリトリスへ指をあてがうと、包皮を剥いて直接触った。
「……はあああああっ!」
 瞬間、妙さんは全身をビクンッ! と震わせて軽く達していた。さっきから何段階目か忘れたが、ぎゅうっと俺を締め付ける膣に射精しそうになるも、こうなることを予想していた俺は不意の射精を堪えることが出来た。
 尚も指の腹でくりくりと敏感なそこを責め続けると、妙さんが肩を震わせて何度も軽く達し続けていた。
「ダ、メ……あああああああっ!! 感じ過ぎちゃう、和……!」
 実は妙さんは全身が性感帯に違いない、どこに触れても反応が返ってくる。さっき頭を撫でたのだって実はそうだったんじゃないか。そのうち手の甲に人差し指をあてがっただけで感じてしまうんじゃないかって思うほど。
「妙さん、凄いよ、俺、どうにかなっちゃいそう」
「う、あっ! やあああっ!」
 既にそうなりそうだが、こうやって言葉で自分を抑える。
 とにかくそんな妙さんの感じやすい所を一つ一つ責め続けて、更に結合を深めた。
「ふ、ああっ……!」
 そこで、妙さんの声に少しだけ辛そうな色。全身への愛撫で体重をかけすぎたかもしれないと、名残惜しいが体を離す。
 しかしそれは、一番妙さんが感じる場所を責めるための準備だったりするんだけど。
 改めて最初の体勢に戻った俺は、手をお尻にあてがい、ぐっと広げる。
 と、その中心に妙さんの恥ずかしいところ。
「や……広げないで……!」
 こうして後ろから貫いているから、妙さんのお尻のすぼまりが丸見えだ。
 たぶんこういう関係になった後では一番恥ずかしい部分、そんな場所が膣の収縮に併せるようにしてヒクヒクと誘っている。
 俺は妙さんのヒップを掴んでいた片手を離すと、自分の人差し指を舐めた。そこには妙さんの愛液が混じり、何とも言えない味が広がっているが、それを唾液で上塗りし、潤滑をよくする。そう、これからすることのために。
「妙さん、今日もここ、いくよ……」
 俺は指を口から離すと、結合部に向けて下ろし……その手前で止まる。
 そこは妙さんのアヌス。
「! やっ、だめえ……!」
 ひと、と指先が触れて分かったのか、妙さんがこちらを見て叫んだ。
 その顔のいやらしさといったらない。
 ないから……
「ひゃ、ああああ……っ!」
 つぷりと、その指をすぼまりの中へ差し込んだ。
「くう……っ!」
 妙さんのそこは素直に俺の指を飲み込んで、きつく締め付けてきた。
「はっ、妙さん凄いよ……」
「あああああ……っ! ダメ……!!」
 俺が悦びの感想を漏らすと、妙さんが首を振って否定する。
 しかし身体は否定なんて全くしないで、むしろ嬉しそうに迎え入れているようだった。
 後ろは、最近開発した新たな妙さんの性感帯だ。
 最初は入れるのもやっとだったけど、今は人差し指なら何とか違和感なく迎え入れてくれるようになっている。
 第一関節まで入れると、そこでくにくにと内部を擦る。
「……はああああっ!」
 もっとも恥ずかしい場所の内側を擦られ妙さんが悶える。それに呼応して膣が更の更に締め付けてきた。
「妙さん、かわいい……」
「やっ、か、ず……っ! ああっ!」
 優しく呼びかけると律儀に声を返してくれる妙さんが本当に可愛い。いやらしいと言うより可愛いがこの場合もっとも近いのだ。だからその可愛さをもっと見せて貰うべく責め続け、腰の動きも同時に再開させると、
「だ、め……!」
 妙さんがすぐに達していた。何度目か分からない位イキ続けている妙さんに、俺もフェラから続いた快感の奔流が終わりを迎えようとしていた。
「妙さん、一緒にいこう……」
 俺は指を第二関節まで埋めると、それで自分のペニスの方を擦った。
「だ、め……! 中は、ダメ……!」
 また妙さんが中出しを止めようとする。が、そうやって考えられるのだから思考力が残っていると言うことだろう。
 なら、妙さんがそんな不安なことを考えなくてもいいように。
 パンパンパンパンパンッ……!
「……ゃあああああっ! あ! あ! あ! ああああっ!」
 全力で邁進する。
 妙さんのもっと乱れる姿を見たいと暴れ回り、だけど愛しさを目一杯伝えるようにして激しさを増した。
「あ! あ! あ! ……ぁ、ぁ……」
 と、妙さんの口から喘ぎ声が消える。消えるほどに激しい絶頂を迎えたのだろう。ぎゅうぎゅうと断続的に強く内部へ引き込むような膣の動きにもそれを感じると、俺も最後のスパートにかかって襞の抵抗へ逆らうような激しい挿入をした。
 妙さんの全身が微かに痙攣している。
 それが今度は腕や腿にまで広がって、ガクガクガク……ッ! とおかしな感じになったと思った瞬間、
「……あああああああああああああっ!!」
 声も出せなかった妙さんが、断末魔の絶叫を上げ、俺のペニスをを引きちぎる位に締め付けた。
「た、えさん……っ!」
 それが俺の我慢を遂に破った。
 ビュクッ! ビュクッ! ビュクビュクッ!!
 ビュビュビュビュビュッ! ビュクンッ!
「は、っ……!」
 堰が切れたように押し出された精液が、隙間のない程狭い妙さんの胎内に射精された。逆流できない精液が子宮口から奥に注がれていく感覚に、指をアヌスに差し込んだまま俺が呻く。
 がっくりと妙さんがその射精に身体を支えきれなかったのか崩れ去る。肘で身体を本能的に支えるも、そうして逆に高く掲げられる格好になった臀部に深く繋がった腰を押しつけながら、俺はどうしようもないほどの快感に精を送り続けた。
「は、あっ、はあ……っ!」
 息を止めて数十回は射精しただろうか、俺はようやく酸素を求めるように呼吸すると、最後の一滴までゆるゆると妙さんの膣内に押しつけてようやく終えた。
 指をつぷ……と抜くと、そのまま臀部を両手で撫でさするようにして、絶頂感の名残を味わう。
 と、
「っ……」
 どさり、と遂に妙さんが事切れたように肘からも力が抜け倒れ込んだ。その勢いでずぶり……と串刺しにしていたペニスが抜け、ぴいんと張ったままのそれから最後の一滴が妙さんのお尻にこぼれ落ちた。
 妙さんは荒い呼吸をしたまま気を失っている。そんな秘部から、大量に出しまくった精液の一部が、どろ……と卑猥に溢れていた。
「妙さん……凄くよかったよ……」
 俺はそうして妙さんの横に身体を移動させると、汗で顔に張り付いた髪の毛を整えてあげながら優しく呼びかけた。
「……か、ず……」
 しばらくそうしていると、やっと妙さんが意識を取り戻す。一日のセックスの内で、二度も失神してくれたのはこれが初めてだったかも。
「あ……赤ちゃん、できちゃう……」
 激しく中に出されたことを胎内に残る存在で知ったのか、妙さんは身を震わせながらそんなことを言った。
「大丈夫……責任は、取りますから」
「か、ず……」
 妙さんがあまりよく聞こえてないからと分かって、俺はちゃんと覚悟が出来てると伝えた。
 妙さんみたいな人とセックスするんだったら、中に出したい。
 そして……この人を妊娠させたい。
 男の持つ最大の愛の欲求を言葉にして伝え、キスをして行動にも表す。
「ふぁ、かず……好き、大好き……」
「俺もですよ、妙さん……」
 絶頂さめやらぬ瞳ながら、舌を口内に差し入れるとぴちゃぴちゃと絡めてくれる妙さんがとにかく愛しい。
 俺は一緒に気怠さを味わいながら、妙さんのベッドで唇を重ね続ける。
「妙さん……形だけでもいいから一緒になろう」
「か、ず……」
 優しく頬を撫でながらキス。
 妙さんはその意味を分かってしまったのか、ぴくっと反応しながらも更に優しく唇を重ねてくれた。
「ねえ、妙さん……」
 そんな妙さんに、また新たな性欲が沸き起こる。二度目のバックからでは激しく突きまくってしまったけど、なんか今度は正常位で優しく交わるのもいいな、なんて……もしくは妙さんの知ってる体位を沢山試してもいいかも。側位とか、騎上位とか、対面座位とか駅弁とか松葉崩しとか覚えてないけど何かとか……妙さんの口にしていた数々の体位を思い出す。
「和……」
 ズボンだけ脱ぎかけの間抜けな腰を妙さんに押しつけると、少しだけ腰を引きかけた妙さんが、しかしやめてくれた。
「う、ん……和が、したいようにして……」
 その言葉は、初めて聞いた。
 何だか、妙さんがやっと俺の事を全部受け入れてくれたようで。
 今まではただ身体だけの関係に近かったみたいに思えたけど、心も全部妙さんが俺に向いてくれたようで。
 たまらなく嬉しかった。
「は、あっ……」
 妙さんの乱れまくったスーツに手をかけて脱がしながら、赤子のように妙さんの胸に甘え始めた。妙さんとこれから少しずつ、虚しい机上の空論じゃなくて本当のセックスを覚えていく、そう考えるだけで未来は光に溢れていると思えた。

 

 

後書き


瓢箪から駒という展開は、こういうものにお決まりで付いてきます。
ということで、「じつは妙さんが処女なんではないか?」というとんでもない駒を使ってお話にしてみました。

本来は月姫とかFateとか、いわゆるTYPE-MOON系の作品を書いてますが、今回は浮気です(笑
浮気させるくらい妙さんの(脳内)設定にはたまらないものがあるんだよぉぉぉぉ!
「Like Life」小説版の3巻のシチュエーション募集に関して、おいらの願ったのは妙さんのエロ。しかも「実は処女でした!」なんて展開だったら……ともう、それだけでご飯三杯モノ。
で、いくらなんでもそんなのが叶うわけない……と悟った瞬間、実行は早かったです。
2日で書いたし。
恐るべし、おねーさんの力。

タイトルの意味はズバリ「三親等」です。
最近はすっかり血の繋がりも薄いゲーム業界ですが(当たり前だ)、小説やマンガなら実は余裕で許されたりするのだから、これを書いても問題ナッシングと思っています。

(しかしこの時、既にソフ倫が『近親相姦』 をOKとする規制緩和を発表したとは知らず……)

ほら、オレポケの3巻では明らかに○学生なすずと致しちゃっていたし。
(しかし最近、5等身以下はアウトという謎の規制を新たに設けると発表したソフ倫。謎だ……)

神尾丈治さん、大好きです。
こう、エロに関して言えば師匠と仰ぎたいくらい。
今回は独自色を出来れば抑えたかったんですが、流石一気呵成に書いただけあって、後半は息切れしてました。
ということで、自分流「Like Life」のエロ小説ですが、明日発売の4巻で、妙さんは一体どんな姿を見せてくれるのでしょうか……

お読みいただき、ありがとうございました。

 

〜追記〜
……んーと、その4巻で大変なことが起きました。
この作品のテーマであった「実は処女だった妙さんとやりまくり退廃生活」てのがありまして、
実はそれ、書いたの僕なんです。
採用されてました(汗
「採用されるわけないよなー」って書いたのが上記の作品だったので
その驚きもひとしお。
思わず著者・神尾丈治さんにメールしてしまいました。

ということで、読み比べて頂くとちょっと違和感もありますが、それぞれがそれぞれの形、という神尾さんの言葉を頂きましたので、こちらの妙さんもよろしくお願い致します。








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